あれ、なんか懐かしい… Lo-Fiおばあちゃん「Sigriour」
さて、皆様は「Lo-Fiおばあちゃん」と呼ばれる人物を知っているだろうか。
私は恥ずかしながら最近まで知らなかったのだが、このおばあちゃんが作りだす音楽………良い………なんか懐かしい…………
さて今回は私を壮大なノスタルジーへ誘ったLo-Fiおばあちゃんを皆様に知っていただき、ともに懐かしい気分になってもらいたい。
どんな人?
彼女はその愛称から察せられるように「ローファイな音楽を奏でるおばあちゃん」である。
アイスランドで音楽活動を行い、現地ではもはやレジェンドなこのおばあちゃん、名前は「Sigriour Nielsdottir」 シグリドゥル ニールスドッティルと読むようだ。
残念ながら2011年に亡くなっており、享年81歳。
1930年にデンマークで一男二女の末っ子として生まれ、ナチス・ドイツの戦火も経験
。60代後半になってから幼少期に習っていたピアノの経験を生かして音楽を作ることに興
味を持ち始め、70歳になると多重録音を始めたのだ。
("Grandma Lo-Fi〜The Basement Tapes of Sigriour Nielsdottir"[DVD & CD]商品ページより引用)
とある。
なんともパワフルなおばあちゃんである。
しかも驚くべきはその作品数、70歳を超えてから作曲をはじめたにもかかわらず発表した
アルバムは59枚、その楽曲数は687曲にも及ぶ。実働7年間の作曲人生でこの数である。驚異的だ。
ちなみに余談ではあるが、かのモーツァルトが作曲し楽譜が現存するものは626曲である。
ジャンルが違うので単純比較はできないがこのおばあちゃんの才能の恐ろしさは感じていただけるだろう。
おばあちゃんの音楽
ローファイとはいってきたがどんな音楽を作っていたのだろうか。ローファイの詳細は省くとしてどういった感じなのかはショートフィルム「Grandma Lo-Fi」のトレイラーを観るとわかっていただけると思う。
生活音、ウインドノイズなどもそのまま録音である。素晴らしい。
そしておばあちゃんのお茶目なワンシーンもある、かわいい、癒される。
その他おばあちゃんの音楽が気になる人はSOUNDCLOUDにいくつか楽曲があるため聴いてみるといいだろう。
おばあちゃんの音源がほしい
おばあちゃんが作る音楽はどれも古き良き音楽といった感じを残しながらも遊びがあって非常に面白い。
生活音はするし、声はモコモコだし、終始後ろで「サー」とノイズが鳴っているし、楽器とも歌とも言えない音はしょっちゅう入ってくる。Siestaという曲があるのだがそれはひたすらキーボードの演奏の後ろでイビキをかいているだけだったりする。
だがたまに「おっ?!」と思わせるような美メロを聞かせてくれたりもする。ずるいよおばあちゃん。
筆者はそんなおばあちゃんの楽曲を聴いているとなんだか実家へ帰りたくなってくる。ノスタルジーというやつだ。
さてそんなおばちゃんの作品が今年の3月に日本でリリースされた。
『Sigríður Níelsdóttir Songbook』
"Grandma Lo-Fi〜The Basement Tapes of Sigriour Nielsdottir"[DVD & CD]
この2枚である。収録楽曲はほぼ被ってないため2枚とも買って損はない。価格も手頃である。
2枚しかないがどちらかといえば"Grandma Lo-Fi〜The Basement Tapes of Sigriour Nielsdottir"のほうがおすすめだ。DVDとCDがセットで3000円を切っているのだ、お得だろう。収録楽曲も楽しい曲ばかりである。
ちなみに2枚リリースされたと書いたが国内で現在まともに流通しているのはこの2枚くらいしかない(はず)。これ以外に手に入る音源を知っている方がいたらぜひ教えていただきたい。
拙いながらもLo-Fiおばあちゃんの紹介をさせていただいた。気になる人は是非CDを買ってみてほしい。きっと優しい気持ちになれるはずだ。