インタビュー、好きなバンドのすら読む気起きなくないですか。
ありがたいことにこのサイトでもインタビューさせてもらう機会が増えて、この記事を書いている今まさにインタビューへ向かう2時間前なんだけれど、正直インタビューって読むの大変じゃないですか?一同笑、じゃないんだよ。何笑ってんだよ。誰の笑顔だよ。こっちは誌面の前で無表情だよ。読めば読むほど読む側とインタビュアーの距離感が事故るばかり。
インタビューって、闇の産業だと思うんです俺は。知ってますか、音楽のインタビューってでかめのネット媒体だと20万から30万、紙媒体だと50万だの期間契約100万だのメディア側が受け取って敢行されてんですよ。みなさんが3食冷凍パスタ食って浮いた食費でやっとこさ買ったCDの利益からその金額が捻出されてるわけですよ。凍ったままのパスタで殴れ、ロッキンオンジャパン本社を。
世の中に稀にある誰もあんまり得しないのに金銭だけ動く謎産業の一つが、そう音楽インタビュー。需要で言えば愛子さまの宿題が大変であらせられる報道と同程度。チケット転売の方が僅差で上。マジで。
考えてもみてほしいんですけど、好きなバンドのインタビューすらなかなか読む気にならないのに、そのバンドの非ファン未ファンが読むと思いますか?
「わ、知らないバンドのインタビューだ!気になるなあ!一万字、700円払って読んじゃおっ」
なるわけねえよな。こんな頭の悪いやつ、お小遣いを自由に使える齢になる前に何らかの事故で死ぬだろ。そう、だーれの為にもならない。ファン一人も増えない。絶対増えません。
なぜこんな産業が成り立つのか?そこんところ説明しようと思います今回は。
「なんか盛り上がってる感」が欲しい
バンドって、ファンに連絡することがないんですよ。できることと言えば
・ライブの告知
・CDの発売告知
・メディア露出告知
ぐらいなもんで、本当に言う事がないんですよね。
さっきも書いたように、新規ファンには全く無意味に近いのがインタビュー記事なんだけれど、逆に言えば既存のファンには一応
「俺ら、盛り上がってます!」
っていう感じを出せるんですよね。実際、レーベルから予算でないと大手メディアでインタビューなんて簡単にはできないから盛り上がってるバンドにしかできないのも事実。
逆にインタビューとか受けないと、バンド側はリリースに向けて発信する情報がなかったり、言葉で言いたいことが言えなかったりするわけで。
なので、インタビューって読者・ファンの為のものというよりは、バンド側の為のコンテンツという意味合いが強いんです。
あとロッキンオンジャパンは写真集として購買されている説が濃厚。文字読まれてない。BUMPが表紙の回だけ20円高いという都市伝説もあります。各自調べてみてください。
インタビューはどうあるべきか
して、インタビューが読者の為のものではない!というのは十二分に伝わったかと思いますが、じゃあインタビューってどうあるべきなんでしょうね。
各音楽雑誌社だって小学生が作ったわけじゃないので、どういう形態が一番儲かるかを模索していった結果が今の「誰が読んでるかわからない謎一万字インタビュー」っていうスタイルに落ち着いたんだろうけれど、それじゃあまりにもしょっぱい。
散々ロッキンオンを下げて評したこの記事なんだけれどよく言われるように刊行当時はめちゃくちゃ面白かったらしいです。洋楽のアーティストにインタビューしたいけど、もちろんできないから「こういう質問したら、こう返ってくるんじゃないか」っていう100%妄想絞りのインタビュー掲載してたりしたそうな。
ちょっと前に90年代のバックナンバーを読んだんだけれど冒頭からアーティストに喧嘩売っててすごく面白かったです。金貰ってこんなことやってたらそりゃアーティスト側に嫌われるわと納得の内容。でも読む側からするとどうしようも面白いんですよねそういうの。
無暗に喧嘩を売ればいいとは全く思わないけれども、せめて読む気になるための引っ掛かりがあった方がいいと思うんですよね。
「さて、一年ぶりのアルバムですが。前作と比べてどのような変化がありましたか?」
宿題やってんかお前は、と。
そもそも人間は文字で音楽の事詳しく説明されても興味を持てないっていう前提をわかった方がいいんじゃないかと。
ともかく、好きなバンドのインタビューすら読むのに抵抗を感じちゃうような今のインタビュー業務周りは間違っていると思います。
そんなわけで、ちょうど時間なのでインタビュー行ってきます。
それでは。