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今一番ずる賢いバンド。コンテンポラリーな生活 朝日/石風呂から学べ。

2016/07/16

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 音楽で成功するなんで実力と運次第、なんてよく言われるが、そんな慰めを抱えてバンドをやっていちゃ何回生まれ変わっても成功できない。ある程度まで上り詰められるバンドは、どれもフロントマンがキレ者。行動力と頭脳、この二点に優れたものが他を出し抜けるのだ。

 そのまさに好例がコンテンポラリーな生活、フロントマンの朝日だ。このバンドが企業なら入社したい。株買いたい。それほどにこの朝日という男、聡い。

 このサイトを見てる人間は意外にバンドマンが多いらしい。君たちと俺が見るべきはこんなサイトじゃなくて現実だ。目を覚ませ。
 そんな燻っているバンドマンのみなさんには是非このコンテンポラリーな生活というバンドを参考に、己のバンド活動についてもう一度見直してほしい。


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朝日、またの名を石風呂

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 半年、一年間、または三年間頑張って身を削りバンド活動をしました。月2のライブでそこそこのファンを呼べるようになりました。となってきた時、次のステージは何だろう。

「頑張って曲作って真面目に活動してればきっと…」

 おい起きろ死ぬぞ。あなたが頑張ろうが真面目だろうが、それは結果と言う現実には何も関係ない事だ。"ちゃんと頑張っている"という自分とチヤホヤしてくれるファンや同期の売れないバンド沼に麻痺してそのまま沼(親の健康が危ぶまれる30代中盤以降のこと)に飲み込まれて死ぬぞ。夢は人を殺すぞ。

 じゃあ朝日はどうだっただろう。バンド活動も手を抜かずかなり早い段階で一定のパワーをつけた彼らだが、急激な伸びは一旦止まり群雄割拠する若手バンドクラスタで数年を過ごす。が、その間何の手も打っていないわけではなかった。己を信じてコツコツボーカロイド作品をニコニコ動画に投稿し続けていたのだ。これが彼の別名「石風呂」としての活動だ。

 ちゃんと客層の事を考えて曲も映像も付けている。小中学生が多きを占めるボーカロイド界隈にも、10代後半以降の人間が大半である自分のバンドのファン層にも、どちらの機嫌も損ねないギリギリのラインで踏みとどまっている。仮にこれをpixiv絵のようなサムネイルにしたり、もっとインパクト重視のいかにも"ボーカロイド"な音楽にしてもダメだろう。

 

 編曲はどんどん良くなり、活動を続けるうちに石風呂としての活動に慣れ始めたコンポラファンの様子に合わせどんどんボカロっぽい曲に寄せていった。曲調も様々作れる。よくある「ニコニコのみなさんに向けたキャッチー」な曲を一発作ってネタ切れ、同じようなタイトルと同じような曲調の劣化コピーを延々作り徐々に死んでいく作曲者たちよりも土台が優秀。バンド音楽が好きな人も聴けるさじ加減に収めつつ色々やってる。是非聴いてほしい。

 

 しまいにはこの動画のイラストも自分で描いてしまってるんだから手が付けられない。

 

 最近じゃ音楽も漫画もアニメも本も、なんだってタダで見れてしまう。飽和し過ぎてまず"見てもらう"ことが先行してしまっているのと、一旦下がった娯楽の価値が戻らなくなってしまっていること。そんなわけで僕等は今日も暇つぶしに困らない。

 じゃあそれら娯楽、文化物のすべてを横並びに考えてビジネスライクに考えたとき、一番集客力に長けているのはどれだろう?僕はたぶん絵だと思っている。あるいは漫画。それっぽいイラストに字を置いただけのそれが人に手っ取り早く共感を与え、みるみるうちに伝播していく。その他だと冗談を言うツイートとか並べておくとか、そうすると
「あ、これフォローしておいたら面白いの流れてくるぅーポチィー」
 つって人が見るようになるわけだ。4分前後の時間と集中力を要する音楽よりも、ぼーっと携帯眺めてたらなんとなく流れてくるなんとなく面白い漫画をなんとなく眺めるぐらいの手軽な娯楽が良いらしい。僕等にはもう遊ぶ体力すらないのだ。こんな長々と文を書くと、読んでもらえないのだ。悲しい。

 そこで絵で人を集め、実質的な活動は音楽、とこの二段構え。こりゃ強い。実際コンテンポラリーな生活自体の知名度よりも石風呂の認知度の方が上だ。

 イラストに一言二言コメントを残すような芸風は飽きられるのが早く、収益もラインスタンプとかが限界、Tシャツも売ってみるが売れ行きはイマイチ、見る人間だけ日々増えていくが先行きは闇、夜も眠れず昼眠る。そんな風、らしいよ。
 しかしそこに一旦バンドを挟むと、本人へのカルト的な人気が向けられ、物販は売れ、動員は増え…とそこまで上手くいくかはわからないにしろ、できることは増えるしファンもより強固なものとなるだろう。

 しかもまあ石風呂の場合は絵も可愛い。バンド活動でただでさえ忙しいのであまり絵に時間を割くわけにもいかないのか、ベタ塗り主体。それが逆にオシャレ、かわいい。効率をわかっている。

 

 そうだ気がついたらここまでまだコンポラの曲置いてないじゃん。聴いてほしい。

出だしの
「爆音にて聴け」
 この時点でもうクレバー。音楽はデカい音で聴いたら良く聴こえる。アンガスとジミヘンがそれを実証している音楽の不文律だ。やっぱり賢いぜこの人。

 昔と曲が変わった、と言う人もいるが、変化に迫られてちゃんと変化している。先を見た変化だ。同じことやってても結局文句言われるんだからバンドはどんどん曲調変えて正解だ。

 

 ザッと見ただけでもこんなに勉強になるコンポラ、石風呂。

 バンドマンは自分の好きなジャンルの音楽ばっかり聴いちゃうクセがありがちだが、あなたのバンドをより良くするヒントは大好きな洋楽にじゃなくて、意外と近場の邦楽に転がっている。

 是非賢い彼を見習ってみてくれ。それでは。

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