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2016/02/17

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今後間違いなく売れるほどハイレベルだけど、今は絶望的に知名度がない。the 810x

彼らを紹介するために地下室timesがあったのかもしれない。
そう確信するのに有り余るほどの才能がある。

きっかけは一通のメールだった。

おはようございます。突然のメール失礼致します。
私たちはTHE 810xと申しまして、インターナショナルなバンド活動をしております。
メンバーはアルゼンチン人と日本人で構成されております。
もしお時間が許すようでしたら、以下のミニアルバム、シングルを
聞いていただければ幸いです。
-LOOP: https://www.youtube.com/watch?v=IeyNl-E9n_I
-The Core (Lyrics Music Video): https://www.youtube.com/watch?v=74FPDEnKsiA
-Right Here, Right Now: https://www.youtube.com/watch?v=p0tLE3X0KKs

THE 810xを斬新で、また良質のものにしたいと強く思っておりますので、
こちらに関してコメントなどいただければ、とてもありがたいです。

フムフム、アルゼンチン人と日本人のデュオか・・・
アルゼンチンというと、個人的にはポストロックのサブジャンルであるアルゼンチン音響派ぐらいしか浮かばない・・・
アルゼンチンといえば日本のちょうど裏側、ざっくりいうとブラジルの左下くらいにある国だ。

んーこの時点で既に面白そうな予感がする・・・
何はともあれ一度聞いてみることにしよう。

その音楽性はアメリカンポップス+ラウドロック


THE 810x - The Core

おおーなるほどなるほど
アルゼンチンと聞いて勝手にブラジル音楽系のものを想像していたが、予想に反して大まかにラウドロックに分類される音楽だった・・・
とりあえず音楽性は置いといて、とにかく御託抜きでカッコいいし、クオリティも高い。
今や日本のラウドロック界を牽引する存在までのし上がったColdrainが出てきた時を思い出す。

彼ら、ラウドロックを基調としているが、アメリカのポップス、MTVで流れてそうな音楽っぽさも随所に見受けられる。
上の曲のBメロあたりは特にそれが見て取れるだろう。
さながらバックストリートボーイズやワンダイレクションを連想してしまう。

んー流石、インターナショナルな活動をしていると称するだけある。
彼らの音楽性として完全に板についているし、なにより歌モノとしてもかなりハイレベルである。

んー只者では、なさそうだ。
では次の章から具体的にその魅力の正体に迫っていこう。

邦楽の長所と洋楽の長所の良いとこ取り

彼らの魅力・・・
聞き込めば聞き込むほど発見できるが、私が最初に思ったのがそう、
日本人とアルゼンチン人のデュオということもあって「邦楽の長所と洋楽の長所の良いとこ取り」がかなり高度な形で実現していることだ。
邦楽も洋楽も様々なジャンルがあるが、ここではバンド系の音楽の話ということで読み進めていただきたい。

 

まず、邦楽の長所からいこう。
色々挙げることはできるが、私は特に「展開力」に関しては総じて世界でもハイレベルなバンドが多いと思う。
展開力というのは要するに楽曲に対する各楽器のアプローチのバリエーションの多さと、そのアプローチのアイデアの面白さだ。

例えばThe 810xが分類されるラウドロックでいうと、ドラムがわかりやすいだろう。
このジャンルのドラムは、海外のバンドだと終始エイトビートを刻み続けることが少なくはないが、
日本人がラウドロックをやると、あの手この手で、一曲の中に様々なビートを入れこんでくることが多い。

今回は例にドラムを挙げたが、ギターやベース、そしてバンド全体にも同じことが言える。
島国という特性から似たような音楽性のバンドが多い中、「展開力」が磨かれたのではないだろうか。
とにかく、アプローチのパターンの豊富さと、そのアイデアの面白さに長けているバンドが非常に多い。

 

逆に洋楽の長所はというと、私は「雰囲気力」だと思う。
「雰囲気力」・・・ちょっと日本語がおかしいが、読んで字の如く、雰囲気を作り上げる能力の高さのことだ。
雰囲気と言う漠然としたものを説明するのは少々難しいが。

作曲面でいうとメロディであろう。
メロディが曲に印象付ける割合が非常に高いのだ。
極論だが、演奏をそのままにメロディだけを別のものに差し替えた場合、邦楽の場合は「メロディが違うアノ曲」になるが、洋楽の場合「全く違う曲」になる。(ことが多い)
要するにそれだけ曲の中でメロディが占める割合が大きいということである。

 


 
よし、じゃあ話をThe 810xに戻そう。
まあ大体流れでわかると思うが、彼ら、前述の「展開力」と「雰囲気力」を見事に両立している。
上に貼ったThe coreという曲に当てはめて、特に上の二つがわかりやすい部分をピックアップしてみた。

・一番Aメロ、Bメロは印象深いピアノがメインだが、2番ではバンドメインになり、ピアノはメロディを主体に演奏している。
・ドラムが叩く部分と叩かない部分を上手く使い分けて曲全体に起伏を与えている。
・ディレイギターやシンセなど目立たない音が楽曲全体の奥行きを生み出している。
・メロディがめっちゃくちゃ良い。

メロディの良さを言葉にするのが難しくて断念したが、邦楽の長所と洋楽の長所が感じられる部分で特に目立つのはこのあたりだろうか。
そういった邦楽の長所と洋楽の長所が盛り込まれていながらも、曲としてそれらが前面に押し出されていないのもポイントだろう。
リスナーにそれらを意識させることなく、自然に良い曲だと思わせることが出来るのは、恐らく彼らが感覚レベルでそれらを理解しているからなんじゃないだろうか。
んー物凄い才能を感じるぞ。

 

セルフプロディース力の高さ

まだまだ、彼らの音楽性にも語る点は残されているが、ひとまずそれは置いておこう。

彼らの凄さは、音楽だけじゃない。
セルフプロデュース力の高さも凄いのだ。


THE 810x - Right Here, Right Now - ft Chipper ( What's Up )

最初に貼ったリリックビデオや、すぐ上に貼った曲の映像、
クオリティが高いし、めちゃくちゃハイセンスだ。
リリックビデオなんてアメリカのティーンネイジャーにみせたら喜ぶ姿が目に浮かぶ。

なんとこれらの映像、メンバーのANDERE氏が作ったらしい!
完全にその道のプロの仕業にしか見えないが、なんて多才なんだろう・・・
私もたまに動画を作るのだが、あんなにヌルヌル動かしたり、色々フォント動かしたり、三次元的に配置したり・・・
とてもじゃないが個人レベルでは作れる気がしないほどハイレベルだ。

あと公式ウェブサイトも今は何もないが、デザインが非常に秀逸である。

アーティストのイメージは、音楽だけでなく一連の、例えば見た目だったりCDのジャケットだったりといった部分からも生みだされる。
彼らはそれを理解し、我々が触れることの出来るThe 810xの全ての部分にまでこだわっている。

 

絶望的に知名度がない・・・

この記事では散々The 810xをベタ褒めしてきたし、間違いなく実際にべた褒めできる音楽であるのだが、
この世は実に不思議なもので、彼ら、絶望的に知名度がない・・・

例えば最初のリリックビデオ、The coreのYoutubeでの再生回数は、現在この記事を書いている段階で、なんとたったの1155回しかない!(内10回以上は私が再生した分)
いや、たいしたことない音楽でも宣伝すりゃ売れるし、逆に良い音楽でも誰にも知られていなかったらなかなか売れないモノだというのはある程度自覚していたが、
それにしても、いくらなんでもコレはないだろう・・・!

このサイト、地下室timesの理念の「才能ある新人バンドの露出の導火線」という意味でも是非是非彼らを応援していきたい!
カッコいいと思った方は是非、twitterなりfacebookなり口コミなりで彼らのことを広めてほしい。
あと個人的にすっかり彼らの虜になってしまったので、もっと上のステージで活躍する彼らが見てみたいというのもある。

世間の目にさえ止まれば売れること間違いなしであるので、今の内に唾をつけておいて売れたあとに「ほらやっぱり売れると思ってたんよね!」とドヤ顔するのもいいだろう!

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