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2016/02/17

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SEKAI NO OWARIが新曲 ANTI-HEROをリリース。どうなのこれ。

 音楽以外の部分で良くも悪くも話題沸騰。ファンも多ければ敵もめちゃくちゃ多い音楽ユニットSEKAI NO OWARI。
しかしまぁ。憎まれっ子世に憚るとはよく言ったもので、アンチとファンがネット上で血みどろの殴り合いを行っているうちに上手いこと安定した地位までのぼりつめてしまった彼ら。(というか深瀬とさおり)
「"SEKAI NO OWARI"には"NO WAR"が含まれている」
とは何だったのだろうか、君らのファンめっちゃ好戦的やで。

 そんなセカオワが新曲をリリースしたそうな。これは聴くしかないだろ。さっそく行ってみよう。

 どうだろうか。せっかくなので今までの印象を引っ張らず、まっさらな気持ちで聴いてみてほしい。

 

 僕は、まぁ、相変わらず苦手だ。
 でも彼らなりにやりたいことがあるんだな、と思わされる曲だ。それに今の彼らじゃないとやれない曲でもある。

 

がんばってる

 ところでみなさん初期のセカオワは聴いたことがあるだろうか。

こんなんだった。売れてるには売れてたはずだが、他を出し抜くような要素は特にない割に見てくれのケレン味だけは強烈で、「メンヘラ感プッシュのポップバンド」そんな様相だった。

 それと比べると新曲ANTI-HEROはポップ感がかなり削がれている。余裕のなかった下積み時代にはやっちゃいられない曲だろう。悪い言い方をするなら、人気の上にあぐらをかいてこそできる曲だ。
 前編英語歌詞のラップ調で進行し、サビとその前に落差がほぼない。こんな曲、今からガンガンに売れてやろう!という野心に燃える若いバンドにはリードトラックとして前に押し出したりはできないだろう。

 だが、いくら人気絶頂で何をやっても信者が肯定してくれる境遇にあるとはいえ、こういう曲を打ち出すのはなかなかに勇気がいることだろう。

 

なにがしたいのか深瀬は

 結論から言うに、洋楽をやりたいんだろう。
 歌詞が英語だから、とかそんな安直な部分ではなく、6連符のピアノが鳴るボーカルレスの部分をテーマ部として配置し、繰り返すことで聴いている側の耳を惹こうと試みている部分であったり、リフレインで淡々と進む伴奏であったりと、今の日本のシーンにまだなじみのない音楽。言葉を選ばないならば「日本人には難しい」音楽をやっている。

 端々から感じる拙い部分から、そんな高尚な音楽には聴こえないかもしれないが、やっていることは今の邦楽よりも一歩進んでいるのは確かだ。洋楽が邦楽の上位互換だとするのなら、だけれど。

 思えば前回話題になったドラゲナイもあの「テーレレレ!!」とコケティッシュなシンセから始まるインスト部分がテーマ部のEDMだ。他の部分が(fire birdの発音とか)気になりすぎて誰も触れないが、4つ打ちのバスが倍々になってく部分は冗談のようにEDM。

 

 ちゃっかり英語verまで出して、やっぱり海外進出を狙っているようだ。しかし気になるのは長々とした英文の動画説明文の冒頭部分。

SEKAI NO OWARI Profile

SEKAI NO OWARI is one of the most popular and skilled creative group in Japan right now.

In English, SEKAI NO OWARI means “end of the world”.

SEKAI NO OWARI is one of the most popular and skilled creative group in Japan right now.
(SEKAI NO OWARIは今や、日本で最も有名かつ創造技術に長けたグループです。)

 ワオ。そうだったんかいな。知らなかったぜ、もしや僕は日本人じゃないのかな?
 海外にでも宇宙にでも好きなとこに行ってくれて構わんけれどムチャクチャ言うのはよせ。ツイッターのプロフィールじゃねえんだぞ。メリケンが見るんだぞこれをよ…

 

 しかしMVの演出や歌詞は、日本人にとってはちょっとファンタジックすぎ、話の規模デカすぎ、そもそも何だよドラゴンナイトって、説明しろよ、そんな感じだったが、アメリカのみなさんにはこんぐらいがちょうどいいのかもしれない。向こうは派手で大袈裟なMV多いしね。

 こう、海外のクラブシーンでMAROON5とかAviciiとかの流れでドラゲナイが流れるのを全く想像できないが、きっとこういう方向でいきたいんだよな。だよな…?

 

終わりに

 さりげなくボーカルと同列で鳴るリードギター、2度目のサビであえてそのままのオクターブ、6連のピアノテーマ、と面白い部分はたくさんある。なによりこの日本でメインカルチャーたり得てない音楽を「セカオワの曲だし」と多くの人がちゃんと聴くこと自体が面白い。

 それだけに、当人曰く「いっぱい練習した」らしい英語発音や、月並みなメロディ並びのラップパート。そして全く韻を踏まない英詩が残念極まる。英語圏のひとけっこう気にすると思うよそれ…

 しかしこれを皮切りに日本でもポップシーンやバンドカルチャーがEDMっぽい流れになれば、邦楽は一歩アメリカの音楽に近づくことになるだろう。

 

 海外にかぶれるのが良いことか悪いことかは、別としてだけれど。


 

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