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2015/09/19

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邦楽でにわかなブーム 女性ささやきボーカル特集

 女性のささやき声が嫌いな人間なんて、いるのだろうか。

 洋邦問わず、シューゲイザーやアンビエント、ドリームポップ等なら男女問わず一般的なささやきボーカル、いわゆるウィスパーボイスだが、それらのジャンルの音楽が邦楽自体に少ないこともあり、邦楽ではあまり一般的でなかったウィスパーボイス。これをサブカルチャーの間で一般化させたのがご存じ

 相対性理論、やくしまるえつこだろう。

 それ以前から渋谷系とかカヒミカリィとかいただろ!と言われもしそうだが、ここはまぁ、わかりやすい例として彼女がランドマークということで一つ。

 そんなわけで彼女以降からポツポツと見るようになった女性ささやきボーカル。
上でウィスパーボイスと言い切ってしまったが、洋楽でよく聴くウィスパーボイスと今回取り上げる「ささやき声」では発声が明らかに違い、日本独自のムーブメントとなりつつある。

 繰り返すが、かわいい女の子のささやき声が嫌いな人間なんて、いない。
これは聴くしかあるまいよ。

DAOKO

 18歳。そうやって年齢で周囲にプレッシャーをかけるの、やめなよ。30台手前のバンドマンで中央線が止まるよ。

 ささやき声でラップ。黒人が相撲をとるようなもんだ。強いにきまってる。
 音程を取ったり取らなかったりで、不安定な語り口調のように聴かせ、か弱い女子的危うさを演出している。自分の強みがわかってるタイプの女の子だ。散々男を振り回しておいて「え?私彼氏いるよ?」みたいなことを平気で言うタイプ。そうにきまってる。

 

ハナエ

 21歳。バンドマンのメジャーデビュー平均年齢が泣いている。

 音楽的には別物だが、大昔の椎名林檎のケレン味を感じる。昭和歌謡・レトロ趣味、で女性ボーカルとなるとドラ3役満。どうしても椎名林檎が引き合いに出されてしまう。モンゴル人が相撲強くてもドルゴルスレン・ダグワドルジ、朝青龍の影がチラつくのと同じだ。
なんで僕は相撲の話ばかりしてるのだろう。

 憚られる顔の話だが、この手のアーティストは顔が可愛くてもあえて顔を出さないイメージ戦略に走ることが多く、僕もそれが正解だと思っている。顔が見えなきゃどこまでも可愛いもんだと想像するからね。妄想は青天井だ。
しかし彼女は思いっきり顔を出している。かわいいのはもちろんだが、画になる顔をしている。そこらへん視覚情報が大事な昨今の音楽シーンには強いと言えるのではないだろうか。

 

ラブリーサマーちゃん

 宅録女子正統派。何歳だっけ、彼女も若い。なにが才能だ。相撲なら僕の圧勝だ。

 曲を出すたびにメリメリクオリティが上がっていってる。ホラーだ。
かといってランキングに精神をヤられたボカロPたちのようなスレ方もなく、バンド形態を根底にトラック数の制約のなさを武器に好き放題な音楽を作っている。かっこいい。

 宅録出身者は曲の生産ペースが早く、それだけ習熟も早い。故に彼らはなんらか非凡極まった形で完成されることが多い。
若くしてこの才能。彼女が中村一義に七尾旅人になる日も遠くはなさそうだ。

 

さよならポニーテール

 通称さよポニ。これは今回の括りに入るのだろうか、微妙な所だがせっかくだから入れておこう。

 さよならポニーテールは5人のボーカルの裏に7~6人のデキるオッサン。そんな構成のポップグループ。形態で言えばアイドルとかの方がしっくりくる布陣だ。上記の数名と明らかに違うのは複数名のボーカルが合唱している点か。
 そして楽曲の完成度がハンパじゃない、しっかり製品音楽をしている。映像もユニットの方向性もカッチリ隙がない。

 プロの遊びだ。プロは遊ぶ時も本気だ。

 

ボンジュール鈴木

 アミーゴ伊藤、パンチ佐藤に続く三銃士の一人。ボンジュール鈴木だ!!死にたい奴から前に出やがれ!!

 宅録ヒップホップ女子、ラップというよりヒップホップトラックの上での歌唱、それが彼女の持ち味だろう。
 歌い方も、まるえつよりもChara寄り。シンプルに聴こえるトラックだが、パートごとにちゃんと細かく変化がついておりメロディパターンも多い。ポテンシャル高い。

 

まだまだいるけど

 フレネシや泉まくらなど、紹介したい人たちがたくさんいるが、それはまたの機会にしよう。

 勝手な妄想だが、この歌唱法が増えだしたのは宅録をやってる女の子が「家でも手軽にボーカルが録れる」というところだろう。
 日本は狭い。隣人との物理的な距離も近く、自宅でまともに歌えばアパートの管理会社に苦情の電話が殺到するのは目に見えている。そんな状況で家で手軽にトラックを録って消して、とできるウィスパーボイスは宅録をやってる人間にとっては強い味方だろう。

 歌い方が似通ってるだけで同じくくりにされがちだが、彼女たちそれぞれに強烈な個性があり、同じジャンルとして括ってしまうのはもったいない。
 なんなら、邦楽ロックのボーカルの方が似たり寄ったりだろう。違って聴こえるのはなじみ深いからだ。どこのインドカレーを食べても同じ味に感じるのと同じ理屈だ。毎日いろんな所でカレーを食べてればそのうち違いや良し悪しもわかってくる。毎日カレー食ってる僕が言うんだ。信じろ。

 癒し成分の多い彼女たちの音楽。ロックに疲れたら是非寄り道してみてほしい。

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