SAKANAMONみたいに好き嫌い分かれるバンドも珍しい
別に悪いやつじゃないのになんか嫌われる人っていませんか。SAKANAMONはバンド界におけるそれなんじゃないかと。
ヤバTとか、ポルカドットスティングレイみたいなバンドが好きと嫌いに分かれるのはわかる。にゃんこスターが嫌いな人の気持ちも、俺のことが嫌いな人の気持ちも、わかる。クセがあるから。嫌われる奴には、普通それなりの理由がある。
ただSAKANAMONを嫌いになる人は確かにいて、俺はそいつの気持ちがわからない。このタイプのバンドで好き嫌いがスッパリ分かれるのは何故だ。
というわけで今回はSAKANAMON。漢字で肴者。2010年代から活躍を見せる冴えたバンドです。
この曲だけ知ってる人も多いんじゃないか、イントロが天才。Aメロに地続きになるタイプのイントロで且つスリーピースバンドなのにこんなにインパクトのある入りなかなかない。傑作イントロだ。
これが6年前ってのが全然信じられない。今聴いても全然古くない。この曲ひっさげて今突然SAKANAMONが出てきても当時と同じかそれ以上にブレイクしていると思う。
っていうのも、2011年っていうと残響ブームが終わりを迎えた頃で、複雑なギターワークのバンドが多くそれと比較されて「シンプルなバンドだ」とSAKANAMONはされていた記憶があるんだけど、今聴くと超複雑。単純な構成で最大限複雑な絡みをしている。今のシンプルスリーピースブーム真っ只中の中高生が聴いたら逆に刺さるんじゃないか。
そんなSAKANAMONがまた新譜を出したということで記事を書いているんだけれど。
全く同じ向きのまま進化してる。ライブでこれを完璧にやるから恐ろしい。
話は戻って、SAKANAMONって好き嫌い分かれるんですよね。CD貸しても返ってくるときの反応がまちまち。
俺は好きだから全然そうなる理由がわかんないんですよね。みなさんどうですか、好きですか嫌いですかこのバンド。
何が彼らを遠ざけるのかなと考え、調べてみたんですけど。
確かにやべー迷走の仕方してんなと。
「ぼく男性器ついてないですぅ~」みたいな顔してんだからコラボしたらマズいだろ、TENGAと。
このバンド真面目に見えて、クソ不真面目なんですよね。歌詞とかもふざけてるし。メタだし。
なんか十周年企画ということで色々やるそうで
ドキュメンタリー映画「SAKANAMON THE MOVIE ~ サカナモンは、なぜ売れないのか ~」を制作するプロジェクトもスタートした。
―公式サイトより
そういうことやるから売れねえんだよ。
この人たち根がふざけてんですよね。音楽が真面目だから騙されがちですけど結構狂ったやべーやつら。
SAKANAMON嫌いな人の嫌いな理由も、好きな人の好きな理由も、ここにあるんじゃないか。
音楽なんて本来、生活に必須なものでもなんでもないんだからこのぐらいふざけてていいと俺は思うんですけどね。
ふざけててもアツいし。
歌う内容も、全部自分たちのことだし。この「何より自分たちのためにライブしている」って感じが俺は好き。リスナーが喜ぶことじゃなくて、自分たちが楽しいことに振り切れてる。それで10年続いてるんだから、一つバンドの正しい姿だ。
ここまで読んだ人、はじめてSAKANAMONを聴いた人。どうでしょう、好きになりましたか、嫌いになりましたか。
それでは、また次の記事で。