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意外と低クオリティ?!アメリカ・バンドスタジオと練習事情

2016/07/16

ごきげんよう。
バンドマンのお前ら、今日もスタジオお疲れさま。
日の目の見ないバンド練習とバイトに疲れ果て、家に帰っても嫁が画面から出て来ない。故にこのページを開いている事であろう。優しい言葉期待したかもしれないが大間違い、甘えんな。そんなお前らの地球の反対側の同士、無駄に彫りが深くてポジティブで外ヅラが良くて体毛が濃く、やたらと音楽レベルが高いあいつら…メリケンバンドマン共がどんなスタジオ練習をしているか、気にならないか?って事で、アメリカのスタジオと練習場所事情をざっくりと紹介させて頂く。

ニューヨークとそれ以外で、スタジオ事情は違うのか?

世界中から人が集まるNYCは、便利で車が必要ない分、狭い、家賃が高い、古いの三点揃っている最悪な住宅事情。毎年家賃も上がる一方で、郊外に引っ越す者もとても多い。
音楽をやる条件そのものは日本とNYCではそこまで変わらないので、スタジオを利用する者が多い。一方、アメリカ郊外はお隣さんの家まで徒歩10分掛かるのが通常運転。クソ田舎となれば、ひたすらトウモロコシ畑でお隣さんの家まで車で移動となる。要するに、土地が余り倒している田舎は、騒音で隣人に迷惑を掛けないで済むので、わざわざお金を払ってスタジオで練習しなくても良いという魅力がある(実家住まいなら家族には怒られるが)
ってことで、細かい部分を掘り下げてみよう。(かくいう私はバンドマンではないので、毎度のことだが谷澤先生にご協力頂いた。)

日本のスタジオ事情をざっくりおさらい

時間や部屋の大きさによるが1500円~2500円 / HRくらいが一般的だろう。

スタジオに常備されている設備
ギターアンプ: Marshal、ROLAND JC120
ベースアンプ :Ampeg / Hertke

貸し出し
アンプ:Vox Fender MESA BOOGIE など
ギター、ベース、エフェクター、ドラムスネア、ペダルなど

営業時間
24時間営業してるところが半分くらい

サービス
ミーティングスペースが充実していたり、最近だと軽いご飯が買えるスタジオも出てきたり

NYCスタジオ事情

Ultra Sound Rehearsal Studio (HP)
NYCの一等地にある。どうやら、ここがNYCで一番有名なスタジオらしい。
部屋の種類もたくさんあり、設備が充実している。

値段
$18 - $35+ (約1960円 - 約3800円) / hr

設備例
Small Room (3.6m x 3.6m) 3 - 4人用の一番小さい部屋
$18/hr (平日6pm前まで)$28/hr (平日夕方、週末)

8L2
8L1

サウンドシステム
Two Martin Audio Custom WT3 - 3 way speaker systems
Midas Venice 160 mixing console
XTA DP224 speaker management system
Two Lab.Gruppen FP3400 power amplifiers
TC Electronics M-One and D-Two effect units
Sennheiser 835 mics
Mogami mic and interconnect cables
Gepco speaker cable
Neutrick gold pin connectors
Ultimate mic stands

ギターアンプ
Matchless Lighting 15
Bruno Underground 15
Bruno Cow Tipper 22
Vox AC 15
Alessandro Beagle
Victoria Tweed Deluxe
Bogner Shiva
Dr.Z Maz 18
Marshall DSL401
Mesa Boogie Nomad

ベースアンプ
Epifani Quest II pre amp
Lab.Gruppen FP2600 power amp
2 Epifani T-210 2X10 cabinets

ドラム
Custom DW Collector's Series kit
Sabian cymbals
DW and Yamaha hardware
Evans heads

キーボード
Korg Triton LE keyboard

機材貸し出し…アリ
基本はアンプの貸し出しのみらしい。レンタル機材は日本の方が断然充実している。

Brooklyn Sweat Shop (HP)
若い(自称)アーティストが集うブルックリンにある人気スタジオ。人気過ぎてなかなか予約が取れないらしく、一ヶ月待ちはザラとの事。ここのスタジオのユニークな点は、設備が最低限(=ガレージ練習に近い)の部屋を”Punk Rock Room”と名付けて価格を低め($15 / HR) に設定している点だろうか。
他の部屋はあまりUltra Soundと変わらないが、マンハッタンより少し安い。

部屋の大きさや設備の善し悪しによって値段が違うのは日本と同じみたいだ。そして、日本では定番のROLAND JC120が定番ではない。日本のような広いミーティングスペースや食事が買えるなどの気の効いたサービスはないらしい。まあ、アメ公共にサービスそのものを期待する事が間違いである。私の知人のバンドマンいわく「3-4バンド合わせて一緒に練習しないと破産する。常に知人バンドとグーグルカレンダーでスタジオ日を合わせている。NYCで良いビジネスを始めるなら、バンドスタジオ経営すればいいかも。」とのこと。ミュージシャンだらけのNYCは、バンドスタジオそのものは経営が潤っているみたいなので、わざわざサービスを良くする必要もないみたい。

営業時間

Ultra Sound
11am - 12am

Brooklyn Sweat Shop
12pm - 1am

日本の24時間サービスのスタジオに比べると、あまりやる気が感じられない。
この程度でも十分経営に困らないので、アグラをかいている模様。

アメリカ郊外、他州のド田舎

私は田舎をナメていた。NYCと比較するために、牛と鶏とETしかいなさそうな、アメリカのクソ田舎のスタジオを調べてみたものの、バンド練習スタジオそのものがあまり見つからない。レコーディングスタジオはチラホラあるものの、田舎だと「バンドを練習するスペースを提供するビジネス」そのものにあまり需要がないらしい。それ以前に人類そのものがアメリカ郊外にはあまり生息していない。他州と言っても様々だが、今回は極端な例として、ジャガイモ以外何も思いつかないアイダホ州はBoiseを例に取ってみた。

Boise Hive (HP)
ここはどうやら、メンタルヘルスのカウンセリングを行っている非営利団体が経営しているので格段に安い模様。
ミュージシャンの為…というよりかは、音楽を通してコミュニティを活性化させようとする意向のあるスタジオらしい。

値段
$6 - $10 (650円- 1090円) / HR
…安っ。

設備例

$6の部屋、2.74m x 4.26m

$6の部屋、2.74m x 4.26m

$10の部屋、4.26m x 9.1m

$10の部屋、4.26m x 9.1m

$10の部屋、レコーディングスタジオ付き

$10の部屋、レコーディングスタジオ付き

スタジオが閑散としている…。
必要最低限のドラム、PA、マイクのみ。値段相応の設備と言った所か。
やはり、営利目的でないので練習用の場所を提供するのみ。一応防音設備が整っているので、ガレージよりちょっとマシくらいか。ただ、$10の部屋はレコーディング設備(レコーディングは別途料金)も整っているみたいなので、最低限ではあるが値段の割には悪くないかもしれない。

営業時間
月 - 木: 6pm – 10pm
金: 6pm – 12am
土: 6pm – 12am
日: 1pm – 9pm
平日が10pmまで…なるほど、そこまで需要がないからかもしれないが、田舎は予想通り店じまいが早いみたい。

ドラマー個人練習事情

冒頭にもあるように、とにかく家が狭く騒音がネックとなるNYCのドラマー達。プロ思考の者は基本的にスタジオで練習しているらしい。やはり、プロを目指すとなると、こだわりが出てくるのでスタジオと自宅を比べると響きが違うから…とのこと。Brooklyn Sweat Shopのドラム個人練習のレートは$12 (約1300円) /hr と、こちらもあまり日本と変わらないみたい。一方、NYCのクソ狭い自宅アパートでドラムを練習する強者もいる。ただ壁が日本ほど薄くないので、騒音に関しては、日本よりガイドラインが緩め。ミュージシャン同士で住んでいる連中も多く、騒音に関してはお互い理解し合っている模様。下記にも詳細があるが、NYC以外のドラマー達は騒音を気にせずに、家の地下室やガレージなどで在宅練習が遠慮なく出来る。田舎住まいの魅力の一つかもしれない。

※値段は2016年4月現在のレート

アメリカ特有の練習場所

ガレージ
ステレオタイプ通り。郊外住まいは家のガレージでバンドの練習をするのが定番みたい。改装して音響設備を整える者もいるらしい。郊外だと、3-4バンドで費用を出し合ってシェアスタジオを作ってしまう作戦もある。高いレンタル代を払ってスタジオに通い詰める事を考えると、長い目で見れば改装してしまう方が安いかも。

家の地下室
アメリカ郊外の一軒家には、ほとんど広い地下室があるので、バンドの練習にはもってこい。
某セカオワ同様に一軒家をバンドメンバーで借りている者も多く、週末の夜にオープンハウスにして、地下室でアマチュアバンドが4-5組集っての無料ライブ、なんて楽しいイベントが盛りだくさんだったりする。バンドに限らずDJイベントなんかも家の地下室で行われたりする。集客を気にしなくても良いイベントを催す環境は、日本の数十倍整っている。ただし、NYCで一軒家を借りるのは高過ぎるので、NY市内で地下室のバンド練習…というのはあまり聞かない。

キリスト教会
ある日本人の(自称)ドラマーの話によると、キリスト教会でバンドのリハーサルが出来るらしい。しかも無料。ただし、掃除などのお手伝いをしなければならない可能性もある。教会でのリハーサルは物凄く響きが良いので、練習してて最高に気持ち良いとのこと。これもNYCではなく、アメリカの埼玉・ニュージャージーの教会らしいので、とにかく広い。余談だが、両親がクリスチャンの場合、毎週日曜日の礼拝で演奏してるバンドがきっかけ音楽に興味持つ人がアメリカには意外と多い。
ただ、宗教絡みなので、特にロックをやっている連中なんかはアンチ・キリスト教徒が多く、いくら無料とはいえ抵抗がある者も多いかもしれない。私の個人的な経験だが、キリスト教会での哲学(仏教)セミナーに参加した事あるが、異宗教にも関わらず、教会サービスの人は物凄く物腰柔らかで優しく良い人たちだった。配給で余ったごはんも分けてくれたりと、とても親切に対応して頂いた。もし教会を練習場所に使いたいなら、一般常識の範囲内でアンチ・キリストの曲を演奏しない、善意で使わせて頂いているという立場を忘れない等の配慮が必要である。

貸し倉庫
これはNYCに限るが、何度も言う様に家が狭い割に荷物が多いニューヨーカー達は、貸し倉庫を利用している者も多い。こいつらには断捨離という概念がないからな。
そんな倉庫をバンド練習に利用するというクリエイティブな発想。広めで少し外れにある倉庫のレンタル料が$500 / 月くらいとして、4人で割ると一人あたり$125で練習し放題。バンドの練習量にもよるが、スタジオに通い詰める事を考えるとコスパが良いので、なかなか賢いアイデアだ。ただし、設備が皆無なので音のクオリティは一切期待出来ない。あと防音してないので音漏れが半端なく、道路にまで練習音が鳴り響くという難点もアリ。

総括

値段、設備、サービスを含むスタジオ事情そのものは、断然日本の方が良い!!24時間営業のバンドスタジオだなんて、アメリカ国民の耳に入ったら、アイツらはスタジオに住み着いてしまう。一方、アメリカはとにかく土地があまり倒しているので、郊外住まいであれば、ガレージや家の地下で、お金を払わず、そして時間を気にせずに思う存分に練習出来るのは魅力的である。背は腹に代えられぬ…。

いかがだっただろう

やたら音楽レベルの高いアメ公共も、NYCという魅惑の大都会に移り住んでしまえば、私達日本人と同じ悩みを抱え、夢を追いつつ金をむしり取られながら、日々音楽に明け暮れているみたいだ。郊外だと心置きなく練習出来たり、無料ライブ開催への敷居が低い。土地の狭い日本ではどうしようもなかったりするが…。日本も寺と神社をバンド練習に解放してくれたらいいのに!と言うのは簡単だが、実際そう一筋縄ではいかない。この記事で、日本の裏側、アメリカのスタジオ事情が少しでも伝わっていれば幸いである。

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