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2015/09/07

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オハイオのナンバーガールCloud Nothings

ご機嫌よう。

見栄を張っても仕方ないから正直に言おう。
恥ずかしながら、私がナンバーガールを好きになったのは、一昨年である。
新人女子が「あなた、日本人?Bloodthirsty Butchers知ってる?アタシ、そのPV作った人んとこでインターンしてたのよね」っていうのがキッカケで、90代の邦インディーロックを今更ながら聴き漁り始めてナンバガに出会った。
それ以来、私はナンバーガールと向井秀徳中毒になってしまった。
音楽に詳しい新人ちゃんとは馬が合ったので、彼女からオススメのバンドを紹介してもらい、その中にCloud Nothingsがいた。最終的には、彼女より私がCloud Nothingsに夢中になり、ライブにまで足を運ぶファンになってしまったという経緯。

ってことで、ナンバガとCloud Nothingsの類似点

イケメンじゃないボーカル

「お前、向井をdisってんじゃねーよ、このブス!」
(投石され、のたうち回る私)
待て、落ち着いて聞いてくれ。
私の抱かれたい男ランキングは以下の通り
1位 向井秀徳 (500,000 point)
2位 ヒュー・ジャックマン (10,000 point)
3位 松山ケンイチ (5000 point)
※ポイント数は愛の大きさ
ご覧の通り、ハリウッド・スーパースターを抑えて堂々の一位だ。
「ブスの戯言に付き合ってる暇ねえよ!」そう言わずに私の話を(ry
言わせてもらうが、地下室TIMESを愛読する諸君は、音楽好きの変態である。
君たち、普通じゃないんだよ。
教室の片隅で、誰にも理解してもらえない音楽をヘッドフォンで聴いていた青春時代を過ごした記憶はないか?
その証拠に、私が向井秀徳を愛しすぎ、ある日友達に向井さんの写真(待ち受け)を見せた。
すると彼女「えー、なにこれ、ただのオッサンじゃん!キモいー」
わかるかね、諸君。
あの伝説のナンバーガールの向井秀徳を「キモいメガネのおっさん」の一言で民衆はひとくくりにしてしまうのだ。
(ちなみに『透明少女』を聴かせてみたけれど、「なんかうるさい」って言われてしまった)
話が脱線しそうなので、以上の理由から向井秀徳は『世間的には』イケメンボーカルではないという前提でお話ししよう。

Cloud Nothingsのボーカルも決してイケメンではない。
image
このメガネである。
こいつがイケメンに見えるかい?私には見えない。
どうせ抱かれるなら、ヒュージャックマンの方が断然いい。
向井秀徳との共通点は『ファッションに無縁そうなメガネ野郎』といったところか。

それにしても、こんなモッサイ眼鏡と地味なメンバー達にスイッチが入ると、エライことになる。
とりあえず聞いてくれたまえ。

むむむ、かっこいい!!
ただのモサ眼鏡から、土下座してでも抱かれたい男に一気に昇格してしまった。
「見た目で勝負してない」=「完全実力主義」である。
むしろ、このモッサさでバンドの魅力が増しているとも言えよう。
それにしても、演奏する男どもは何故にここまでカッコイイのか。
パッと見が残念であればあるほど、そのギャップに惹かれるのである。

 

甘くない歌詞

ラブソングを否定するつもりはない。でも、身も蓋もない事を言ってしまうと、
殆どのラブソングの歌詞を要約すれば「彼女と別れて、とてつもなく落ち込んでいる俺」である。
しかしながら、ナンバガとCloud Nothingsからは、恋愛沙汰で落ち込んでいるサマが全く感じ取れないのだ。
「愛してる」だの、"I love you.” だの、簡単には言い出さない、男らしい哀愁のようなものを感じる。

Tattooあり / Number Girl
右肩 イレズミ 明け方 残像
黒っぽいTシャツを脱いだときはもう朝焼け。
照らされるイレズミはハートの模様だったかな?

この曲中には『彼女』が登場するのに、切ない情緒はあるけれども、決して甘さがない。

Wasted Days / Cloud Nothings
"I thought I would be more than this
I thought I would be more than this
I thought I would be more than this
I thought I would be more than this"
和訳:
僕はこれ以上になれると思っていたのに
僕はこれ以上になれると思っていたのに
僕はこれ以上になれると思っていたのに
僕はこれ以上になれると思っていたのに

完全に人生に行き詰まって、混沌と劣等感の渦中にいる様子だ。
彼女がどーとか、そういう次元の問題じゃない心の叫び。
甘ったれたことを言ってられない緊張感がある。

 

ちょっとしゃがれた声で叫ぶ

両バンドとも半端ない。とことんお腹の底から声を出している模様。この何かを訴えかけるようなシャウトには心掴まれるものがある。
ナンバガファンは検証済みと思うが、この類のシャウト、真似してみようと思ってもなかなか難しい。
かーーーぜえええええ”ーーー(声が裏返って終了)

センチメンタルなメロディー

ナンバガもCloud Nothingsも十代のハートを掴んでいるバンドだ。
十代でなくても、この2バンドを聴くと十代の頃を思い出す。
耳障りの良い、どことなく懐かしいけど、とても力強い旋律。
Wasted Daysのラスト1分の疾走感が物申している。
長い大人し目の間奏、単調に聴こえるベースでダシを取り、
助走をつけて加速するドラムロールで具を投入、
シンプルながらにも力強いギターで味付け。
最後に何度も同じフレーズを叫ぶボーカルが他には代え難いスパイスとなっている。不安定で疾走感のあるメロディーに乗せてこの歌詞を聴くと、どうしても感傷的になってしまう。前項目の続きになるが、これが愛の歌だと絶対にこの叫びは、ここまで心に響かないと思う。  


 

こじつけんなよブス!って言われてしまえばそれまでであるが、とにかく、福岡のナンバーガールもオハイオのCloud Nothingsも、超実力派のカッコイイバンドであることは間違いない。

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