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邦楽オルタナティブ好きなのにルミナスオレンジを知らないのはもったいない

ルミナスオレンジというバンドをご存じだろうか?
1992年結成。
当初は女性4ピースバンドであった。
その後何度かのメンバーチェンジ後、2002年以降は竹内里恵のソロプロジェクトとなり現在でも活動を続けている。

ジャンルとしては主にシューゲイザーのくくりで語られることが多い。
そもそもバンドが始まったのがオリジナルシューゲイザーの急先鋒、ペイルセインツにインスパイアを受けたからであり、シューゲイザーのサラブレッドたる血を受け継いでいるといって過言ではないだろう。

ザックリとこんな感じのバンド。
さて、こんなルミナスオレンジだが、もしかして知らない人がいたらもったいないんじゃないのかというのが今回の記事である。
ナンバーガールやブラッドサースティーブッチャーズといった邦楽の裏側を連綿と続いている、いわゆる邦楽オルタナティブの流れ、そしてスーパーカーやコールターオブザディーパーズといった邦楽シューゲイザーの流れ、どちらから回ってきてもかなり重要なポジションにいるバンドではあるのだが・・・

人間というものは意外と知らないものは知らないものであるのだ。誰でも知っているような漢字を、例えば「下火(したび)」を”しもび”とナチュラルに勘違いしていたりとかそういうのがあったりする。僕は最近ブルーノマーズを知らなくてクソバカにされた。
なんかの拍子で知っているものがあれば何かの拍子で知らないものもあるのだ。

そしてどうやらこのルミナスオレンジというバンド、潜在的に好きになる素質がある人間の多さに、バンドの認知度が比例していない様子である。
ということで今回はルミナスオレンジ、邦楽オルタナティブ好きにはもちろん、シューゲイザー好き、渋谷系好きも多分いけるし、むしろそういうのを一切かじってなくても是非聞いてほしい。

めっちゃ良い

ではルミナスオレンジはこうこうこういう音楽性で・・・
と行きたいとこなのだが、このバンド、何しろキャリアが長い。
1992年に竹内理恵が「おっしバンドやるぞ!」と結成してから実に24年間、その時生まれた赤ん坊は今や大学を卒業し初任給で親に美味いものでも食わせて、そこから一年ちょっとたって職場に後輩ができて・・・みたいな年月である。リリースされたアルバムは7枚、ミニアルバムとか含めるとさらに増える。
そんなもんを一言で済ませようという方が難しいものである。

ここはある程度僕の独断と偏見で、まずコレから聞いてほしいなというやつから紹介していきたいと思う。


Luminous Orange - Drop Your Vivid Colours

こちらは2002年にリリースされたアルバム”Drop You Vivid Colours”の表題曲Drop You Vivid Coloursである。
ヒステリックなリードギターにエレクトロニカ的なアプローチが特徴の一曲。

ルミナスオレンジの音楽性を形容する際にはよく「複雑なコード感、不協和音、変拍子」などと言われるが、この曲はそれらの要素が多少マイルドになった時期のものだ。
シューゲイザーファンが喜ぶギターの壁にポップなボーカル、フェミニンな世界感といった要素があって、引っかかる人は一発でハマると思う。

またアルバム”Drop You Vivid Colours”も全体を通してこの曲のような世界観になっており非常におススメ。

 


Luminous Orange - Walkblind

マイブラッディバレンタインのYou made mr realiseのルミナスオレンジ的解釈といったような曲だ。
先ほどの「複雑なコード感、不協和音、変拍子」といった特徴が良く出ている。

この曲自体は初期~中期マイブラっぽいが、この曲が収録されているアルバムluminousorangesuperplasticはマイブラというよりは、ルミナスオレンジが活動を開始するきっかけにもなったバンド、ペイルセインツからの影響が強い。
アルバム2曲目のWhat you've doneの加速したパートから急にて急にスピード感を落とすところや、つながらないシーケンスをブレイクで無理やりつなげたりするのとか、ペイルセインツからの影響がモロにでていて、ファンは思わずニヤリとしてしまうだろう。

 


Luminous Orange - Every Single Child

2008年のアルバム、Sakura Swirlからの一曲。
爽快感のある演奏に独特の歌い方が相まって渋谷系に通ずるところもあるよな。
ちなみにこの曲のキレッキレのドラムはナンバーガールのアヒトイナザワによるもの。後述するが、ルミナスオレンジは特性上ゲストミュージシャンやサポートミュージシャンを沢山起用するんだけど、それがまた豪華なんですよ。

 

豪華な参加メンバー

ルミナスオレンジはソロプロジェクトということもあってレコーディング・ライブ時にはゲスト・サポートミュージシャンが起用される。

キャリアの長さや、シーンでの立ち位置、ミュージシャンズミュージシャン的な側面があるからかこれまたやたら豪華なメンバーが集まっている。

中尾憲太郎(B) - ナンバーガール,Crypt City,ART-SCHOOL,SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HER,younGSounds,SPIRAL CHORD,SLOTH LOVE CHUNKS,タイガン,SLOTH LOVE CHUNKS, SPIRALCHORD
石田千加子(cho) - CONDOR44
アヒト・イナザワ(Dr) - VOLA & THE ORIENTAL MACHINE, ナンバーガール, ZAZEN BOYS, BEYONDS
小林愛(G,cho) - toddle, swarm's arm
平井直樹(Dr) - ex.oak, ex.BOOM BOOM SATELLITES, 現Jackson vibe
江崎典利(B) - toddle, ex-RUMTAG
渡辺成徳(Dr) - mash
鈴木正和(G) - mash
箱崎美奈子(G) シンガーソングライター - minakumari
石下泉(G)-human station
吉兼聡(G) - ZAZEN BOYS
Ian Masters(key,B,cho,saw) - ex-Pale Saints

独断と偏見で有名そうな人をピックアップしたんだけど、どうですかこの顔ぶれ。
特にナンバーガールからのアツいサポート。
あと向井秀徳と田渕ひさ子を集めたらフルコンプ。ナンバーガール再結成できますからねコレ。

シレっとルミナスオレンジあこがれのペイルセインツの中心人物のイアンマスターズもいるし。こんなのNARUTOでいうと火影様とスリーマンセル組むようなもんよ。

参加メンバーによって演奏の変わり具合を楽しんだりできるのもルミナスオレンジの魅力の一つだろう。

 

いかがだっただろうか?

どうですかルミナスオレンジ。
人それぞれ好みは違うけど、ハマる人はとことんハマるタイプの音楽だと思う。
参加メンバーやシューゲイザーの系譜的な音楽オタク的に面白い側面と、ディープに作りこまれたフェミニンでビビッドな世界観といった側面。良いバンドだと思うんですよね。

キャリアの長いバンドはなかなか手を出しづらい時もあるが、ルミナスオレンジに関しては今回紹介した内の気に入った曲が入っているアルバムから入門するといいと思う。それかベストアルバム。

では今回はこのあたりで!

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