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最近良いバンドいないなあって思ってる人にKOTORIを聴いて欲しい

 正直な事を言うと本当に最近取り上げるバンドに困っている。バンドシーンが無風。凪いでいる。

 第一線、メジャーシーンのバンドはもう2年ぐらい変動がないし、次に来そうなバンドを探してみているけれどどれもいまいちピンと来ない。

 ピンと来ないならまだしも貶す程悪くもなく、例えばおいしくるメロンパンのように聴いて2秒でアレルギーの出るような強烈な拒絶反応が出るバンドもなかなかおらず、天才も問題児もいない平坦な学年だなあというのが最近のバンドシーンの実情だ。

 なんだけど、表題に挙げたKOTORIというバンド、名前の女々しさからIndigo la Endを女性ホルモンで腐らせたようなバンドかと勝手に思い込み聴かず嫌いをしていたんだけれど良い意味で見事に裏切られた。小鳥というより猛禽類な4人。めちゃめちゃメンズ。

 個人的には久々のヒット。もう知ってる人も多いバンドだとは思うけれども今更ながらご紹介させてください。

 東京の良いところだけ切り取ったようなMV。これみて上京とかしたらめちゃくちゃ落胆すると思う。地方の人は気をつけてください。

 今My Hair is Badを筆頭に大ブームのTHE NINTH APOLLO系列のレーベル、small indie table所属のバンドなんだけど、良い意味でナインスの匂いが全くしない。

 ナインスと言えば、ライブがアツくて男気に溢れるバンドが多くって、ガールズバンドであるyonigeとかHump Backとかですらも義理と人情!ライブは戦場!そんなノリ。

 かたやKOTORIはというと、ライブがアツいっていうポイントは押さえてるんだけれど、他のバンドと比べるとギターワークが凝っていたり、歌詞やアートワークの雰囲気もちょっと落ち着きのある都会な感じで、他のバンドにない感性をもったバンドだなという印象。

 

 勢いで押し切る楽曲よりも、ゆっくり聴かせる曲が多い。バンド音楽ってどうしてもハイテンポなノリを求められる事が多いんだけど最近は逆にこういうアプローチをするバンドが増えてきた。

 サウシードックとかなんかもそうなんだけど、そもそものメロディが良くないとバラードって成り立たなくて勢いのある曲よりも難易度が高いはずなんだけど、メロディセンスが良いから聴けちゃうし、一回聴くとサビが頭から離れない強度の高いサビをしている特にこの曲は。

 

 年齢もたしかまだ二十歳そこらだったはず。若いバンドってどうしても愚直になりすぎたり拙かったりするところが見え隠れするんだけどKOTORIにはそういう部分が全く見えない。この年で、完成してる。

 

 もう二年前なのかこれ。これなんかは若々しくて「あ、若いバンドだ!」と良い意味では瑞々しくて、悪い意味では拙いんだけど、ここから短期間で急成長を遂げたなあと。明らかに最近の曲は垢抜けている。

 この曲が一番有名みたいなんだけど、これを聴いてそれで通り過ぎてしまった人も是非今回をきっかけに他の曲も聴いて、良かったらライブも見てくれたらと思います。

 応援するに不足ない有望なバンドです。是非に。

 それでは。

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