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Hi-STANDARDの新曲ゲリラリリース、この事件感

2016/10/06

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昨日の夕方、渋谷のTSUTAYA前。

「星野源、新曲出ました!!星野源カレンダーが当たりますよー!!」
と、選挙カーの如く大声で叫び散らかす非常識な女性に僕はメンチを切っていた。

もう10月なのでカレンダーはいらないし、タイアップのドラマも、多分見ない。

この女性は身長180を越した20代男性に「恋」という名のCDの販促をしている。

隣にはタトゥー兄ちゃんと、水商売っぽい兄ちゃん、僕の3人。

「ニューシングル、恋!」

そもそも「カッフェでコーヒーでも飲みながらボーイズトークしようぜ」と、ライターの石左氏を待っていた僕。

案の定遅いので久しぶりにTSUTAYA店内に入りましたら、たまたまハイスタの新譜を見つけた次第。

ハイスタの新譜。

「俺達もう一回3人で集まって、やり直そうって話になって、、、全部違うスタジオでSTAY GOLDを4バージョン再録しました。舞台裏DVD付きです。」

みたいな怖い内容だと思って手に取ったら、なんときっちり新曲が4曲入ってる。ビックリした。

これ、PR無し予告無しでリリースされたので、皆僕のようにかなりビビってる様。

ノリで言うと、ウォルトディズニーが急に死者蘇生して「何がVRじゃ。90分アニメ作ってきたぞ、見ろ」って言ってきた感じ。

もちろん全曲聞いた。今日はハイスタについての記事。

曲のレビューとかは「聴け!」って感じだし、色んな思いを馳せながら内容を自分で確認して欲しいんだけど、今回はこの「ノープロモーション」って仕掛けがまぁアツいので、少し触れたい。


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HI-STANDARDとは

ハイスタの新曲がリリースされたのは、なんと16年振りだそう。

最後のリリースはMY FIRST KISSのミニアルバム。これが2000年。

当時の高校生は余裕で30歳を越し、当時の20代若者世代はもう40歳前後。当人達も、もう40代後半だ。

今の20歳はまだ4歳なので分かりやすく説明すると、90年代後半にインディーズで逆輸入みたいな形で流行って、CDバカ売れして、ライブのチケットなんか全く取れなくて、主催フェスをして、デカいムーブメントを作って、金儲けて、内輪揉めして、活動休止したバンド。30〜40過ぎのおっさん・おばはんの青春。大正義。

今で言うと替えが出てこないし、僕もちょっと世代じゃ無いのであまり具体的な事は言え無いが、ハイスタが無ければ、スケートやってそうな兄ちゃん達がやってるバンドはほとんど表に出てこなかった。これは間違いない。

今一線でやってるバンドは絶対に「MAKING THE ROAD」を持ってる。


teenagers are all assholes

ANOTHER STARTING LINE

今回のシングル、タイトルは「ANOTHER STARTING LINE

全角大文字の英語がダサ懐かしい感じも相まって、プンプンに第2章感を焚き付けてくる。

90年代ってCDがバシバシ売れてた時代で、もちろんyoutubeも無かったので曲を聴く方法ってCDかTV/ラジオしか無かった。

発売日には列が出来て、ワクワク感を胸にタワレコに押し寄せたそうな。

僕はちょっと下の世代なので「あの時は違ったよなー空気感と熱気が」とかいう年上の話をクソ程聞かされた身であるが、実際に中学くらいの時はまだそんな感じはあって、今と決定的に違うのは分かる。

なんというか、事件感があった。

音楽を聴く手段が続々現れて情報が多くなり、各々の当事者性が薄くなっていったのは事実だと思う。

「CDが売れない時代」
この背景を踏まえて、今回のゲリラ発売仕掛けのアツさを考えてみたい。

そもそも小売りの視点に立てば、15年以上前に流行ったものの新作、どう考えても大量に仕入れない。例えば「たまごっち」

もし、右肩下がりのおもちゃ屋さんを経営していたとして
「これ、、たまごっちのリバイバルで、売値2000円なんですけど、1500円で2000個買ってもらえません?こっちサイドではプロモーションとか一切してないので、顧客認知取れてるか分からないっすけど、、」

こんなもん記念に1個買ってやろうかなレベル。

広告費って、かけてるだけで商品の信用が取れるみたいな側面もあるので「これ実は広告費1億かけてるんで、結構話題性あると思うんですけど、、どうですか?」っていう営業トークを結構する。

ブース組んで大々的に売り出してるCDとか、そうやって仕入れて貰ってる訳です。基本的に在庫は持ちたがらない。

そんな中今回は広告マジ無しで、いきなり店頭。

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もちろんネット時代なんで話題になりやすい内容だと自然に売れるってのはあるんだけど、それって事前に数字化できる事じゃ無いんで、小売りの担当が「オォ、それやべぇっすね!」ってならなきゃ無理な話な訳です。

一種のギャンブルというか、賭けてる。

置く量は調整できるとはいえ、大きい所は何千枚単位で仕入れてるはず。

これは期待値が高くないとできない事だと思うんです。

この仕掛けの上、とりあえずは配信・通販無し。

「なんか売られてる!」と拡散された情報に気づいた社会人達が「売り切れたら聞けない!逃す!明日タワレコ行かなきゃ!」となってる現象が実際に起こってる。

ハイスタの新譜!売り切れる前に急いで買いにいくしかねぇ!

この当事者感、事件感を再現できてるのが、僕はマジでワクワクするんっすよ。最高。

そして
「インディーなんだから、別にそんなもんでしょ」みたいな神出鬼没さ。
ぼくりりくんのアルバムのように、ガッチリメジャーレーベルや大人が動いている仕事じゃこうはならない。

今回のリリースに関しては極秘で進んでいた様で、数年前から「3人で曲作ってるらしいよ」みたいな噂はあったにせよ、昨日のタイミングでのゲリラ発売。

関係者とか流通の人とか絶対に知ってたのにSNS等で拡散されなかったのは

「これイキナリCD屋に並んでたら、皆驚くだろうなーむふふ」

と、ワクワクしながら仕事をしていたんじゃないかなと考えたりすると、幸せな気分になるじゃないですか。

そいつらの中にはハイスタを聞いたりして、音楽の仕事をしたいと思っていた人も絶対にいる訳で。

正直言うと、こないだのスカパラのやつも、は?って感じだったし、ケンバンドもNAMBA69も、そんなに好きじゃなかったんだけど、
もうこの一連「カラオケで歌うくらいなら、バンドやれよ!」みたいな難波さんの感じがビシビシ蘇ってきて「あぁ、レジェンドっす…」となりました。僕は。

マジでビックリした!最高!
現役じゃねえかおっさん!

以上!

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