ポーランド発!! じめじめプログレバンド「Riverside」
今回紹介したいRiversideはポーランドのプログレッシブメタル(ロック)バンドである。
そのサウンドは一言で表すなら「切ない」
哀愁が漂い、どこか湿っぽくもあり、深く沈むような重さがあるのだが、死にたくなるような重さではない。
ダイレクトに響いてくるRiverside
きっとハマるよ、ちょっと聴いてきなよ。
まずはじめに
梅雨のせいか日本全国がじめじめと湿っぽい今日このごろ。日照りが少ないと自然と気分が落ちてくるものだ。
そんな時はカラッと爽快な音楽を聴いたってなんだか押し付けがましく聞こえてしまうだろう。ここはあえて湿っぽくて気分が落ちるような音楽を聴いてみよう。
最初にいっておきたいのだがRiversideというバンド名は他にもある。今回紹介するのはポーランドのプログレバンドであるRiversideだ。興味があってレンタル、または購入しようとする方がいたらまずはこのポーランドのRiversideなのかよく確認してほしい。
かくいう筆者はポーランドのRiversideを聞きたくてTSUTAYAへいったのだが、勘違いしてカナダのRiverside(パンクバンド)の「Newspeak」というアルバムを借りてきてしまったことがある。ただカナダのRiversideもよかった。財布に余裕のある方はそちらも聴いてみてほしい。
聴いてみよう
さて話をポーランドのRiversideに戻して、まずはこれを聴いてほしい。
2005年発売のEP「VOICES IN MY HEAD」に収録されているStuck Betweenという曲だ。どうだろうか
温かみのあるボーカル、美しいコーラス、メロディセンス。なによりも楽曲を通して後ろで流れ続けるシンセサイザーのサウンドと後半に織り込まれる叙情的なギターが印象的だ。
曲中に大きな盛り上がりはないため、平坦な印象を与えてしまう曲ではある。だがそこがゆっくりと落ちていくような心地よさを与えてくれるだろう。美しい。Pink Floydみたいな、いい浮遊感だ。
次はプログレ感の強い「THE プログレ」な楽曲も聴いていただこう。
これは2ndアルバムの「Second Life Syndrome」の表題曲である「Second Life Syndrome」
変拍子も盛り込んだ15分40秒の大作である。2分36秒あたりから2分44秒までの謎リズムがあるが、これは譜面にすると4小節あるのだが、それぞれの拍子記号が3/4、7/8、3/4、4/4となる(らしい)。実に面倒だ。これぞプログレ。
雰囲気は先ほどと随分と違い、よりメタリックな印象を受ける。音もより重くなりテクニカルなフレーズもゴリゴリ弾き倒していく。長尺でも飽きさせない構成も魅力的なDream Theater的な楽曲だ。個人的には12分40秒あたりからの叙情的な「泣き」のギターソロがおすすめだ
ライブがやばい
またこんなヤバイ楽曲を届けてくれる彼らだが、ライブもやばい
「Reality Dream Ⅲ」という曲のライブ版だ。
これはヤバイ。CD音源とすり替えているんじゃないかというレベルだ。確かな演奏力に裏付けられた見事な再現。CDそのままなライブはつまらないと思われがち(少なくとも筆者の周りでは)なのだが。ここまでちゃんとやられると圧巻だ。来日してほしい。生で見たい。
ちなみにベースのマリウスはこの楽曲では歌ってはいないが、別楽曲では変拍子をキメながらさらりと歌っている。超人だ。
歌詞もやばい
つまるところ全てやばいということになってしまうがしょうがない
Riversideは歌詞も特徴的で、じつに暗い。社会風刺だったり自己の内面だったり様々なテーマで作詞を行っているようで、それはどれもチクリと刺さる。なんでそんなに暗いんだろうか。
過去になにかツライことでもあったのだろうか
ちょっと見ていただこう
Into this world
I came
Filled with fear
Crying all the time
I guess my birth
Left a great scar
On my heart and mindNow I hand-pick cotton
And struggle to sing
"I am happy and I do what I like"
But my voice breaks
And I start to hate
My singing
And simply everyoneMama told me
Be good
Work hard
And love Mr. God
Every Sunday
I lie
Trying to realize whyAin't nothing more to say
Your Honor
Don't look at me like that
The truth is
I am a free man
But I can't enjoy my life
公式ホームページより引用
http://www.riversideband.pl/en/lyrics
アクセス日(2015年6月30日)
最新アルバムである「Shrine of New Generation Slaves」の1曲目 「New Generation Slave」の歌詞の一部だ。自由を得たはずなのに幸福とはいえない、そこにあるのは「New Generation Slave」だ、と。
こんなかんじだ、暗いだろう。
この曲も含むRiversideの歌詞は公式ホームページで公開されているため気になる方は見てみるといいだろう。
なに?!ニューアルバム?!
どうだろうか、気に入っていただけただろうか。
すこしでもいいなと思ってくれたあなたに朗報だ。Riversideはどうやら現在ニューアルバムを製作中とのことだ。タイトルは「Love, Fear and the Time Machine」
次は一体どんな演奏を聞かせてくれるのだろうか、どれくらいじめじめしているんだろうか。
情報はまだ少ないためそれ以外の詳細はよくわからないが、確実に「買い」の一枚になるはずだ。