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尾形真夜中

2015/09/07

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音文酒肴 -村上春樹を読みながら聴きたいアーティスト-

僕は格好つけてウイスキーを飲んでいた。
自宅なのに。
一人なのに。

板チョコをわざと雑に砕いてつまんで、悦に浸っていた。
ウイスキーとチョコの相性の良さは、全く酒に詳しくない僕にでも分かる。


 

良い気分だったので、読みかけの小説を最後まで読んでしまおうと、本棚から抜き出した。
普段は何も聴かずに読書だけに集中するが、格好つけついでに何か音楽を聴きながら読もうと思った。一人なのに。
この本に合う音楽って何だろうなぁと考えながらiPodのクリックホイールをクルクル回していたら、閃いた。

「酒と肴の関係は、音楽と文学のそれに似ている!!!」

酔っ払いの頭に、電撃走る。急性アル中とかではない。

思いついたからには記事にせずにはいられない、と即座にメモ帳を開いた。
が、全く頭が回らない。目は回る。三半規管がクリックホイール。

よし、明日書こう。そう決心した後、PCをシャットダウンして寝床に就いた。
読みかけの小説、村上春樹の「ノルウェイの森(上)」は、読破されることなく床に放り投げられた。

 

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おはようございます。

上記のように、ウイスキーとチョコはそれぞれを口にするだけでも充分に美味しいものだが、
同時にいただくことにより
「1+1は2じゃないぞ。オレたちは1+1で200だ。10倍だぞ10倍」となるのだ。
俗にいうマリアージュというヤツである。

音楽と文学にも同じことが言えるのではないかと僕は思う。
それぞれが人の心を動かす確かな力を持っている。
もし音楽と文学の間でのマリアージュがあるとしたら、それは小島聡氏も閉口するほどの相乗効果を生むはずだ。

 


 

僕はこの記事を書くにあたり、3つのことを願っている。

本を読まないヘッドフォンチルドレンに、文字だけで泣けるようになって欲しい。
音楽を聴かない図書館野郎に、周囲を鑑みずにヘッドバンキングできるようになって欲しい。

どちらにも興味が無いという人には、そのまま幸せに生きて欲しい。

 

というわけで本題

掲題にある通り、今回紹介させていただく作家は村上春樹である。

先に申し上げておくが、僕は所謂ハルキストという人種ではない。
彼の作品を全く読まないわけではないが、全作を蒐集するほど惚れ込んでいるわけでもない。
好きか嫌いかで言えば、そこそこ好きというレベルである。もっと好きな作家はたくさんいる。

ではなぜわざわざ彼を選んだのかと言うと、僕がこの記事を書こうと思ったきっかけが彼の作品であったことと、
永遠のノーベル文学賞候補として毎年ニュースを騒がせるがゆえに、
この地下室TIMESを訪れるほとんどの人が、最低限名前くらいなら聞いたことあるだろうと考えたからだ。

 

村上作品を読んだことがないというあなたには「風の歌を聴け」や「スプートニクの恋人」をお勧めする。
村上ワールドの良い部分が光っている。

近年話題になっていた「1Q84」と「色彩を持たない多崎つくる~」は止めておいたほうが無難である。
村上ワールドの悪い部分が腐っている。


 

彼の作品について解説するが、ここは地下室TIMES、音楽ニュースのサイトである。さくっといこう。

浮世離れしてどこか陰のある主人公が、浮世離れした暮らしを営んでいたところ、
浮世離れしてどこか陰のあるヒロインに出会う(もしくは初めから知り合いである)。
浮世離れしたやりとり(セックス含む)を重ねたのち、何かしらの事件が起こる。
ヒロインが死亡(もしくは失踪)して、主人公は浮世離れした行動をとる。
浮世離れした展開の後に、浮世離れした結末が待っている。

大体の作品がこのフローを主軸に進む。
馬鹿にしたつもりはない。褒めてもいないが。

ようするに終始浮世離れカーニバルなのである。
良く言えばオシャレで独創的な物語で、悪く言えばダダ滑りしている寒い物語なのだ。

それをどう受け止めるかによって、あなたがハルキストであるかどうか判別できる。
リトマス紙並みに分かりやすい。

作品によっても浮世離れ濃度が変わってくる。
上の方でお勧めした2冊は、ワリとすっきりとした浮世離れっぷりである。
僕が途中で投げ出していた「ノルウェイの森」は、吐き気を催すほどの離れぶりだ。
よく訓練されたハルキストですら胃もたれを起こしそうなレベルだ。しかもそこそこ長い。
文学界のギャル曽根を呼べ。


 

さて、そんな村上春樹とマリアージュばっちりなアーティストを紹介しよう。

ちなみに彼の物語ではほんとうに数多くの音楽が流れている。
モーツァルトにはじまり、プレスリー、ドアーズ、AC/DC、レディヘクラプトン井上陽水スガシカオetc...

全部無視だ。
彼の作品の中に登場するからといって作品そのものにしっくりくるわけではない。
そこんとこは分かっていただきたい。

先にゲシュタルト崩壊しかねないほど述べたように、彼の作品の特徴は良くも悪くも浮世離れしているところだ。
少々現実味に欠けていながらも、どこか華やかさを持ち、夢の世界や御伽噺のような印象を受ける。
しかしそれだけではなく、セックスや暴力などのダークな部分も見え隠れしていて、
ますます何が言いたいのか、その本質が分からなくなる。

 

そんな物語はこのアーティストを聴きながら読め。

はいドン。

APOGEE

2006年メジャーデビューの邦楽バンド、APOGEE。
都会的なビートにエロチックなベースラインが乗る。
煌びやかなシンセサイザーに飾られて、少し癖のあるボーカルが際立つ。

 

 

 

洒落てる。


この妖しさがたまらない。

マリアージュを感じていただけただろうか。
以上のPVを見てビビっと来た方にお勧めしたいのは
1stアルバム「Fantastic」と2ndアルバム「Touch in Light」だ。
本当にハズれ曲が無い。約束する。浮世離れエッセンスがこれでもかというほど凝縮されたアルバムになっている。
ここで全曲を紹介できないのが残念でならない。ぜひとも手に取って聴いていただきたい。

最後に

いかがだろうか。
APOGEEが好きだというあなたは、一度村上春樹の作品を読んでみるべきだ。
「アフターダーク」や、やはり「スプートニクの恋人」がお勧めである。

村上春樹ファンは、ヘッドバンキングへの第一歩としてAPOGEEの曲を聴いてみよう。
そこからレッチリやTahiti 80を経て、最終的にはLimp BizkitやSlipknotに繋がるビジョンがうっすらと見える。

どちらにも興味が無いという人は、なぜこの記事をここまで読んだのだろうか。

そしてここまであえて言及してこなかったが、ART-SCHOOLの木下理樹は村上春樹を敬愛している。
言及しなかった理由については察していただきたい。

皆殺しのキキについて口にしてはいけない。

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