Petrolz 大人の邦楽
独断と偏見で選ぶ日本人ギタリスト3選にてハトも絶賛していた
東京事変のギタリスト浮雲こと長岡 亮介率いる3ピースバンドだ
筆者も好きなギタリストを3人選出するのであれば、まず間違いなく彼は含まれるだろう
表層を見ればお子様ランチ化の激しい邦楽シーン、というのは後日に詳しく書くとして
彼らPetrolzは対極に位置する。まさに大人の邦楽だ
申し訳ないが、今日は未成年は帰ってくれ
何をもって大人か
まず聴いてみよう
アルコールやタバコの類と同じく、未成年の健全な発育を妨げかねないサウンド
楽曲全体を通してアダルトな雰囲気で満ちている
ホテルの最上階のバーで飲むスコッチはきっとこんな感じだ(お酒も飲めないしホテルのバーにも行ったことはない)
何をもって大人か
まず3人の色気だ
冴えない風貌の30代がシブい音楽をやっている、これはエロい
ルックスもお洒落だ
長髪メガネ30代の裏声、いやエロい
こんなもの未成年に見せられないだろう
ペトロールズに傾倒するようになったら、クリープハイプとはまた別のベクトルで間違った恋愛に傷つくに違いない
優れた音楽性
音楽に優劣をつけることは安易で軽薄だが、つけるとするならばオリジナリティが一つの指針だろう
ここでいうオリジナリティとは、既存の音楽に対してどれだけ独自のアプローチで新しい音楽性を生み出したかという事だ
どこまでいっても音楽は音階の呪縛からは抜け出せないし、バンドという形態をとる時点でビートルズの影響を免れることはできない
結局既存の焼き増しに終始してしまう
しかしその焼き増しの中でいかに多くを吸収し、昇華した上でアウトプットできるか、である
これについても詳細は後日にする
そのオリジナリティという点で彼らの音楽は先進的だ
3人という最小限の形態をとったバンドサウンドの中で、その表現は工夫に満ちている
まず長岡が弾かない
3ピースバンドによくあるのがコード弾きっぱなし状態である
3人という人数の少なさを補うためや、ギターボーカルの労力や技量の関係でこの状態に陥りがちである
空白があれば埋めようとするのが人間らしさだろう
しかし長岡は弾かない、空白を恐れない
弾いて埋めることより弾かないことの方がずっと難しいのだ
その上で楽曲に必要なメロディはしっかりと弾いて花を添えている
そしてこれを可能にしているのがリズム隊の二人だ
しっかりとベースが支えているおかげで楽曲に安定感が生まれている
ベースなんかいらないだろ、とお考えの方は是非彼らのライブに足を運び
音圧バキバキのパワーコードで毒された耳を洗浄すると良い
本来ライブ演奏では、音楽のジャンルにも寄るがベースが全体の音域の体感6割を占めることもある
ギターのコードなんか2割程度だ、ギターボーカルのコードなんかはシャーシャーと鳴っているようにしか聴こえないことの方が多い
ドラムも遊びが多く、ドラム単体だけを聴いているだけで飽きない程だ
ドラムパターン一つ切り取っても工夫工夫アンド工夫
曲を単調にさせない要素として一役買っている
語り出したらキリがない
音楽なんてみんなそうだが、特にペトロールズの良さは言葉では語りつくせない
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