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売れないバンドの特徴を真剣に考えてみた

 麻雀の格言みたいなやつで「勝つときは運、負ける時は実力」というのがあります。

 個人的にこれって割となんでも当てはまるなと思っているんですが、特にバンドの売れる・売れないの話はまさにその通りなんじゃないかと思っていて。

 非の打ち所がない良いバンドって大体ちゃんとそれに見合った評価がされてるんですが、それ以上に売れるか売れないかはもうほとんど運の領域だと思うんですよね。

 運だって考えるとなんか夢がないなって感じますが、裏を返せばそこまでは自力でどうにかできるってことなんですよね。売れない理由を取り除いていけば、運で大当たりできるポジションまでは持っていけるというわけです。

 ということで今回は売れないバンドの特徴を真剣に考えてみましたので、みなさまと共有できればと思います。

メンバーのファッションがバラバラ

 スピッツのてっちゃんとかグドモのたなしん、セカオワのピエロみたいな狙ってやってるやつは大丈夫。

 問題なのは自覚無しにファッションがズレてるやつ。見たことないですか?下北風の男3人に一人だけ混じる代官山ファッションの野郎とかV系崩れの男とか。

 売れるのを目指してなければ問題ないんだけど、売れたいのであればバラバラではちょっと厳しいかと。

 ”売れる”ということは言い換えれば、音楽マニアだったりしない普通の人に聴かれるようになる、ということになるけど、そういうライトリスナーって呼んで字のごとく浅い音楽ファンなわけです。

 もちろん全員がそうではないけど、そういう人たちって音だけでは判断してくれないんですよね。バンドのプロモーションにMVが必須なのも同じような理由なんですが。

 顔面からバンド名からMVの雰囲気、そしてファッションとか。そういうバンドを構成する諸々を総合して自分の好きそうなものか、自分とは関係のないものか判断します。

 そうするとファッションがバラバラなバンドって「何かよくわからんもの」と判断されてしまうんですね。自分に向けられたコンテンツなのかわからなくなってしまいます。

 もちろん音楽が素晴らしければ音だけで判断してくれるコアな音楽ファンがついてくれる可能性はあるんですが、ファッションがバラバラということは言い換えれば「良いと思うモノがバラバラ」ということなので、結局あんまり上手くいかないことが多いですが。

 

機材厨・練習厨

 確かに機材集めは楽しいし、練習して上手く弾けるようになると気持ち良いし、音楽のクオリティを上げていくには必須な部分なんだけど…

 結構いるんですよね、手段と目的がひっくり返っちゃってる人が。本来良い音楽にするための手段である機材とか演奏とかが、それ自体が楽しすぎるせいで逆転してしまって「機材のための曲、自分の演奏をためのバンド」になっちゃって。本末転倒というやつです。

 聴く側のことを考えずに、ステージでオナニーしてる時点で売れるわけないだろと、話自体はちょっと考えればすぐわかりそうなものなのに、なかなかどうしてこれを理解できない人が多くて。

 これには理由があって。バンドってよっぽどのことがない限り、初めてすぐに結果がでるってことはないんですね。結果もでなけりゃ手ごたえも感じられなくない状態が続くとモチベーションも下がってくるわけですが、そこでやってくるのが機材と練習の甘い罠です。短期間で自分だけで気持ちよくなれますからね、段々とモチベーションの先がすり替わってしまうんですね。

 機材厨と練習厨が絶えないのはこういう理由だと思います。まあ楽器業界を潤してくれるのでありがたい存在ともいえるんですが。

 

視野が狭い

 ライブハウスでゴリゴリ活動してるバンドに多い疾患なんですが、結構な割合で「このバンド、目の前のこと以外何にも見えてないんだな」って感じるんですね。

 ライブハウス界隈だと「バンドはガムシャラでナンボ」みたいな価値観の人がいるので、それでええやんと思うかもしれないですが、「目の前の客しか見えてない」のと「目の前の客に全力」なのは字面は似ていますが、意味は180度違うんですね。今回のは目の前しか見えてない人達の話。

 具体的にいうと小さいライブハウス、その界隈でしか通用しないノリだったり曲調だったり。早い話が身内ノリなんですが。その界隈じゃない人たちを全力で置いてくライブをしてしまうんですね。小さなライブハウスでしか通用しない音楽やパフォーマンスってことです。

 難しいのが、とにかくそのライブハウスで活動する分には目の前の客は喜んでくれるので本人達も周りもそれで問題ないと思ってしまうところで。でもバンドの全てが外には向いてないせいでライブハウスから外へは出られなくて、みたいなスパイラルに陥ってるバンドをよく見ます。

 ただまあ、目の前の客を楽しませようとしてくれてるならマシで、結構見かけるんですが、対バンをぶっ倒すことだけに全力を尽くしてるバンドとか、ライブハウスの店長に気に入られようと全力なバンドとか。対バンを倒したら金を落とすわけでもなければ、店長が生活の面倒を見てくれるわけでもないので、見るたびに何ともいえない気持ちになります。

 

マーケットを意識できてない

 売れないバンドがマーケットを意識できてないというよりかは、マーケティング力が高いバンドは売れてるという感じ。

「マーケット」と聞くとベネフィットとかセグメントとか、大学の授業みたいなダルい話かと思われがちですが、とにかく音楽に限って言えばほとんど恋愛力と一緒です。

 みなさんの知り合いにもチラホラいませんか?他人の恋愛事情にやけに鼻が利くやつ。「○○はホントは□□が好き」とか「○○と△△はボロを出さないけど、絶対隠れて付き合ってる」みたいな。情報通ってワケじゃなくて、他人の細かい所作からその人が何を考えてるのか筒抜け出来るヤツ。思い出してみてください、川谷絵音とか絶対コレ得意だと思うんですよね。

 音楽においてのマーケティングってほとんどコレと一緒なんですよね。他人の気持ちを考える作業をサークル内じゃなくて世間規模でやるのがマーケティング。「ビレバンに行くサブカルはかなり若い層で、刺激の強いものだったらなんでも受け入れがち」とか「V系のファンと歌い手のファンは生息地が違うだけでほとんど同じ人種」とか。どこに何が好きな人がどれくらいいて、どういう方法でアプローチを掛けると効果的か。みたいなのを考えていくワケです。

 もちろんここまで打算的なやり方をしている人はあまりいませんが、実際売れているバンドの人と話をすると想像以上にファンをよく見ているし、売れないバンドの人は全然ファンの気持ちがわかってなかったりします。

 

悲しいけど

 いかがでしょうか。

 自分で書いたものに対していうのもなんですが、悲しいけど今回挙げたもの全てが音楽自体には直接関係ないものなんですね。でも巷を見ているとやっぱり売れる売れないってのはこういうところで分かれてて。

 というわけで、今回は偉そうにすみませんでした。でも本当に実力のあるバンドが、変なところで株を下げてしまっているのは悲しいことだと思うので、そういう弱点を潰してもらえれば嬉しいなと思います。

 それではまた!

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