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2015/09/21

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名盤紹介Linkin park - Meteora 一瞬に込めたこだわり。

こんにちは。
この世に数多に存在する名盤と呼ばれるCD。
だがその多くは言い方が悪いかもしれないが、結構古いアルバムばかりではないだろうか。

大人たちの思い出のアルバムとしての名盤ではなく、
地下室timesの読者層、若い世代、とりわけ2000年代以降に発表されたものの中から
”名盤”に相応しいアルバムを紹介できたら面白いのではないかと思う。

ということで第一弾はLinkin park - Meteoraを紹介したいと思う。
いつの間にか新世代から大御所のように扱われるようになったLinkin park、
アルバム、Meteoraは初期のサウンド、ヘビーロックの一種の完成形である。

初期のLinkin park

所謂、ラップメタル、初期のLinkin parkはまさにそれを地で行くようなサウンドであった。
同じくラップメタルで既に成功していたLimp bizkitの隣にCDを置くために敢えてLinkin parkと名乗ったという噂もあるが、実際どうなのだろうか。
余談だが、Linkin parkの名はボーカルのチェスターの近所の公園、”リンカーンパーク”(カリフォルニアの訛りでリンキンパーク発音する)の名前から取ったらしい。
私がアメリカに行ったときにその名前の下になったリンカーンパークに行ってみようと思い、調べてみたのだが、なんとリンカーンパークと言う名前の公園は複数、というか結構沢山あり、驚いた。
日本で言うところの”中央公園”とかそういうニュアンスなのだろうか。
記憶があいまいだが、確かチェスターの住んでいたサンタモニカ周辺だけでも3つほどリンカーンパークがあった。

話が逸れたが、当時猛威を振るっていったラップメタルの雄、Limp bizkitに正面から挑みその名を塗り替えたのが初期のLinkin parkであり、その地位を確実にし、極めたのがセカンドアルバムであるMeteoraである。

とにかく作りこまれている。一瞬へのこだわり

では実際にLinkin parkは何が凄かったのだろうか、
まず一つめに挙げられるのが、作りこみが尋常じゃないところか。


Linkin Park - Breaking the Habit

まず注目してもらいたいのが、1コーラス、1番のサビ終わりまで聴いたときの経過時間だ。
およそ1分15秒。

たった1分15秒の中でこれほどのボリューム感。
1分たってやっとイントロが終わる曲なんてザラにある中、彼らは1分の中にここまで詰め込めんだ。
しかも詰め込んだあげく、その後に繋がる絶妙な余韻を残す。

その後も1秒たりとも目を離せない展開。
下手な曲調の変化などなしに、自然と能動的に引き込むバランス感覚。
圧倒的な情報量の多さに自覚の無いままコントロールされている状態。
音が流れている全ての1秒、いや、もっと細かい一瞬たりとも一切手を抜いていない。

この一瞬へのこだわりこそがMeteoraというアルバム全体の圧倒的ボリューム感を生み出しているのだ。
因みにアルバム、全13曲、全体を通して36分32秒という圧倒的コンパクトさである。

ある種の狂気すら感じるほどだ。

繋がった曲間

このアルバム、殆どの曲の曲間が繋がるようにできている。
動画に挙げたBreaking the habitを例に挙げると、
アルバム上で前の曲Figure.09の曲終わりの余韻からBreaking the habitへの伏線のようなSEが流れ始めそのままBreaking the habit冒頭の何か叩いたような”べしっ!”という音に繋がる。
またBreaking the habitの曲終わりでは次の曲From the insideへバトンタッチするかのごとくにギターのフィードバックノイズ、が入ってそのまま繋がる。

非常にコンパクトにまとめられた楽曲とあいまって本当に息をつくまもなく曲が進んでいく。

それでいてキャッチー


Linkin Park - Faint

Linkin park屈指の知名度を誇る一曲。
キャッチーさなんてのは主観的な感想であるが、どうだろうか。
この曲をキャッチーでないという人は少ないだろう。

いまでこそ少し難解な曲も増えてきたが、そう、この頃のLinkin parkはどの曲も耳に残るメロディとノリのよさがある。
キャッチーさで惹きつけ、作りこまれた奥行きでファンの心と耳をガッツリ掴むのだ。

別の言い方をするとわかりやすさこそが彼らの魅力の一つなのかもしれない。
文章で言うところの”行間を読む”といった作業は彼らの音楽には必要ないのだ。

必要なものは全て音としてなっている。
というのは音楽理論的、楽譜的な意味では彼らの音楽は非常にシンプルであり、それでこそ無尽蔵に挿入されるデジタルサウンドやボーカルの一つ一つの表情が重要になってくる。

こういった方法論は彼ら以前の音楽では殆ど見られなかったものである。
彼らはその新しい方法論を世に提示した上で物凄いセールスを挙げた。
だからこそ私はこのアルバムが名盤だと思うのである。

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