インタビュー ぼくのりりっくのぼうよみ "必死こいて下積みしている年上のバンドマンたちについてどう思う?"
ぼくのりりっくのぼうよみ、通称ぼくりりくん。
みなさんどういうイメージを持っていますでしょうか。
「天才少年」「変な名前」「賢いっぽい」「曲が良い」「AV女優めっちゃフォローしてる」
こんな感じじゃないでしょうか概ね。僕はそう、こういう感じ。あととても正直に言うなら「マジでいけ好かない」
いや、いけ好かないでしょ天才少年。漢字四文字の中で一番嫌いな組み合わせよ。頭が良くてイケメンで才能があって若い?はぁ?俺のアレルゲンの詰め合わせセットか?10代のうちに悲惨なくらいハゲてくれねえかなマジで。
ところで先日ですね、当サイトのスタッフからLINEが来まして開けば「ぼくりりくんへの取材とりつけてきたよ!」と。あれやこれやと出向いて話を繋げてくれたらしい。個人的にファンだそうで結構奔走してなんとかアポを取れたそうな。
ぼくりりぃ!?天才少年ん!?そんなもん聴きたいこと言いたいこといっぱいあるだろ。「このボタンを押すと寺田心くんが屈強な黒人男性に怒鳴られます」みたいなボタンあったら押すでしょみんな。そういう気持ち。ファンの方とアポを取ってくれた彼には大変申し訳ないけども。
そんなわけで、行ってきましたインタビュー。結果から申し上げますと、いけすかないなんてとんでもない。大変人間の出来た聡明な若者でした。あのガキ次会ったら声帯引きちぎってやる。どうぞご覧ください。
童貞?
―はじめましてよろしくお願いします。
■よろしくお願いします。
―せっかくの機会だから聴きたいことたくさんあって質問結構用意してきたんだけど、ぼくりり君チーム的には「若くて賢い天才少年」みたいな見せ方をしたいみたいだし、難しめの質問が多いんだけど大丈夫カナ?
■全然大丈夫です!こっちも今日は喧嘩してやろう!って気持ちで来たんで(笑)
ーやめてくれよ… こっちは25だぞ… 体力面で大幅に遅れ取ってんだよ…
ーまぁまずですね。この間うちのサイトで募集してた読者公募質問なんだけど、やっぱりうちのサイトなんか人間の屑みたいなヤツしか読んでないからマジでロクな質問がなくて。一番多かったのが「童貞?」って質問でね。
■(笑) えーどうなんでしょう!そういう質問になんて答えるか決めてなかったからなあー。まぁノーコメントでお願いします。(笑)
―あ、でも一個だけ面白い質問があって。「自分を俯瞰できる頭のいいぼくりり君的には、今事務所に自分が猛プッシュを受けている状況ってどう見えるの?」って。どう?
■…?どういう風に見える…?
―いや例えば「この状況を使ってこんな面白いことやってみよう!」的なのとかない?
■あー、そうですねー。人のお金を勝手に使えるのが便利なので。それを最大限活用して色々遊ばせてもらおうかなと思っています!
―えーすごい素敵な状況じゃん!(こいつ後頭部ブン殴ったら口から一万円札とか出てこないかなマジで)
音楽と金
―CDの葬式やってたのとか見たんだけれども、既存の音楽の配信へのアンチポーズだと思うんだけどね。
よく言われるような音楽をそう売って行ったらいいのかみたいな話、18歳のぼくりりくん的にはどういう解決策があると思う?
■何を目指すのかとかによりますから、人によるとしか言えないですね。「他のアーティストがこれからもっと稼ぐにはこうしたほうがいい!」っていうのはあるけど、業界全体っていうと答えようがないですね。
でも、基本的に音楽はタダでばら撒いたらいいとは個人的には思うんです。他にも売れるモノっていっぱいあると思うので、言葉を売るとかしていければいいのかなぁとかも思ったり。
ーなるほど。僕も個人的には音楽アーティストはマルチタレント化していくのが商業としての答えなのかな?思ったりしてるんだけれども。そういうこと?
■そうですね。本当に人によるとしか言えないんですけど。アーティストの種類によってはライブやる人やらない人もいたりするんで。どこでお金をとっていくか、っていうのはそれぞれになればいいんじゃないかな。
ー(本当に賢いなこいつ、人生二回目か…?)そういうマネタイズ周りでいうと、今大人がすごい寄ってくるわけじゃん?でもさ、冷静に考えて18歳の少年に寄ってくる大人って、今の状況、立場・状態に興味があるわけじゃないじゃん?君と話したこともないのに笑顔で寄ってくるオッサンたちは、君を金の素ぐらいに思っているわけで、金と君が切り離されたときに一人間や友人としては助けてくれないわけじゃない。ほら、地下アイドルとかなんか酷い状況じゃん?そういう状況からどう身を守っていくかって訊いてみたいんだけど。
■まぁ、それを言っちゃえばこっちから見た大人の皆さんに対しても同じことですからねー。
でも、それはもちろん考えておくべきだと思ってます。守るってよりは僕現状は1輪車に乗ってる状態だと考えていて。その1輪・今でいうと音楽なんですけども、今はまだ小さい車輪が少し大きくなってきた状態。一回のペダルで大きく進めるようになっては来たんですが1輪だと止まった状態ですぐ倒れちゃうじゃないですか。
それが2つになれば自転車だし4つになれば自動車だしでって形で大きく安定させていく必要があると思ってます。動いて無い時も自立してるように。そうなれば1つの車輪が動く事で音楽の方も動くみたいな相乗効果が生まれると思うので、そういう自動車を目指していきたいなぁと。
ー今でいう星野源的な?
■まぁ、言ってみればそうですね。
ぼくりりメディア
*先日、ぼくりりくんはクラウドファンディングを大成功させ、オウンドメディアNoah's Arkを開設。それについての質問です。
ー今回メディア出したじゃん。これも今の状況を使ってやれる事の1つだとは思うんだけども。そうやってメディアを育てていくのとかっていうのも一つの手だよね。
■そうですね。
ー例えばうちのサイトも一応収益化できてて、生活はできるわけじゃん。いやメジャーレーベルのアーティスト様からしたらカスみたいな規模だけどさ。
■そうですね。大したことないですよね。(笑)
ーオイ、てめえの会社じゃねえからなビクター!!
ーいやでも、メディアを成長させてそこからも収益を上げていくみたいなことはできるわけじゃん。
■え、BASEMENT-TIMESからのオファーですか?笑
ー書く?
■いや、僕悪口ばっか言えないんでやめときます。笑
ーサイト自体は読んでくれてるんだっけ。
■ナオトインティライミの記事とか面白かったです。
ーえー、ありがとう!
■そもそも石左のキャラ付けが受けるなぁと思ってるんすよ。自分からルサンチマン(負け犬根性)振り回す感じがウケんなぁって。
ーまあ、人間自分の有利な都合でぶつかっていくしかないわけじゃん。例えば俺が何かの障害を抱えてたらそれを最大限活用して盾にも武器にもして暮らすし。金持ちのイケメンだったら金と顔で勝負に出るし。
■だったらそれキャラちょっと弱くないですか?「俺なんかもうジジイだから」みたいなこと言ったりしてますけど、25才ってそんなに年でもないし。もっと強烈なキャラで行ってもいいんじゃないかと。
ーまあ嘘ついても仕方ないし。25って年下の学生さんたちには「ガキがお前らなんかまだ人間の成りそこないだからな」みたいな姿勢で噛みつけるし、年上の老人たちには「お前らなんかもうあとは棺桶に入るだけだから入念に体洗ってろ」みたいな顔もできるじゃん。
■なんか、ルサンチマン振り回してて自分の事虚しくなんないのかなって思うんですけどうですか(笑)
ー自分の中で消化できてないような本当に傷つくようなこと言わないからね。痔だとかさ。
バンドマンについてどう思いますか
ーぼくりりくんのサクセスストーリーって超効率的だと思ってて。インターネットで活動して有名になって、音楽会社に拾い上げられて、閃光出て、メジャーデビューしてって。最短じゃん。無駄ないじゃん?最近そういう人多いじゃん。
俺なんか友達はなんやかんやバンドやってる人が多いし、この媒体も読んでるバンドマンって結構いるんだけども、そういう今日も安くないノルマ払って、ちょっとづつだけどファンをつけていって、頑張って背伸びしてワンマンしてリリースして、でもなかなかうまくはいかなくて、やがて下北沢の土になっていくような人がいっぱいいるんだよ。
そういう人たちはさ、超スマートにサクセスカマしたぼくりりくん的にはどういう風に見えるの。
■実態がよくわからないんで何とも言えないんすけど、総じて曲がよくない・やり方が良く無いってのに尽きると思います。
ていうか石左さんが言う僕のサクセスストーリー像もちょっと違うんですよ。歌い手活動はしていたんですけど全然有名じゃなくって。フォロワーなんか2000人くらいで、そうやって活動してたら声かけられちゃって。感覚的には「打ってもいないパチンコから玉が滝のように出てきた」みたいな。
ーなるほど。ごめんなさい。なんかすげえ悪い見方してたかも。
ー(その場にいた事務所社長に)ぼくりりくんに目をつけたのは何かきっかけがあったんですか?
(社長)その時の考えが色々とあったんですけど、ライブ以外の所から人を見出したかった時期だったんです。
ライブハウスですごいいいライブしてても売れない人とかも結構いて、そんな時丁度、ぼくりりくんを見つけて。
ニコ動の割にクオリティが異常に高かったので声をかけたんですけども。
ライブ回数を減らしながら売れる方法を考えたかったってのもあり、違う所で探さないとっていうのもあったんですけれども。若いのに変にあくせくしない賢い所もあって。いいと思ったんですよね。
ー確かに今日会ってみて思ったんすけど、すごく自分のペース保ってますもんね。スターになるヤツって、異様に自分に自信があったりどこか壊れてたりすると思ってるんですけど、ぼくりりくんからはそういう良い意味の異様さがあるよ。こんな18才、気味悪いもん。スターだよ。
ーじゃーさっきの話を踏まえてさ、下積みしてるバンドについて、効率的な提案があればいいなと思って。完全に非効率な事だと思う?
■いや、後々考えればすごい役立つと思うんすよ。「ノルマ払ってライブ出て、苦労してやっと武道館立てました」って話ってすごく共感するじゃ無いですか。僕でさえ応援したいなって思っちゃうんで。
そういうファンの人の方が息が長いと思うんで、僕なんかよりよっぽど賢いやり方だと思いますよ。
自分の音楽だけじゃなくてストーリーを売れるって事になるんで、それって人間そのものを売るって事じゃないですか。そういう点で最強だなと。
ー確かにね。業界の人も応援しがちな部分もあるもんね。特にインディーズ市場なんか。ライブハウスで叩き上げでやってきたバンドって認めざるを得ないよなって。例えばそういう強みを排したやりかたをしてるぼくりりくんは、そこをどう補おうと思ってる?
■いや、カバーしなくていいと思ってて。別に、就職するって選択肢もあるわけじゃないですか僕は。
時間をお金やギャンブルに例えた時に、5000円持ってての5000円かけてる人と30万持ってる人のプレイングの仕方も、そこから出るもののも全く違うと思うので。どっちが良い、どっちが悪いとかではなくてそもそも違うものじゃないですか。
ーなるほどね。そこそこ時間を玉の出ない台に賭けてきた俺たちからすると耳がモゲそうなぐらい痛い話だね。勘弁してくれ。
今後のシナリオについて
ー今後のシナリオをどう描いていこうみたいな事ってどういう風に考えてる?
■去年はそういう事何も考えずにやったので、今年はもっとデザインして狙ってやっていければなと思ってます。
ー今回のメディアのやつもそういうデザイン化の一環?
■知識人枠なポジションをとっていければなとか考えていたりはしますね、
ーいやさ、正直今回のメディアって俺失敗だと思うんだよね。出資した人が読みたかったものではまるでないというか。俺みたいな頭の悪い文章書いてばっかいる人間からすると、どう考えても話が難しすぎるし興味がもてなさすぎるし意識高すぎる。対談メディアて。落合陽一て。
なんか頭の良いやつ、もしくは必死に頭良い振りしてる意識高いだけのやつ、ベンチャー系ノマド系のオトナ、そういうマジで意識高い系統の人間だけで内輪で勝手に「俺たちがやってることマジで新しいよな(笑)マジイノベーションがアサインしてる(笑)」みたいなクソサムい感じに見えるんだよ。
私ら下々の民からしたらば興味もって読めるものじゃないんだよね。ぼくりりくんのファンの子が「落合?誰だ?」と思いながらぼくりりくんの言葉を一つでも拾いたくて読むくらいなもんで。
■狙ってやっています!それは。今回のコンテンツに関しては狙っている層がそこ(意識高い人たち)なので。そうじゃないファンの子たちには届かなくても良いと割り切っています。
でも対談相手4人目は、石左さんたちにも「おお」と思わせるような線狙ってますよ。
ーまじか、鳳かなめ(AV女優の方)とか?
■まあ、楽しみにしておいてください!
ーそういえば読者アンケートで好きなAV女優誰?って質問も結構多かったんだけどさ
ぼくりりくん像
■僕結構AV女優さん結構フォローしてるんで(笑)
ー地下アイドルフォローしてるより全然いいよねめっちゃ好感持てるもん(笑)知り合いでクソみたいに地下アイドルフォローしてはリプライ送ってるヤツがいて怖いもんそれ俺。
■でも僕も地下アイドルの方も普通に結構好きですよ(笑)
ーいやでもさ、今ってめっちゃ忙しそうだけど、休みとかあるの?
■僕めっちゃ暇っすよ。
ーそうか作曲担当とかではないからバンドのボーカルみたいな殺人的な多忙さはないんか。
■そうですね、トラックは自分で作ってないので。あ、そういう風に書いてくださいよ。「ぼくりりは自分でなにもしてなくて」みたいな。(笑)
ーマジで曲はつくってないのか。
■まあ、曲作る人は僕が選んでますけどね。
メジャーっぽい人でやる必要も別にないので。曲で選んでます。
ーストレスとかはある?
■ありますよ、何かあるかな。
ーTwitterで嫌いなやつとかいない?(笑)
■いっぱいいますよ!でもつい見ちゃうみたいな。自分に嫌んなります。(笑)アンチのリプライとか。嫌いなんだけど無いと寂しいし、ついつい見ちゃう。
ー俺とアルコールの距離感だ、それ。朝方毎日二日酔いで「もう一生飲まねえ、昨日の金実家に入れればよかった」とか思いつつ、夕方には片手にウーロンハイがある。みたいな。
■そういうものなんですか…?
ーあ、そっかまだ18か。完全に忘れてた。心が老けすぎ。あと2年待たないとね。その時は飲みにいこうね。
■是非!
ー俺、酒飲まんと人の目見て話せんからな。
■今日は頑張ってんすか?
ー年下だ。って思い込むようにしてるし若干酒入ってる今も。
ー逆にさ、こういうのしてほしいとかない?
■さっきの話で言うと底辺バンドマンを争わせるみたいなのアリだと思います。争い方にも色々あるそれが結果オイシイと思いますし。小さい喧嘩やこだわりを披露する的な。(笑)
ー鬼の子かお前は?
■でも、知ってもらわない事にはどうにもならないじゃないですか。
ー確かにね、ある程度、本当にその通りだと思うよ。作曲家監禁してリツイート分だけ飯食えるみたいな企画やろうとした事もあるしね。
■あ、それおもしろいっすね。やってくださいよ!
ー最後にさ、恋はしてる?
■して無いですねー学校も行ってないので。つまんないんですよ。学校行くよりこんな感じで渋谷さんとかと話せる方が楽しいです。
ーまあぼくりりくん精神年齢老けすぎて学校のヤツと話合わなさそうだもんね。でも俺ァ学校の女の子と話たいなあ。クラスメイトって、いいよなあ…
■学校の女の子って話す機会なくないですか…?
ーどういう子タイプなの?
■僕ちょっと意識高い系みたいなトコあるんで、一緒にいて頑張れる子がいいなとか思います。
ーえー、わかんねえ… 顔かわいくて料理うまければもういいじゃん…
■確かに、料理も重要!いや、実力追いついてない意識高い系は嫌なんですけど、実力ある人だったら尊敬できます。そういう女性が良いですね。
賢すぎて腹が立ちました
行くときは「なーにがぼくりりじゃ、嫌な質問で溺死させたるけえのう」ぐらいの気持ちだったんですけど。
何を訊いても泰然と回答されるので、ご覧の通り俺が何か最低なヤツみたいな感じで完全に負け。そればかりか話せば話すほど「何この子、素直で良い子ジャン…」みたいな念に駆られ、なんていうか。怖い人間だよこいつは。生まれつきの詐欺師気質。気を付けろ。
そんなわけでいかがだったでしょうか。7000字ありますしこれでもかなり端折ってます。
彼の論客としての優秀さをご覧になりたい方は、ぼくりりくんのオウンドメディアNoah's Arkも覗いてみてはいかがでしょうか。
それでは!もうインタビューなんかコリゴリでござる!