鬼才 Craig Owens
Craig Owensはご存知だろうか。
中堅メタラーなら確実に知っているだろう。
彼の名前は知らずともChiodos(チオドス)というバンドは聴いたことがあるんじゃないだろうか。
彼は鬼才だ。
Craig Owens
チオドスというバンドは入れ替わりが非常に激しく紹介し辛いので、ボーカルのCraig Owensに絞っていきたいと思う。何より私が好きだからだ。
2001年 チオドスの活動を開始。
2005年 1stアルバム『All's Well That Ends Well』をリリース。
Chiodos-All Nereids Beware
あ~メタリックにいくな~と思いきや、ベースのコミカルなリフ、チオドスのウリは『予測不可能』な感じにあると私は思う。
そこに、曲ごとで、曲中で、コロコロ表情を変えるCraigの存在が映える。
1stにして、いきなり売れる。
2007年 2ndアルバム『Bone Palace Ballet』をリリース。
Chiodos - Lexington - Bone Palace Ballet
『前作と比べて』という表現は前作聴いていない人間を置き去りにして嫌いなのだが、必要だ。使おう。
前作はプログレッシブ(変なことしてる)な要素が強かったが、
今作はよりメロディに比重を置いた曲が目立つ。
ゴシック(ホラー映画みたい)な要素も入れてきた。
Craigのハイトーンやシャウト、スクリーム、コーラスのダミ声、ここでも曲に自身を合わせてきている印象を受ける。
予想通り1stを越す売れ具合。
さぁ、来るぞ来るぞと思われたその瞬間、
2008年 精神安定剤のオーバードースにより病院に搬送。
2009年 バンド内の不和、所謂音楽性の違いというやつで脱退させられる。正直彼のカリスマで持っていたようなバンドなのでにわかに信じがたい出来事だった。
この間にD.R.U.G.S.というバンドを結成。
ドラッグで病院に搬送されているのにもかかわらず、懲りない男である。
Destroy Rebuild Until God Shows - Sex Life
そう。D.R.U.G.S.というのは、「Destroy Rebuild Until God Shows」の略称だ。
「神が現れるまで、破壊と再生を繰り返せ」という意味だ。。
バンドを追い出された鬱積が爆発したような歌だと思った。悔しかったんだろう。
美メロも、シャウトも健在だ。
D.R.U.G.S.の音楽はChiodosと比べ、『ストレート』だ。わかりやすい。
好みはわかれるんだろうが、D.R.U.G.S.の活動ではCraig Owensの破天荒さが出きっていないように感じる。
チオドスが足りない。チオドスが足りないんだ。
なんだこれ、すごくかっこいいぞ。
ここまで記事を読んで彼を追ったならちょっとこの感動が伝わるんじゃないかと思ったのだが、どうだろうか。
私はリアルタイムで追っていたので、もうそれはそれは衝撃だった。
2012年 チオドスに電撃復帰。
Chiodos - Ole Fishlips Is Dead Now
この曲はシングルカットでかなりストレートだが、ブレイクダウンにチオドスっぽさを感じる。
昔の雰囲気を残しつつ、メロディがわかりやすくなっている、新たな船出の曲だろう。
この楽曲の入った新アルバムのタイトルが『Devil』
Craig:これは比喩なんだ。決して赤い顔をしたモンスターのデビルではないよ(笑)。本当の自分と、自分がなりたい自分との"乖離"みたいなものを表している。例えば鏡で自分のありのままの姿を見てから、外の世界に出て行って、その後また鏡を見たらそこに映っている自分に誇りが持てるかどうか、そういうことの比喩なんだ。歌詞については自分のここ数年の生活の教訓で自分に役立っているものを基にしている。その教訓によって自分は自分らしくありのままでいられるようになった、そういうことを歌詞で書いてるんだ。
(激ロックインタビューより)
彼の中に色々変化があったことが伺える。
鏡で自分のありのままの姿を見てから、外の世界に出て行って、その後また鏡を見たらそこに映っている自分に誇りが持てるか
深い。真意は本人以外わからないが、本当の自分をひたすら隠して仕事なり学校なり行って帰ってきて、もう一度自分を見直したとき、その自分が肯定できるか。
と私は捉えた。
Craig Owens - "Paradise"
Craig Owens、知っておいて損はないはずだ。