PVを"作ってる側"を気にしたことある?SLEEPERS FILM
東京事変のギタリスト”浮雲”こと長岡亮介がフロントマンを務めるスリーピースバンド”ペトロールズ”。洒落っ気のありつつもどこかゆるい雰囲気をもったまさに大人なバンドだ。先日たまたま彼らの話になりペトロールズのライブ映像を見ていた所
ペトロールズ / "誰" - SLEEPERS FILM
なにこのカッコイイ人間… そしてふと気になったのが”SLEEPERS FILM”の文字。
パッと見れば動画を作った人らなんだとわかるが、よくよく見てみればこの動画凄く秀逸だなと。ライブの雰囲気が良い感じに動画に落とし込まれているし、冒頭の文字のフォントも洒落ていてカッコいい。鬼に金棒、カッコイイバンドにナイスな映像。ペトロールズの評価の一端をこの映像が担っている、というのも言い過ぎではないだろう。
ということでSLEEPERS FILMとはなんぞやと調べてみたのが今回のあらまし。
ナイスな映像グループ”SLEEPERS FILM”
SLEEPERS FILM(スリーパーズフィルム)とは、
「音楽の自由と楽しさを映す」映像グループ。
2009年4月、ワンテイクワンカットのドキュメンタリーミュージックフィルム "LIVE SHOW" をスタート。
人通りの多い街角や薄暗い廃墟ビルの地下、飲食店や美容室などあらゆる場所をステージ化。
生演奏の即興性とフリースタイルな撮影により、その場の温度がダイレクトに伝わる作品は、観る者の感動を呼ぶミュージックフィルムとなっている。SLEEPERS FILM - 公式ホームページより引用
ということで調べてみたところ、こういう集団らしい。
ペトロールズの映像を見たときの「ライブの雰囲気がでてるなー」というのはどうやら映像グループのコンセプトの一つみたいだ。彼らが今までに制作したビデオは結構数があって、割と有名なとこから結構ディープなアーティストまで、ざっくり数えて100本以上ある。
先ほどのペトロールズ以外だとケケケの吉澤嘉代子やDMCのカジヒデキ、タニザワトモフミ、宮内優里など結構バラエティに富んでいる様子だ。
吉澤嘉代子 / "未成年の主張" - SLEEPERS FILM
個人的にグッと来たのがこのビデオ。ケケケも良いが今回はSLEEPERS FILMが主題ということで割愛させていただく。
雰囲気たっぷりのロケとフィルムカメラのような暖かい色。効きすぎにも思われるハイライトも彼女の可愛さをグッと引き立てている。
ワンシーンワンシーン、写真のような構図で丁寧に見せていく冒頭部分からの、若干ヒヤヒヤするゲリラ的な撮影の歌パート。多分音楽は後ハメだと思うが、映像のライブ感があるためにたまに不思議な感じになるのが面白い。
ROTH BART BARON - bIg HOPe
是非パソコンならグーグルクロムのブラウザで、スマートフォンならYoutubeの公式アプリからご覧いただきたい。驚くことなかれ、360度グルグルできる。
海外だとAviciiなんかもやってたが、あっちが360度見えるギミックを最大限生かして視覚的に"面白い"映像を作っているのに対して、こちらは周囲を見渡せるということで、その空間に引き込むような映像演出がなされている。大袈裟に言えば同じ現場に居合わせたような仮想体験を引き起こすMVだ。
Golfという音楽ユニット
SLEEPERS FILMを色々調べていたところ、Golfという音楽ユニットに辿り着いた。
golf / "Plastic love"
どうやらボーカルの彼、関根卓史がSLEEPERS FILMの主宰のようだ。え、すごい良いじゃん。声がポップすぎるようにも聴こえるが、少ない音数で分厚い音楽を奏でている。映像的なセンスと音楽のセンスは共通するところがあるのか、作る映像に劣らぬ素晴らしい音楽だ。
toeなんかがそうだが、音楽活動もしっかりやる裏で各自の生計を立てる仕事もキッチリこなし、音楽活動から二次的に仕事の案件へとつなげていく。こういうスタイルは困窮に喘ぐ音楽業界にとって、一つの完成形と言えるだろう。
ペトロールズからEditorsまで、国内外問わず実力あるアーティストたちの己が生命線であるMVの制作をいくつも任されている彼らSLEEPERS FILM。その仕事は本物だ。
あなたが普段何気なく見ているMVも、注意して見てみればまた新たな発見があるのかもしれない。