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2015/09/07

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青白い激情、odol爆誕

この音、この佇まい、本物以外の何物でもない。
2015年、最大目の新人バンドがデビューした。

「odol」

読み方は「オドル」らしい。

このバンドの産声に立ち会えたことは、いつの日かあなたの誇りになるだろう

od1

5/20に正式に全国リリースされた初音源はバンド名を冠したセルフタイトル「odol」

odolとは東京を中心に活動する5人組オルタナティブロックバンド。
昨年、結成から半年足らずで「FUJI ROCK FESTIVAL’14」に出演。
ボーカルの繊細かつ力強い歌声、ディストーション・ギターが鳴り響く中、絶妙な調和で保たれる美しいピアノのフレーズなどが印象的な、平均年齢21歳の新世代ロックバンドである。

では、まず一曲聴いて頂きたい。

どうだろうか?

デビュー曲にして、ロックの神様が舞い降りたかのような傑作と呼べる一曲である。

轟音でいながらメランコリック。
そして何よりも特筆すべきは声。
怒りや悲しみと言った衝動とは違う質の叫び声が、鼓膜を通して心に響いてくる。
音ではなく歌として、言葉として入ってくるこの感じは若干21歳とは思えないほどの強かさと狡猾さを感じる。

『この音楽はポップです』by本人

MG_4766

視聴機に置いてあるフライヤーにそう書いてあった。

彼らの目指す場所はポップミュージックだと言うのだ。

しかし、それはその通りだと私も思う。

一見シューゲイザーだったり、ポストロック的雰囲気なのだが、音源を通して聴くと、それはただの一面でしかないのだ。

美しく、優しく、かつエモーショナルな「飾りすぎていた」と、先述した「生活」の2曲はさることながら、ダイナミックでアップダウンの激しいライブ感たっぷりのナンバー「ふたり」と、ギターのカッティングから徐々にボルテージが上がっていく爆発力充分の「欲しい」と言った2曲はそこらのギターロックバンド顔負けの疾走感がある。
そして、轟音の渦のような印象がある「愛している」。
グランジ張りの重々しさに、スピッツのような愛くるしいメロディーが絡み合い摩訶不思議で癖になりそうだ。

アルバム通して聴くと、彼らの音楽が、荒削りなやり方しかまだ知らないだけで、メロディーであったり、詞のセンスは内向的だったり、暴力的であったり決してなく、まだまだ未完成なのだが、誰にでも通じる普遍的なものを歌おうとしているのが伝わってくる。

落ちてゆく 飾りすぎていた それは姿を隠すように
聞こえなくなるのは 君のその声だ
”飾りすぎていた”

明日、あなたの生活のワンシーンにあってもおかしくない言葉ばかり並んでいるではないか?
文字通り、飾らない故に、どんな構えていてもスッと入ってきてしまいそうな言葉ばかりだ。

全曲、確かにオルタナティブ。
しかし、それは歌に、メロディーにオリジナリティを纏わせるために切った最初のカードと言うだけで、彼らのゴールとしているポップミュージックという普遍性への一過程に過ぎないことが解る。

荒々しくもセンチメンタルで、それでいて壮大。

そう言えば、あのバンドもデビュー初期はそうだった。

ブリットポップと言う歴史を作ったイギリスを代表するバンド、oasis

そう思えば「生活」も、そこかはかとなく「Whatever」に聴こえてくる・・・

言い過ぎかな?

でも、このバンドのスケール感は、今はまだ違うのかもしれないが、そう言ったビッグバンドの初めの一歩と、さりげなく同じ匂いを感じてしまってしょうがない。

od2

最後に、このバンドのデビューに立ち会えたことを、数年後必ず誇りに思うはずだ。
少なくとも、私は最初に紹介した「生活」を聴いた瞬間にそう確信した。

4月頭、タワレコ渋谷店の視聴機でこの曲を聴いた時、2005年に町田Taharaの視聴機でキューミリの「(teenage)disaster」を初めて聴いて、心臓をブン殴られたような衝撃を受けたあの瞬間と、1996年、カウントダウンTVのランキングでたまたまイエモンの「JAM」を聴いて、自然と涙が流れてきた瞬間を足して2で割ったような感覚を覚えた。

悔しいけれど、この若造たち、モノホンだって・・・

とりあえずライブが見たい。
そして、次の音源が聴きたい。

そんなステキな新人バンドが見つけれて、幸せだ。
この記事は、その幸せのおすそ分け。
まずはYoutubeの動画からでいい。
カウンターがぶっ壊れるまで、聴いて、気に入ったら音源も買ってあげてくださいね。

素晴らしい音楽を、素晴らしい日常に。

Let’s sing A song 4 ever.

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