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2016/07/16

記事 邦楽ロック

どうしたら思い出野郎Aチームの素晴らしさをわかってもらえるのだろう。

先日、縁あってETERNAL ROCK CITY、通称「エロフェス」にお伺いさせていただいた。
Large house satisfactionや打首獄門同好会を始めとする、ずっとライブを見てみたかったバンドのみなさんの演奏を生で拝見させていただき「なんだこれ…音源の万倍カッコイイな…」と身震いするようなライブもあった反面、正直なところ「なんだこれ…マリファナ吸っても楽しめる気がしないなこのバンド…」と音源に対してライブが非常に残念なバンドも一部あり、僕個人としては考えさせらせることが多い一日であった。

どちらが優れてるとは一概には言えない。この話はまた後日詳しく記事にしたい。

しかし全体を通してみれば、この価格、このメンツ、このボリューム、と三拍子揃った素晴らしいイベントだった。本来の目的を忘れて大いに楽しんでしまった。

さて、強烈なライブ運びでお客さんを楽しませるバンドもあり、空想委員会や夜の本気ダンスなどのビッグネームもありのエロフェス2015だが、個人的なベストアクトは思い出野郎Aチーム。彼らのライブに頭の無防備な部分をガツンと殴られた。

どうしたら思い出野郎Aチームの素晴らしさをわかってもらえるのだろう。この記事でその素晴らしさの一片でも伝わってくれればと思う。

音楽の楽しさとは

イントロ・演奏が派手なバンド、歌詞が過激なバンド、技術に長けたバンド、家に篭って漁るようにいろいろな音楽を聴いていると見失いそうになるが、音楽の本来の楽しさはそれだけじゃ決まり切らない。ウマい飯に理由の説明がいらないように、良い音楽は無条件に良い。それがよくよく考えてみれば歌詞だったり技術だったりするだけである。こんなことを言ってしまうとこのサイトはオシマイなのだが、このサイトで嘘を言い出したらそれこそオシマイなので仕方がない。

加えて、バンドは外の音楽よりもパフォーマンス・エンターテインメントとしての性格が強い。結局のところダウナーなバンドにしろアッパーなバンドにしろ、音楽の最終目的は聴き手の気分に働きかけて気持ちをどうこうする。そういった場所にある。

僕もなんというか、思い出野郎Aチームのライブがあんまりにも素晴らしくて気分を高揚させられてしまい、闇雲にこんな大袈裟な話をしてしまっていることが何よりの証明だろう。後日読んで恥ずかしくなるんだろうなこれ。

改めて歌詞を確認して、ちゃんと録音してミックスされた音源を聴くとライブとはまた違って良い。が、バラバラにとった楽器を編集してデータに落とし込んでウェブを介して…と膜一枚、二枚三枚隔ててしまうとやはり伝わり切らない、その過程で漏れていってしまう良さがある。
音源にそのバンドのすべてを詰め込むのは土台無理なのである。音源でも減算されにくいジャンルの音楽もあるが、彼らに関してはその「音源で伝わり切らない部分」こそ大事に思える。

無茶を言うが「ああ、ということはこの何倍もかっこいいんだな」と補正して聴いてくれ。頼む。

飾りのない小粋なMCに、ただ楽しい音楽。サックスの人なんか出番忘れてビール飲んで満面の笑みで踊っているし、客も客で各々好きに踊ったり、もたれかかって酒飲んだりだ。

バンドによってはライブ会場の様子を見ていて「みんななんか決まった動きで手を振ったりしてるけど、それ…なんか強迫観念にやらされてないか…?」と思うシーン、多々あるのだが彼らのライブ会場には一人も楽しんでいない人間はいなかった。「好きじゃなかったら打首獄門見てるよ」とハートをキメ切った大人ばかりだった。あと男が異常に多かった。

なんだかんだと言ってはみたが、やっぱり伝わりきらないな。
思い出野郎Aチーム、本当に素晴らしいバンドだ。
お酒が飲める大人のみなさんは是非一度、彼らに会いに行ってみてくれ。

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