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凛として時雨、ファン総入れ替わり説

 BUMP OF CHICKENのファン、総入れ替わりしてない?

 昔こんな記事を書いたんですけど、凛として時雨にも似たような現象が起きてるんじゃないかと。

 母方に10個ほど年の離れた、今年中学3年生の甥がいるんだけれど、訊くにバンド音楽が好きらしく川上洋平みたいな髪型して俺のお下がりのギターを弾いてるそうな。今欲しいのはジャズマスターと音楽が好きな彼女ですって!モテるんですって!ウフフ!エイズになって死ね。

 で、ことあるごとに音楽を聴かされては感想を言わされるんですけど、先日

「凛として時雨ってバンドかっこよくない?」

 と訊かれました。お前、江戸のサムライに「武家半端なくね?」ってLINEしてるのと同じぞ。

 その時「聴け」とばかりに張られたYouTubeリンクが

 

 オイ。時雨ですらない。ピと345どこ行ったね。ひなっちをART-SCHOOLに返品しろ。

 

 完全に東京グールの影響ですね。

 話逸れるんですけど東京グールすごくないですか。ヤンキーもオタクもサブカルもバンドマンも10代はみーんな読んでる。っていうかアニメ見てる。

 何がすごいってSNOWのエフェクトにまでなっちゃってるってとこ。SNOWのエフェクトってかなり万人受けする奴じゃないと採用されないらしいんだけど、グールのエフェクトその中でも流行ってる部類だった。若年層にこんな普及の仕方してるコンテンツって、ポプテピかグールぐらいでしょ。

 その東京グールの主題歌にTKの声と曲が上手くハマったようで10代に人気が過熱してるらしいんだけど

聴いてた?

 逆に今の20代。俺と同世代、凛として時雨ド世代の人たちに伺いたいんですけど、聴いてた?TK from 凛として時雨。

 

 この動画載せるのどうかと思うけど、いやこっちだよね。俺たちが知ってる凛として時雨。#4だよね。ヤバいバンドがいるつって#4聴いてひっくり返ったのがこの間のことのようなんだけどこれ発売11年前らしいよ。はあ?時間吹き飛んでない?タイムマシンここに完成してんじゃん。

 金切声で絶叫するボーカル、リードギターみたいに動きまくるベース、どこまでがフィルなのかわからないドラム、高速アルペジオ、何故かやたら血なまぐさい歌詞、これが凛として時雨だよ… 今の凛として時雨なんか

 

 金切声で絶叫するボーカル、リードギターみたいに動きまくるベース、どこまでがフィルなのかわからないドラム、高速アルペジオ、何故かやたら血なまぐさい歌詞、何にも変わってねえ。むしろ前より過激になってないっすか。北嶋くん若返ってるし。変わったのはTKと345の服だけだよ。ピエール中野だけ一切変わってないよ元々こういう人だよ。

 何も変わってないんですよね。あれれー。なのに何故か聴かなくなっちゃったんですよね。俺も最近になってやっとアルバムまとめて聴いたし、昔時雨とか9mmとか聴いてた友達はロバートグラスパーにハマってたり、音楽のことなんか忘れてファッションオタクになってたり、仕事が忙しくなったりしてるっぽい。

 もうここで結論出てるんだけど。そう、変わったのは俺たち。バンドじゃない。

 

流行りものに飛びつく中高生

 なんていう風に字で書くと酷薄に見えるけど、今の大人もみんな同じ「何から手に取っていいからわからないから流行りものに飛びつくしかなかった中高生」だったんだと俺は思います。

 

 今聴いてもかっこいいんだけれど、初めて聴いたときのような衝撃はない。そりゃそうで実際初めて聴くわけじゃないし、もう何百回と聴いてるわけで真新しい感動はない。凛として時雨の登場は周りに影響を及ぼしまくって、一時なんかはノーベンバーズか9mmか時雨のパクリみたいなバンドしかいない恐慌状態にまで時代が陥った。良い意味でも悪い意味でもなく、単純に聞き飽きているのだ耳が。

 そんなで勝手に離れていって「やっぱ#4は名盤だよなあ」なんて身勝手なことを言っていたファンが俺たちだったんだけれど、バンドはそれに対して何かしらの対応を迫られる。

 例えば一緒に大人になっていく、とか。海外市場に目を向ける、とか。記事冒頭にリンクを張ったBUMP OF CHICKENの場合は完全に方向転換の舵を切って今の10代にアプローチをした。

 それに対して凛として時雨が選んだ対応は「変化しない」という意外なもの

 

 それで結果成功したのがすごい。変化したり迷走したりして下火になるバンドが多い中で、同じことを前以上のクオリティで出し続けることで生き残っているのが彼ら。

 タイトルで「ファン総入れ替わりしてない?」と疑問を投げかけたけど、彼らの場合はしてない。BUMP OF CHICKENのケースは大半が入れ替わったと言っていい様態だけれど、凛として時雨の場合は「時雨が1番好き」と当時から熱心に彼らを追いかけていたファンは誰一人手放していないものと思われる。だって変わってないんだもの。

 最新曲なんかはイントロからTelecastic Fake Showのオマージュで始まる。初めて聴いたときと同じくらい衝撃だった。MUSEライクですげえかっこいいですこの曲。

 最後にもう一回だけ繰り返すけど、変わったのは聴いてた俺たちです。11年も経ったらそりゃ変わるよ。でも変わらなかったのが凛として時雨。変わらなかったから新しいファンも過去からの熱心なファンも掴みとれた。これはバンドの一つの理想形なんじゃないかと思います。

 それでは。

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