平成のポップモンスター、スカート
こんにちは、こんばんは
今回の新人発掘バンドは、スカート。
サポートメンバーに佐藤優介(カメラ=万年筆)清水瑶志郎(マンタ・レイ・バレエ)佐久間裕太(昆虫キッズ)を迎えた、ボーカル澤部渡のソロプロジェクトである。
ポップソングに一石を投じる怪物を紹介していこう。
見た目
見た目と言ってもパンダ目革ジャンにロックンロールな出で立ちでも、マッシュルームヘアーの細身高身長でサブカル女子にキャーキャー言われてるわけでもない。
彼、澤部渡氏のTwitterから拝借した画像を見てみよう。
決して画像を間違えたわけではない。
もう一枚こちらもどうぞ。
そういうことだ。
なにが素晴らしいって邦ロック界のデブの誰ともキャラがかぶっていない。
the band apartの原氏にもGOING UNDER GROUNDの松本氏ともかぶっていないこのルックス。
これは十分な武器だろう。
ポップモンスター
そんな御託はよして曲を聴いてみようじゃないか。
あえてエレキギターと歌だけの曲を紹介したい。
どうだろうか。
聞けば聞くほどメロディーの流れの素晴らしさが伝わると思う。
筆者はどうも耳コピが苦手でキーすら当てることはできないのだが、このコードとこのメロディーその手があったか!!と目からウロコが大洪水した。
モンスターはさみしい
澤部氏はしきりに「僕の曲は暗い」と言う。
先ほどの”ストーリー”を始め、曲自体に鬱屈とした展開ははっきりと確認できないし、Syrup16gのようにハッキリと死にたいと伝えるような歌詞もない。
どうしてそんなことを言えるのか、考えてみた。
彼は青春パンクが嫌いだと言う。曰く、
僕の行きつけのレコ屋の店長に聞いて、すごく納得した話があって。峯田さん(※銀 杏BOYZ Vo)がライブの時に、「クラスで上手くやれない奴らがライブハウスを一杯にすればいいんだ」みたいなことを言ったらしいんですよ。それが名言として語り 継がれてる節があるらしくて。その店長が 「でも、そこにも行けないやつがいるんだよね。俺みたいな」って言ってて。「そこだよなぁ…!」と思って。
彼はいつだってひとりでマイノリティなのだろう。
マイノリティの渦の中でポップを武器に歌を歌っている。
ここからは全部ぼくらの時間
暗い言い訳を纏って
冷たい檻を照らしておくれ ――おばけのピアノ――
歌詞の節々にはそんな”さみしさ”が散りばめられている。
確かに、自分のさみしさを表現しているのなら「明るい」と言い切れることはないだろう。
孤独の檻の中から光に向かって歌っている姿はどんな姿であれ美しいと表現できる。
その美しさがもっと色んな人に広がることを祈っている。