ジャズアニメ『坂道のアポロン』はゲイが細かい。
『坂道のアポロン』(さかみちのアポロン)は、小玉ユキによるマンガ作品だ。アニメ化もしている。
おいおい、音楽紹介メディアじゃないんかハゲ!という読者の皆さん、落ち着いてほしい。
私はフサフサだ。
坂道のアポロン、こいつがそれはもうよくできたジャズアニメなんだ。是非紹介したい。
こちらも極力注意するが、ストーリーを少し追うためネタバレ注意だ。
坂道のアポロン
都会から転校してきた『西見薫』は、絶対隠れてメタルをやっているであろうガチムチの『川渕千太郎』に出逢うことで『ジャズ』に目覚める。
転校生『西見薫』がいちいち顔を赤らめるため、『ゲイ』にも目覚めたかと錯覚するが、それはあくまで錯覚である。
坂道アポロン 初めてのジャズセッション
千太郎「よっしゃ!交渉成立!始めるばい!」
薫 「え?ん…何を?(頬を赤らめる)」
「う、うわぁ~、生の…セッションだ(頬を赤らめる)」
ほとばしるゲイ臭は気にせずに進もう。
楽器を準備をするあの感じ、音を出して確認するあの感じ、誰かがきっかけを作ると誰かが乗っかってくるあの感じ。とてもよく出ていると思う。
動きも人間からモーションをとっているようで、ぬるぬる動いている。
そう、ガチムチがぬるぬるである。
ちなみに、このセッションではBill Evans Trio の 『Milestones』という曲が使われている。
酒場でライブしたりするシーンもある。
薫『あいつどうしたんだ?硬くなって… ユリカさんが見てるからなのか…?目を覚ませ!』
お前の発言はどうしてそんなにゲイっぽいんだ。目を覚ませ。
ピアノを起点としたきっかけがあって、ドラムが息を吹き返す感じ。音で会話する感じ。セッションだ。
紆余曲折あり、いつも生でセッションしていた『薫』と『千太郎』二人は、痴話ゲンカ、いや普通のケンカで疎遠に。
『千太郎』はロックバンドに浮気。
そのロックバンドが文化祭で機材トラブルを起こす。
彼氏、いや、相方のピンチである。
ん、というかアンプ、ORANGEとFenderのTone Masterだな。さすが、ゲイが細かい。
復旧の時間を稼ごうと、薫がぬるぬると弾き始めるのは『My Favorite Song』名曲中の名曲である。
My Favorite Things - John Coltrane
原曲だ。イヤホンをつけて聴いてみてほしい。
耳が痒かろう。
この時代の耳がかゆくなる音源がいい味を出している。ステレオっていう技術がなかったんだな。
千太郎『おいはやっぱりジャズのほうが好いとる。』
からの『My Favorite things』である。どれだけゲイが細かいんだ、スタッフ。
きっと、音源や、既存曲を演奏するバンドを聴いている、セッションというものがわからない人が多いんじゃないだろうか。
このアニメはそれに関して本当によくできている。
ピアノがなにか仕掛けるとすぐさまにドラムが反応する。とっても敏感な二枚貝のようなセッションだ。
My Favorite Things" → "Someday My Prince Will Come" → "Moanin'"
素晴らしい流れだ。本当にセンスがいい。
男同士のセッションの話なので、あまり関係ないが、
ヒロイン面した女の子が、『王子様が帰ってきたみたい」というが、『Someday My Prince Will Come』とかけているのだろう。芸が細かい。ゲイパーティだ。
『Moanin』の演奏もキレッキレだ。本当に気持ちいい。
最終話の演奏も素晴らしく、是非紹介したいのだが、話を追って観たほうが感動が大きいだろう。
ちなみにOPはYUKI EDは秦 基博が担当している。豪華すぎる。
OPが非常に好みなので、この楽曲でお別れ、ない。
軒並み削除されている。無念。
YUKI - 坂道のメロディ
なんと、作曲:管野ようこ 信じられない豪華なタッグだ。
美しいピアノの音粒から始まり、マーチングのようなゆったりとした雰囲気のAメロとは対照的にBメロから疾走。そのままサビで突き抜ける、が、ない。
オルゴール版で。締めよう。
『坂道のアポロン』とても良い作品だ。アニメのほうをオススメしたい。
是非、薫くんと一緒に頬を赤らめてほしい。