「お父さん、家族で出かけるときにハードロックはもうやめて」
週末。
久々の家族での外食。
父の車に乗り込む家族一同。
流れるカーステレオ。
うるせーッ!!
今の若者の親世代というと40~50歳くらい。
ハードロック世代直撃だ。
となれば父の車に乗るたびにハードロック。
そりゃフォントも大きくなりますわ。
というわけで今回はハードロック世代の頑固オヤジに、無理やり最近の音楽を聴かせてやろうという試みだ。
そう、無謀だ。
果たして音楽は世代の壁を超えることができるのか。
策その1 順を追って少しずつ新しい音楽を聴かせてゆく
60年代ハードロックから70年代、80年代… といった風に、60年代の孤島に取り残されたオヤジのセンスを少しずつ現代に寄せてゆくわけだ。
一見死角のない完璧な策のように思えるが、この策、致命的に時間がかかりすぎる。
オヤジが50年の時を駆け昇るのが先か、寿命が来るのが先か…
よしんばオヤジのセンスがあなたのセンスに追いついたとして、追いついたころにはあなたもオヤジ or ババア。
ミイラ取りがミイラ、の構図。
時間の流れは残酷だ。
どうやら正攻法では何ともならないようだ。
オヤジを早急に現代に引き戻すには何からしらの奇策が必要と見える。
というワケで今度は親父が大好きな物をとっかかりに攻めてみよう。
「一口にオヤジって言っても、世の中には個性豊かなオヤジがひしめき合ってるわけでオヤジの組み合わせは無限大… そんなオヤジ∞たちが共通して好きな物なんて果たしてあるのか…?」
策その2 ギャルで釣る
ギャルだ。
オヤジは原則的にギャルが好き。まぁギャルは原則的にオヤジが嫌いだろうけども。
そこでSCANDAL。
プログレとギャルをこよなく愛する友人のF曰く
「SCANDALの音は下半身に響きやがる」
響きやがるそうだ。
PVの内容も社会人あるまじきロングヘアとOLルックの組み合わせ。
こんなもの、もうPVでもMVでもなくA…
いややめておこう。
だめ押しでSilent Siren
B…、いや人と違う嗜好をお持ちの殿方にはSHISHAMO
これでバッチリだ。
しかしとりあえず最近の音楽を聴かせるという目標は達成できたものの、これではディープパープルのエンドレスリピートがスキャンダルのそれに取って代わるだけだろう…
策3 能年玲奈ちゃんが好きな音楽を勧める
「これ"あまちゃん"の能年玲奈ちゃんも好きなんだよ!」
「ほう、あの能年ちゃんが…」
とりあえずのとっかかりを能年玲奈ちゃんに頼り切る形だ。
そこでオヤジが少し興味を持ったところに
「これも」
…
まぁ、だめだろう。
能年ちゃんは趣味が尖りすぎている。ピンクフロイドが好きってもう能年ちゃんがオッサンだろ。
策4 二世アーティストを聴かせる
オヤジたちに馴染み深い有名芸能人の息子、ということで
「まぁ聴いてみるか」
と思わせる作戦だ。
「ベースがダウンタウンの浜ちゃんの息子だよ」
「似てる…」
「桑田の息子」
「似てる…」
「古舘伊知郎」
「似てない…」
だめだ。似てる似てないの話に終始してしまう。
RIZEなんか持ってきた日には
「え?だれがだれの?え?」
とその場が混沌とすること請け合い。
聴いてもらうための入口には良いが、出口がないので袋小路だ。やめやめ。
無理でした。
無理でした。
ここまで読んで頂いた方に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
しいて言うのならば、2のギャルが一番現実的かな、と思う。
実際おじさんたちギャル好きだしね。
お父さんの音楽の趣味にお困りのみなさんは、とりあえずスキャンダルのMVをリビングで放映するところから初めてみてはどうか。
そんなこんなで今回は特に解決策が見つからなかったので早急に切り上げたいと思う。
言い逃げだ。
それではまた次回。
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