音楽チャートの終焉...winnerは存在しない
さて、今年もそろそろ終わるが今年の音楽業界はどんなニュースがあっただろうか、人それぞれ意見はあると思うが私はMr. childrenのCDチャート初登場一位記録が途切れたことであろう。なんだ、そんなことかと思うかもしれないが、詳細を見ていくとCDが売れない糞みたいな時代の実態がよくわかる。ミスチルとか興味ねえよと思う方もまあ読んでいって欲しい。
ミスチルの売り方
まず、今回のシングルでMr. childrenは、20年に渡って守り続けていたCDシングル初登場一位記録を破られた。相手が誰であるだのなんだのはひとまず置いておき、ミスチル側の売り方を見てみよう
- 完全1種類(初回盤、特典違いなど一切なし)
- 特典なし(本当に何もついていない、強いて言えば歌詞カード)
- 発売前にPVフル公開
清々しいくらい何もない、鬼のようなアイドル商法が蔓延り、B`zでさえ似たようなことをやりだすこの時代に完全一種とはもはや天然記念物である。
誰に負けたのか
んで?その天下のミスチルさんが誰に負けたのよと思った方、みなさんも大体お察しの通り負けた相手はアイドルである。しかも3倍近くの差を付けられて。まともなアーティストに負けただけなら私も音楽チャートの終焉なんてタイトルは付けない、ミスチル落ち目だとかそんなタイトルを付ける。しかもさらに相手が悪い、アイドルはアイドルでも嵐やSMAPのようなベテランアイドルではない、同じジャニーズでもデビュー三年目でまだまだ新人のSexyzoneというユニットである。
退屈なヒットチャート
では、なにが音楽チャートの終焉なのだろうか。
落ち着いて考えてみて欲しい、まだ新人のジャニーズの一グループが30万枚もの枚数を売り上げ、邦楽トップクラスの売り上げを誇るミスチルをボッコボコにして勝てるという事態が問題なのである。
もちろんジャニーズ側がまともな手段でCDを売っていたと思う方はいないだろうが、ここで紹介しておく。(音楽について書く地下室TIMESでこんな下劣な商法についてあまり書きたくはないが...)
- CD8種(通常盤+DVD別4種+メンバーのスペシャルボイス入り三種)
- ミュージックカード12種(6枚購入でメンバーとのハイタッチ会に参加できるかもしれない抽選に参加できる)
- その他同時購入でクリアファイルetc...
これはさすがに酷い、20種類、あるいはそれ以上である。
特に苦言を呈したいのはこのミュージックカードという奴である、なんと300円ちょいで曲がダウンロードできるという画期的な物(笑)である。なんとこれ、オリコンではCD1枚の売り上げとしてカウントされるのである、何ともおかしい話だ。
12種も絵柄違いがあるので集めたくなる上に、6枚買うとメンバーとハイタッチできる(かも)、止めに300円という値段の安さからCDよりもたくさんの枚数を買えるという商法である。なんと恐ろしい、向こうもデビュー三年目の節目だったとはいえこの事務所のやり方はあまりに酷い、誰も得しないやり方である、sexyzoneも事務所のせいで叩かれ、ファンも金を無駄に使い、ミスチルも記録を潰される、みんな損をしている。
実際、このCDは初週10万枚を切っており30万枚の記録の2/3はこのカードによる物である。ここまでくるとCDチャートですらない。
youtube世代
これがそのアイドルにボロ負けした曲である。正直悪くない、バンドバンドしすぎないミスチル流バンドサウンドと言った感じで終わりなき旅を彷彿とさせる。名曲!!!!!!と言ったほどでもないが決して悪くはない。個人的にはベースラインの動き方がかっこいいと思う。
ところでこの再生数を見て欲しい、ダブルミリオンである、大ヒットである。もちろんファンが発売前に再生しまくったこともあるのだろうが、これはyoutubeで聴いて済ませる層の多さを示しているのではなかろうか。
クソッタレファッキンチャートの弊害
ではこのクソッタレなチャートがどんな影響を及ぼすのだろうか、正直今の音楽チャートはランキングとしての意義は一切ないと言ってもいいくらい腐りきっていると思う。地下室TIMESを見ているような人たちは気になる音楽は自分で探すのでTVなんて気にしない、よって何の影響もないだろう、しかし、大きな影響を与える物がある。そうだ、音楽にさほど関心のない層だ。
音楽に興味がさほどないなら、わざわざ色んなサイトを探して気になる音楽を探してCDを買うなどということはしないだろう、CDTVなどを見て気になったら買うとかその程度なのではないだろうか、しかし考えてほしい、TVで流れるチャートは興味の無いアイドルだらけのクソチャートだ。(そのアイドルの曲を気に入れば別だが)これでは気になる音楽なぞ見つかる訳もなく、また見つけよう、買おうという気力も削ぎ、結果的に音楽離れの加速やyoutube世代を増やしている原因になっているのではないだろうか。
こんな時代に誰がしたと聞かれればキリがないとはいえ、こんなことをしていては一般層がますます離れていき、今以上に音楽離れが進み、売り上げはさらに落ち、アーティストのやる気をも無くし、新しい音楽が生まれることを阻害するのではないか。。。というのは考えすぎだろうか。
最後にMr. childrenの光の射す方へという曲の歌詞の一説を引用しておこう
デキレースでもって 勝敗がついたって 拍手を送るべき ウィナーは存在しない