映画から飛び出した架空の無国籍バンド YEN TOWN BAND
9回目。 YEN TOWN BANDだ。
YEN TOWN BAND(イェン・タウン・バンド)は、岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』の劇中に登場する、架空の無国籍バンドだ。
ボーカリストは、劇中でグリコ役を演じたCHARA。プロデューサーは小林武史。
なんというコラボだ。
『スワロウテイル』の話をしたほうがいいだろう。
『スワロウテイル』は、「イェンタウン」という日本語、中国語、英語の混ざり合う空間はアジアンテイストな異国情緒溢れる街に住む人々のお話。この『雑多な町並み感』はボカロPトーマ(tohma)の世界観に近いように感じる。
そんな街で、ふわっと生きるやつもいれば、上昇思考のやつもいる。
CHARA演じるバンドのボーカル、グリコは上昇志向なやつの一人だ。
そんな彼女らが映画から飛び出して出した音源がこれだ。メルティングポッドな街並みを表現してか、コロコロ曲調が変わる。
バンドとしては企画物に分類されるのだろうが、邦楽・洋楽問わずトップレベルの音楽だと断言する。素晴らしい。
今溢れかえっているインスタントミュージックじゃない。
こういうちょっとダウナーな曲にこそ小林武史の良さが出ていると思う。やりたいことをやっている感じが伝わってくる。
小林武史は他の映画『リリィ・シュシュのすべて』や『深呼吸の必要』でも素晴らしい楽曲を提供しているが、この音源も手抜き無しだ。
映画『スワロウテイル』のファン、Charaのファン、小林武史のファンは、買いだ。
洋楽チックな雰囲気もあり、レトロな感じもする。
中古でアホみたいな値段で売っている。こんなにいいCDがこの値段だと思うと悲しくなってくる。