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2016/07/16

コラム 記事

洋楽雑誌の高齢化がちょっと笑えないレベルで深刻・・・

先日、会う予定だった知り合いが派手に電車を寝過ごしたために、書店で雑誌をマジマジと見るという非常に有意義な時間を過ごすことができた。
最近洋楽のチェックを怠っていたのを思い出し、某ロッキンオン誌を手に取ったのだが・・・これが今回のあらまし。

なにが起きたかって最新号を手に取っているはずなのに既知感しか感じないといった、新手のスタンド攻撃のような状態になっていた。思わずさ、古本屋に入ったんじゃないか確認しちゃったぐらいだよ。
こう・・・なんだ、最新洋楽情報をチェックするために見ようと思ったのだが・・・なんか様子がおかしいぞ。
高度高齢化社会で街に老人が溢れているこの世の中だけど、いつの間にやら雑誌の中身まで高齢化しているようだ・・・。

洋楽系の音楽雑誌がヤバイ

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こちらが今回ヤバイな・・・と感じたロッキンオン2016年4月号。
表紙がレッチリとレディへ。うむ・・・。
そしてメイン記事が「夏フェス、今年は凄い!!」と「2016年ロック徹底予想 今年はこうなる!」といった内容。
パッと見たら別にいつものロッキンオンだと思うじゃないですか・・・でもさ・・・

「夏フェス、今年は凄い!!」
おう!確かにすげえな!
レッチリとレディへ、めちゃくちゃ豪華じゃないすか。いやー!今年はアツいですね!

だけど、非常に申し上げにくいのですが、もう彼ら完全に”旬”のバンドじゃないですよね・・・?
まあメインに有名な2バンド持ってくるのはわかるけど、『「フェス上陸20年」ハイライト集』って「懐メロ特集しかやらなくなった音楽番組」臭が凄くないですか?

まあまあまあまあ。
気を取り直してメイン記事の2つ目を見てみようじゃないか。

「2016年ロック徹底予想 今年はこうなる!」
ん?
1996年の話じゃなくて?
2010年以降のバンドの名前が挙がってないのは、百歩譲ろう。まあなんだそういうときもある。
だが、表紙に載ってるこのメンツ・・・

ストーンズ、オアシス、グリーンデイ、ガンズ、NIN、ジミーペイジ・・・
もはや2000年代ですらないぞコレ・・・全員オッサンじゃないすか。
デビュー時期はまだアレにしろ、全部全盛期が90年代より前のバンドしかいないじゃないですか!全盛期が20年以上前バンドしかいねえぞ!今の大学生が生まれる前に流行った音楽だぜ?コレ・・・
いや、まあ確かにレジェンドの中のレジェンドばっかりのアツいメンツではあると思うけど、こう・・・なんだ・・・。2016年っぽい感じっていうかさ。フレッシュさというかさ。
そりゃちょっとやそっとじゃ雑誌の表紙に名前を飾ることはできんかもしれんけども、半分くらいが50過ぎてんぞ・・・ソレを2016年の音楽!っていうのちょっとやばくね?
いくら時代が時代だとは言えもうちょっとどうにかならんかったのかしらコレ・・・。

いやたまたまの可能性もあるしね・・・

まぁまぁまぁまぁ!
もしかしたらたまたまロッキングオン2016年4月号がたまたまフレッシュさに欠ける内容だったかもしれん。
ずっとやってりゃね、たまには偏ったりもしてくるもんだよ。そりゃあ。
そうやって偏ったとこだけピックアップして「コレヤバクね?」っていうのはアンフェアだと思うし、別にロッキングオンに恨みがあるわけでもないし、悪口を書きたくて書いてるわけじゃない。むしろ昔からの重要な情報源として感謝しているぐらいだよ。いやマジで、茶化してるわけでもなくてさ。

ということでだね、別の巻も見てみようというわけだよ。
とりあえず、2016年の3月号をね、見てみよう。

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ということでだね、コチラが3月号。あら残念!4月号とあんま変わってなかったね!
いや、まあ確かにデヴィッドボウイは偉大だった、そりゃ洋楽情報雑誌としても扱わざるを得ないのはわかる。新譜が出たタイミングでもあったしね。

だが、メイン記事3つが、3つとも「振り返る・再検証」する系の記事ってのはちょっとヤバイんじゃないですかね・・・。
デヴィッドボウイとストーンズとオアシス。
最近のストーンズの写真みたことありますか?
もう完全にヨボヨボのおじいちゃんっすよ!

The Rolling Stones announced they're performing four shows - two in London and two in Newark - at the end of this year. It's part of their 50th Anniversary celebrations.

「外人が日本は10年間遅れてやがるハハハ」とよく言うらしく、非常にムカついてたんだけど、認めるよ。でも時代が遅れてるんじゃなくて止まってるって感じだな!

ちなみに、たまたま4月号と3月号にだけ、異常にフレッシュさが足りなかったんじゃね?って思った疑り深い方は、是非バックナンバーを確認しにいって欲しい。
別に自分の主張を通すために一部分を拡大して見せてるわけじゃないからな!

他の雑誌はもっとヤバイ

ということで、ロッキンオン誌の高齢化具合は非常に深刻であった。
では他の雑誌はどうなのだろうか・・・

まずはロッキンオンのライバル誌的な位置づけのクロスビート誌。
これがね、すげーヤバイ。
どれくらいやばいかってもう既に休刊してる。雑誌自体が過去のものになってる。ヤバイ。
洋楽雑誌って言われてまず思い浮かべるのが「ロッキンオン」と「クロスビート」だったのだが、私の知らないところでひっそりと片方なくなっていたようだ。(2013年に休刊しました)

クロスビートの休刊を知り、冷静になって考えてみれば洋楽の雑誌っていうジャンル事態がもう既に絶滅の危機に瀕しているよな・・・。
調べたところ一応ロッキンオン以外にも洋楽誌があるみたいなのだが・・・

「大人のロック!」という雑誌、もはやタイトルからして老人向け。中身ももちろん老人向け、却下。
「レコード・コレクターズ」これも大人のロックと一緒。老人向けの洋楽雑誌は需要があるみたいだな・・・。
そして「インロック」という雑誌。こちらはワンダイレクションとジャスティンビーバーとテイラースウィフトが変わりばんこに表紙を飾るというハードコアな内容、こいつぁ俺達とは縁が無さそうだな・・・。
邦楽も載ってて洋楽の専門誌ってわけではないけれど日本版のローリングストーン誌も洋楽情報誌の一つだが、コチラはコチラで政治色が強くてお呼びではなさそうな感じ。

そして最後の砦、我らがメタル専門のBURRN!誌!
彼らこそは・・・!と思い見てみたが、敢えなく撃沈。最新号の表紙はドリームシアターでした。良くも悪くもやっぱりBURRN!はBURRN!だったわ・・・。

アレ、もうホントにロッキンオンしか残ってなくね・・・?

この傾向は完全に若い読者を捨ててるんだよな

洋楽雑誌の高齢化は事実だが、この傾向がダメかって言われると個人的にはなんともいえない感じ。
そりゃだって「若者の雑誌離れ」がヤベエって言われ続けて、今や「若者=雑誌を買わない生き物」というのが当たり前になりすぎて敢えて言わなくなった時代だよ?
そりゃ大口顧客のおじさんたちに向けた内容に寄っていくのは仕方のないことだと思うよ。
まあ当然さらに若者が読まなくなるけどさ。

こういう言い方をすると少々申し訳ない気持ちになってしまうが、このご時勢、誰の目にも”雑誌”というものが衰退しているのは明らかである。
私が言うのもなんだが、特に音楽に関してはネット上で展開した方が色んな面で都合が良いしな。

ただ一時代を築き上げた”雑誌”という文化がこういった形ー高齢化し、老衰して衰退していくのは皮肉だと思うが、寂しいよな。

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