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楽器の上手い下手って何を基準に言ってるんですか?

大学で軽音サークルに入ってる者です。
最近私の周りにはポルカドットスティングレイ好きなバンドマンが多いです。しかもその人達にとってポルカドットスティングレイは"めちゃめちゃ演奏が上手い"バンドとして位置付けられてるようです。
しかし私にはこの"上手い"がどうもしっくりこないのです。たしかに各メンバー細かいことはやっていますが、個人技をただただ4倍したような、ひねりがあるかと言われたらなんとなくあるようなないような、軽音サークルでうまい人達が4人集まって好き勝手セッションしたのをめちゃいい音で録音した音源がそのままCDになったような、そんな印象を受けるのです。例えばDream theaterのような個人技×人数ではなく、キメの種類や小節数、拍数にまで滲みでるアレンジセンスや音楽的知識が感じられてほしいと思います。
これを上手いと思ってしまった人はある程度いくと上手くなれないような気がして...このあたりいかがお考えでしょうか??
売れるためには変わったもがなく分かりやすい方がいいというのは承知してますが、いまいちバンドをやっている私としては何を聴いて熱くなればいいのかがわからなくて...

 文面からも熱が伝わってきますね。こういうマッシブなおたより大好き。

 今回「『音楽メディア』とかいうもの自体にそもそも無理がありすぎる。助けてくれ。」でみなさまの悩み・疑問のおたよりを募集したんですが、その中でも多かったのがこのお題。「楽器の上手い下手がわからん」というやつです。

 演奏とか歌が「上手い」とか「下手」とか結構な頻度ででてくるわりには、何をもってそう言ってるかわからんですよね。僕も高校生だったころ、レッチリのダニーカリフォルニアをコピーして「なんだフリー大したことないじゃん。ってか俺もしかして凄く上手いんじゃね?」って思ってました。マジ愚か。

 というわけでみなさんの疑問にお答えしていきましょう。

「楽器の上手い下手」は「あの人オシャレ」とほとんど一緒

このサイトではよく「このバンドは曲作り上手い」「このバンド演奏下手」「ライブがな~…」みたいなニュアンスの文面をよく見ますが、音楽ど素人な私はよっぽどでない限り差があまり分かりません。特に曲作りやライブは、何が良くて何が悪いのかの判断基準が分かりません。そこら辺芸術だから人の好みでしょって思っちゃいます。みなさんはその辺の感覚をどうやって育んできたのでしょうか。お願いします。

 おたよりをみているとみなさん楽器が上手いとか下手とかで一喜一憂してるみたいですが、気に病む必要は全くありません。あんなもの「あの人オシャレだよね~」って言ってるのと殆ど一緒みたいなものです。そう、主観です。

 このサイトも、他の音楽雑誌も、食べログも、この世のあらゆるレビューは全て最終的に主観に行きつきます。

「このラーメンはチャーシューがデカい!」

 までは客観的な意見だとしても

「だからウマい!」

 最終的に良し悪しの話になると、主観になります。チャーシューでかくて邪魔だったな…と思う人だっているでしょうし。

 なので「何が良い音楽で何が良くない音楽なのかわからない」という悩み自体がおかしいというか、あなたは他人の意見に依存状態にあるんじゃないかと思います。もっと自分の感性を大事にしていいはずです。友達や恋人までレビューで決めるわけにはいかないですし。音楽も自分の好き嫌いでいいんです。

 ただ山田孝之とかに対して「ダサいなあいつ」と思う人が少ないように、ファッションアイコンとして人気を博しているように、主観でしかないにしろ人間の意見はそう散らばらないのです。特に、オシャレな人や服が好きな人になればなるほど評価はまとまっていくと思います。

 くだんのポルカドットスティングレイ。嫌いなバンドじゃないですし、すごく拙いとも思いません。むしろ上手だなと。でも質問者さんの言う「なんかコピーバンドの延長っぽいな」という感覚。すごくわかります。ライブも見ましたけど、打ち込み音楽みたいでした。僕も、すごく上手なバンドだ!!とは思いません。

 この際、偏見で物言わせてもらいますけど、ファッションにもオシャレ初心者の人たちに人気なブランドってあるじゃないですか。なんだろ、スピンズとか…?音楽で言うところのそういうポジションのバンドだと思いますアレは。

 

難しいことをしている=上手い という誤解

 じゃあ何故ポルカドットスティングレイが学生の軽音サークルの中で上手いバンドとして扱われがちなのか?

 結論としては、音数が多くて難しいことをしているからだと思われます。

 たしかに、技術的に難しいことができる。というのも楽器の上手い下手を決める一つの物差しです。

 ただ、ミュージシャンが評価するミュージシャンほど技術的に難しいことにこだわらないように、本当の上手い下手は演奏難易度の高さではないです。僕は楽器なんか下手っぴですけど、ちょっと難しい曲だって同じフレーズを弾くだけならなんかできると思います。

 むしろ、簡単なフレーズをかっこよく弾く方がずっと難しいですし、そういうことができる人の方がミュージシャンとして需要があります。演奏側の人間は特にそう考える人が多いでしょう。

 ただ、当時の僕のように、楽器を持ったばっかりのコピー盛りの若者はそういう地味でわかりづらいけど本当に大事な部分よりも、フレーズの難しさという派手な要素に目が向きがちです。男はアホなので、野球をやれば変化球を投げてみたがるし、FPSならスナイパーから始めるし、ギターを持てば早弾きをしたがる。ロマンに弱いんです。だから難しさ=巧さ という認識に初心者ほど落っこちるのです。

 もし上手い下手がわかるようになりたいって思うならライブに行きまくったりするのが早いと思います。CDだと補正ができるけどライブじゃ誤魔化しがきかないので。しばらく通えばどれぐらいの上手いのかはわからなくても、ザックリ上手いか下手かぐらいはわかるようになるはず。ライブに行かない楽器弾きよりも、ライブばっかり見てる純粋なファンの方が上手さ下手さをよくわかってると思います。

 

 話は戻りますが、このサイトでも演奏が上手いとか下手とか言ってますが、最終的にはみなさんが聴いたり見たりして感じたものが正解だと思います。演奏が良いらしくても気に入らなかったら、それはそれでいいと思うし、演奏が悪くても好きだったら別になんの問題もないです。演奏が上手いとかライブが上手いとか曲作りが上手いとか色々書きますが、最初に聴くときの指針くらいに思ってるのがいいと思います。演奏が上手いって言ってたらちょっと楽器の演奏聴いてみたりとか、そんな具合で。

 というわけで今回はこのあたりで。引き続きおたより募集してます。みなさんの憤りや忿懣をドシドシ送ってください!それでは!

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