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2016/07/16

コラム 記事

日本はライブ後進国!アメリカのライブ事情

ごきげんよう。

大したストレスもなく適当に生きている私だが、ストレスを言い訳によくライブへ行く、もちろんぼっちだ…って、うるせえ、お前ら。そして、ふと「日本とアメリカ、ライブの違いって何だろう?」と思い立ったので、経験に基づいて比較してみようと思う。

チケットが安い

以前の記事でも触れた通り、アメリカのライブはチケットが安い。
無名バンドは無料でバーやコーヒーショップ、レストランで演奏しているし、そこそこ有名なインディーズバンドも$10 - $40 (約1200円〜5000円)と、かなりの安価なのだ。
私が行くライブのチケット代は平均$15 - $20 (約1200円 - 2400円)、$20になると「ちょっと高い、どうしようかな」と悩み出すのである。日本のお前らからすると、相当贅沢な悩みと思われる。

ワンドリンク制じゃない

日本のライブハウスはチケット代+ワンドリンクオーダー必須の場所が多いと思うが、アメリカのライブハウスはその様な規定はない。
知人のアメリカ人と、日本のライブハウスでバンドを見に行った時の話である。
私が仕事だったので遅れて会場で落ち合った際、プンスカ怒りながら「なんか500円のドリンク代払えとか言われて、受付で揉めた!ドリンク別にいらないのに!ファーーック!」と言い出した。なるほど、ワンドリンク制だった事を私もすっかり忘れていた。こいつもこいつだ、500円ぐらい払えよ、良い大人が…。
参考までに、アメリカのライブハウスのドリンク代は$5 - $15と普通のバーと変わらない値段で、飲みたければ飲めば良い。アメリカは未成年の飲酒に対する罰則が厳しいので、未成年が入場可能なライブはお酒が買えない場合もある。多くの場合、IDチェックで21歳以上を証明すると同時に簡易リストバンドをバウンサーに付けてもらう。このリストバンドがない場合は未成年なので、バーテンはお酒を売る時にリストバンドを見てから売る、という仕組みだ。

キャパ以上の人を詰め詰めで入れない

SOLD OUTのライブ、ステージ付近は混雑していても、会場の後方は基本的にガラガラ…理由は、例えばキャパが150人と決まっている場合は、それ以上は詰めて入れないのだ。
規定以上の人数を動員してトラブルが起こった場合、ライブハウスが責任を負えないという、安全性の理由からであろう。

必ず前座バンドがある

ワンマンライブとなると、一つのバンドしか出ないのが通常の考えであろう。
しかし、アメリカは、誰もが知る世界的に有名なバンドがライブをする際も、決まって前座バンドが演奏するのだ。前座バンドはほぼ無名な事が多いので、有名バンドの前座を務められるとなると、かなり美味しいプロモーションが出来ると予想される。メインバンド目当てで来たが、前座も気に入ったので帰り際にCD買って帰ろうかな、って人も少なからず現れる。この様に、アメリカは無名インディーズをサポートするシステムが出来上がっているので、その分無名バンドにもチャンスも広がる点は、日本も見習って欲しい所だ。

お前ら、デカい

アメリカ人は、男女共に大きい…縦にも横にも。
私の身長は162cmと平均日本女性よりちょっと高い位と思うが、アメリカでは小さい部類なのだ。故に、ライブハウスでは必ず埋まる。誰が悪い訳でもないが、ヒールを履いて行く訳にもいかないので、非常に見にくく、イライラする事が多い。

xiuxiuのライブにて

xiuxiuのライブにて

この写真は、あるライブで私の目線からiPhoneで撮った写真、お分かりの通り見えねえ…アメリカのお前らデカい…。
鮨詰め状態で大きい男性(デブ)に前に立たれた時の話だが、ライブが盛り上がり、後ろから押されたので、デブの背中に私の顔が埋まった。暑かったらしく、Tシャツがねっとり湿っていた。ここで言うデブとは、日本基準じゃ比にならない巨体を示している、お前らの三人分位だ。
私の率直な感想は「デブの背中…柔らかい…!」俗にいう肉布団である。私の人生初の肉布団体験は、名も知らぬ湿った白人デブの背中だった訳だ。
また、ライブ会場における、アフロヘア問題も深刻である。あのボリューミーな髪型(しかも長身)に目の前に立たれると、かなりの面積を占領するのでステージが全く見えない。
アフロヘア、自重しろ。サランラップか何かでボリューム抑えろ。

下手したら死ぬ、血祭りモッシュ

音が多めのロックやパンク、メタルバンドは血祭りに近い盛り上がりを見せる。
モッシュの勢いは圧倒的だ。人の海に人を持ち上げてクルクル回すアレは毎度の様に見かけるし、助走を付けてお互いの身体をクラッシュさせ合う奇行(正式名称が分からない)も当たり前。冗談抜きに、骨を折る覚悟で挑まないとダメな激戦区と化するのだ。上記にも書いた通り、身体の大きいアメリカ人との激戦区バトルに参戦する気には到底なれない…死ぬぞ。
私の様な地味BBAは、あの中に巻き込まれて怪我したくないので、いつも端っこの方に避難する訳だ。個人的に、モッシュで暴れたらせっかくの生演奏がしっかり聞けないので、大人しく見ているのももう一つの理由でもある。

つまんないの?ライブ中、客の反応

「日本でライブ観た時、お客さんがほぼ棒立ち。反応が超少なくね?楽しんでるんだか、楽しんでないんだか、全く分からない。しかし、日本人はシャイで丁寧である、っていう印象も受ける。アメリカの観客は盛り上がるけど、同時にすっげー失礼な馬鹿も多くて、バンドに普通に野次飛ばしたり、他の客に対してもデリカシーのない奴もいる。どっちが良いか、って言われたら、一長一短だよね」冒頭に登場したアメリカ知人の意見である。

アンコールを待たせない

一度引っ込んだ後、アンコールで再登場するまでの時間が短い。
ファンを焦らせて待たせるという、無駄な時間が少ないので見てる方は助かる。
せっかちな性格のアメリカ人は、待たされ過ぎると野次を飛ばしたり、文句を言いながら帰ってしまったりと根本的に野性的であるのが待たせない理由の一つであろう。

写真・動画撮影OK

Youtubeで海外バンドを観ると、よく観客が撮った動画がアップされているのを見かける。
アメリカのライブは、プロ機材でなければ基本的に写真も動画も撮影可能なのだ。
ファンとしては記念の一枚を持って帰れるのでありがたいし、バンド側もファンが撮影した動画がアップされる事により知名度が広がる可能性があるので一石二鳥といったところ。
日本では違法動画が販売される恐れや肖像権などを考慮し、未だに撮影の規制が厳しいと聞いている。違法動画が出回ってDVDが売れなくなる…ような気はするが、所詮は素人仕事。実際はアフロヘアが定位置で映っている上に、ブレブレで音が割れているようなのしか撮れない。日本も少し規制を緩めて欲しいとは思う。
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しかし、この画像のように撮影に夢中になりすぎてせっかくのライブを楽しめないまま終わったり、スマホやタブレットを持ち上げる手が邪魔で後ろの人が見えない、等の問題もあるので、何事もさじ加減が大事と言った所か。

ファンとバンドの適度な距離感

そこそこ有名でも、メンバーが気さくで身近に感じる。小さいめの会場だと、開演前に入場待ちしている時に、バンドメンバーが入り口付近で煙草を吸っていたり、また、開演後に物販横でファンを見送ったりと、メンバーとファンの距離が近い。私の印象だと、一部のバカ女を除いてミーハーなファンが少なく、バンドの音楽とライブパフォーマンスのみを楽しみに来ているので、メンバー個人の私生活にそんなに興味がないみたいだ。故に、「ありがとう、良かったよ!」とメンバーに一言お礼を言って握手は良くあるが、サインして!や、写真撮って!はあんまり見ない気がする。適度な距離感を保っている人が多い。

終わったらさっさと帰る

アンコール終了後、ライトが付いた瞬間に、何の余韻に浸る事もなく、約9割の観客がさっさと出口に向かう。さっきまで血祭りモッシュをしていた男子達も「楽しかったねー」と言いながらさっさと引き上げるのだ。ライブ中は徹底的に盛り上がるものの、夢から覚めた後の引き際が良く、とても切り替えが早い。
ちなみに、オフィスでも同じ傾向にある(アメリカ人はダラダラとお友達残業をしないで時間内にしっかり働く)、国民性の違いか。


いかがだっただろう。
この情報が、日本の音楽好きのお前らに役に立つか否かは全く持って不明であるが…。
ただ一点、一人でライブに行かざるを得ない、ぼっちが感じる孤独感は日米共通みたいだ。
…うるせえ。

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