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2016/07/16

記事 邦楽ロック

ストイックにミニマルなD.A.N.が今アツいらしい

彼らの1st e.p.その名も「EP」
「コカコーラがコーラだからコーラという名前がついている」のような、真面目に考えるほどに路頭にぐグルグルしてしまう、とてもスッキリとしてわかりやすい名前。
そんなけったいなネーミングセンスを持つのが、今回の記事のD.A.N.というバンド。
ちなみにその「EP」という作品のジャケットは「D」の文字一つだけが大きく描かれているだけというめちゃくちゃシンプルなデザイン。
最近の若いバンドはシンプルなデザインを好む傾向があるけども、ここまで主張の薄いデザインはなかなか見られないぞ。

とまあ、そういったところからもなんとなく察しがついていると思われるが、その音楽性もよく言えば攻めてるし、悪く言うととっつきづらいといった具合になっている。
彼らの名前をよく聞くようになってから半年とちょっと経ったが、僕が最初に聴いたときに思った、ちょっと攻めすぎかな・・・という感想とは裏腹に、耳の早いリスナーを中心に、雑にいうと”今アツいバンド”になってきた。どうやら先ほどの”良くも悪くも”の”良くも”の方で評価されているみたいだ。世間というやつはたまにこういった具合で良い意味での裏切りを見せてくれるから面白い。

ということで今回はそんなアツいバンドD.A.N.をみなさまに是非とも紹介したいと思うわけである。

ストイック


D.A.N. - Ghana

コチラが代表曲の"Ghana"
彼らの音楽性を一言で表せと言われれば僕は”ストイック”だと思うのだが、それが前面に出た曲であると思う。
いやだってさ、新しい音楽に触れる場所の一番にYoutubeというこの時代に、それこそ「開始から30秒以内にサビに入らねえとリスナーが逃げる!」なんて時代ですよ、今は。
そんな時代にも拘らずこの曲の冒頭14秒間はただ喋ってる声が入ってるだけなんだぜ?

僕はどちらかというと前者の「30秒でサビ」なんていう音楽のファストファッション的な傾向はあまりいいと思っていなくて、ファッションで言えば「良いものをより長く」みたいなのが評価されるといいなと思っている側でして。
冒頭14秒間をただ喋ってる声だけに費やす、D.A.N.のようなバンドが評価されていて嬉しいんですよ。

ということでみなさまいかがでしょうか、D.A.N.のサウンドは。
さっきまでも散々書いてきたが、決してとっつきやすい方の音楽ではないと思うのだけれど、その分彼らの音楽にハマっちゃった時には堪らないんですよ。

クラブサウンドをバンドで


D.A.N. - POOL

いつの時代でも聴ける、ジャパニーズ・ミニマル・メロウをクラブサウンドで追求したニュージェネレーション。

先ほどは彼らの音楽をストイックといったけれども、どちらかというとそれは音楽性というよりはスタイルの方で、では彼らの音楽の面白さとは、と言われればプロフィールにもあるように「バンド形態で表現するクラブサウンド」だと思う。
D.A.N.の曲をiTunesに入れると「エレクトリック」と出るのだが、その通りだと思う。形態としてはバンドだけれども、表現している音楽は完全にエレクトロもの。

僕が上のPOOLという曲で一番気に入っている部分は中盤あたりのドラムだけになるところなんだけれども、これもミニマルだからこその手法だよね。
ミニマルにループを繰り返して曲を作っているからこそ、ドラムだけになる部分が曲の中でパワーをもてるのだ。
どうしても”歌もの”が好まれやすい日本のシーンから、こういったアプローチを武器にするバンドが出てくるのは非常に面白いと思う。

いかがだっただろうか

いかがだっただろうかD.A.N.
先ほど書いたように「30秒でサビ!」といった音楽とは真逆の立ち位置なので、どうしてもなかなかとっつきづらいと思う。
こういうことを言うのは若干野暮だとは思うけど、ゆったりとリズムに乗って聞くと彼らの”味”がわかってくると思う。よくわからなかった人はそんな感じで試してみてほしい。

ということで今回の記事はD.A.N.、今の音楽のトレンドを先取りする彼らが今後どのように変化していくのか楽しみである。

それではまた。

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