RADWIMPSは最近変わった。
RADWIMPS(ラッドウィンプス)は、日本の4人組ロックバンドだ。
もはや国民的バンドであるが、私は最近彼らを変わったな~と思うことが多い。
そんな見事な意気地なしについて考えていきたい。
今までのRADWIMPS
プラトンは『恋は人を詩人にする』という言葉を残しているが、正にその通りだ。
多くの人が恋に歓喜するたび 、絶望するたびに名言を残している。
vo.野田の書く歌詞は恋の名言集のようだ。
ファンは間違いなく、10~20代であろう。
登場人物を自分に置き換えることで擬似的快感を覚える女性達と、「こんなに愛せるカノジョに出逢いたい」という夢見る男性諸君の心をぎゅっと掴んだのだろう。
『これ聴いてよ!』と若者がイヤホンを預けるのがイメージできるだろう。
理想的の恋愛を『楽曲』という形にしてくれるRADWIMPSが流行ったのはごく自然なことだと思う。
me me she - RADWIMPS
RAD屈指の恋愛曲、me me she、『女々しい』だ。
楽曲そっちのけでコメントを読んでほしい。シラフの状態で読むと結構キツい。
だが、恋愛をしたことのある血の通った人間ならなんとなくわかるんじゃないだろうか。
大小あろうが、別れた瞬間は本当に世界が終わるんじゃないかってぐらい絶望するだろう。
し、しない?お前の血は緑色だ!!このヒトデナシ!!
『恋は人を詩人にする』のである。
楽曲面で言うと、リードギターの繰り返されるシーケンス的なフレーズが印象的だ。
とにかく歌詞を聴かせたいとの思惑が垣間見える。したたかである。
アルトコロデーの変化
彼らのアルバムタイトルを見てほしい。
1st RADWIMPS
2nd RADWIMPS2 ~発展途上~
3rd RADWIMPS3 ~無人島に持っていき忘れた一枚~
4th RADWIMPS4 ~おかずのごはん~
5th アルトコロニーの定理
6th 絶体絶命
7th ×と○と罪と
見ればすぐわかると思うが、5thアルトコロニーの定理あたりから、それまで続けてきた表記を変えている。
もう有名になったからいいや。と思っただけかもしれないが、私は5thから『もう今までの俺らじゃないぞ。』という強い力を感じる。
おしゃかしゃま - RADWIMPS
アルトコロニーの定理より、 RADWIMPSの曲の中でも完成度が高く、ファンの中で最も人気の高い曲とされている。
宗教的だ。このアルバムを境に、恋愛関係なしに死生観について書くことが多くなってきている。
そして、『絶体絶命』
私はこのアルバムがRADWIMPSの中で最高傑作だと思っている。
カントリーチックな曲もあれば、聖歌をフィーチャーした楽曲も見られる。
楽曲の構成が非常に凝っている。演奏技術も格段に上がっている。
3.11との繋がりばかり関連づけられて、楽曲に話が及んでいないことが多く非常に悲しい。
狭心症 - RADWIMPS
理想の恋愛に自己投影させてくれた彼らはどこにいったのだろうか。
世界に蔓延る痛みについて終止歌っている。結論なんてないし、ましてや光もない。
重々しいグルーブが楽曲を支配している。
この楽曲を『これ聴いてよ!』とイヤホンを預ける若者がいたら相当である。
そして、これである。
五月の蝿 - RADWIMPS
私はドラマーがどんな曲も楽しそうに叩いてるのが一番怖い。
己が醜さ恥じて しゃれこうべを垂れ 名前より先に「ごめんなさい」を口癖に 今日まで生きてきたのに馬鹿みたい
君を見てるとまるで 自分が世界一汚れなき人間に思えてきたりもするんですが
あいにくそんな遠回りせずとも僕は僕を大事にできるからもういらないよ
もう恋愛だけ歌って好かれたくない。
という熱い気持ちが伝わってくるのは私だけだろうか。
恋愛の綺麗な面ばかりを歌ってきた自分に疲れたのか、ファンのアホさに愛想をつかしたのか、それは本人にしかわからないとして、今までのRADではないのは明白である。
恋愛だけ見ても『五月の蝿』のように汚い面があり、世界も『狭心症』のように汚い。
でも隣にいる人を愛するということは尊いぞと、そう言っているんじゃないだろうか。
RADWIMPSは、アルバムごとに心情的、人間的な変化を感じることが出来る素晴らしいバンドだと思う。
これからどんな変化をしていくのか、非常に楽しみだ。
最後に私が一番好きな楽曲で締めようと思う。
ハイパーベンチレーションだ。
Youtubeでまともに聴けるのがこれしかないので許してくれ。
動画になっている『デビルサバイバー2』もとても良いのでオススメだ。
「夜桜四重奏」「 デュラララ!!」で知られるヤスダスズヒトがイラストを担当している。
おしゃかしゃま直系サウンドだが、この曲が一番好みだ。
この動画では最後まで聴けないが、
僕に羽根が生えたところで 少し経てば飛ぶのも飽きて
そのうち寝るのに邪魔になって 君を呼んでもいでもらうの
という歌詞が出てくる。
綺麗な恋愛の曲を書いて評価されたけれど、それに飽きて、『君』を呼ぶため新曲で汚い部分を見せ、その評価で羽根をもいでもらおうとしているのかもしれない。
考えすぎだろうか。
また次の記事でお会いしよう。