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最近のバンドの中でも一番家が燃えているバンド、ナードマグネット

 人気の指針は色々ある。ワンマンの動員、YouTubeの視聴回数、ツイッターのフォロワー、CDの売れ行き。人間はそんな風に可視化された数値にめっぽう弱い。数値の圧倒的説得力を前にひれ伏しがちだ。しかし考えてもみて欲しい、ドラゴンボールでスカウターが役に立ったこと、あるかね。

 数値だけを見れば、このナードマグネットというバンド、イマイチである。にもかかわらず、各所から「ナードマグネットいいよね」の声が上がっている。人づてに耳にする場合もあれば、ネット上で目にすることも。当サイトのメールアドレスにも「ナードマグネット、いいっすよ」みたいなメールが既に4通ほど届いている。ありがとう。でもみなさん一体全体どういう精神構造からうちのサイトにわざわざメールしてまでそれを伝えようとしてくれたのか。LINEぐらいの感じでメール送ってくる人もいるしな。当サイトは今のところメル友は募集しておりません。寝起きで「ナードマグネットいいよねー(絵文字)」みたいなメールの通知を眺める俺の身にもなれ。おもしろいからやめろ。

 なんの話でしたっけ。ナードマグネットでしたっけ。

 で、そうも騒がれるとなんか逆に聴きたくなくなるんだけれど、意地を張っても一人。張った意地を見せる相手もなく、なので聴いてみた。すごく良いです。マジでWEEZER。

 そんなナードマグネット。記事を書こう書こうと思っていたんですけど何だかタイミングを逃し続けてまして。下書きに「ナードマグネット」とだけ残してひと月ぐらい放置していたんですけども、なんだか見るたびに「書かなきゃ」という強迫観念に駆られてもうね、嫌いになりそうで。と迷っていた矢先、ツイッターを見てたらばなんだかナードマグネットが話題になっている。どうした、と遡って詳細を訊けば

 家燃えてんじゃん。

 

 Tシャツを口元に当てて一酸化炭素から逃れようとするナードマグネット須田さん。

 そんなわけで家も燃えたことですしナードマグネット、紹介させていただきたいなと思います。家が燃えたとは思えないほど正統派なバンドです。どうぞ。

 WEEZERだ。WEEZERと2000年代邦楽の中間解釈といった感じ。こんなレトロなオーバードライブ、嫌いになれるわけがない。流行り物にNO!を唱える音楽好きの20代が騒ぐに納得の内容だ。

 どうやらナードマグネット、福岡で長いことやってるバンドのようで、その余裕からくる曲のアソビ部分がナイス。まだまだ駆け出しのバンドは、各曲で最高傑作を作ろうとしてしまうので実験や冒険ができず「ありそう~」って言われてしまう仕上がりに落ち着きがちなんだけれども、彼らはその逆で良い風にキャリアを積んできた、そんな音像をしている。

 いや真面目っぽい話したいんだけど、これ書きながらPV見てるとどうしても「良く燃えそうなソファーだな…」とか「消火器ちゃんと置いてあるかな…」とか見ちゃうよね。あんな生活感あふれるご自宅にお住まいのくせにPVではオシャレな洋室ですか。とか思いませんか?

 

 プロフィールに「パワーポップ」と書いてあるだけあって、やっぱりWEEZER。でも須田さんの口に飛び込んだWEEZERはちゃんと須田さんを通ってケツからナードマグネットとなって鳴っている。良い影響の受け方、良いリファレンスのされ方。

 洋楽を食べて邦楽を作るバンドが減って、邦楽を食べて邦楽を作るバンドが増えてきている。という話を散々しているけれど、このPVはThe Jamのジャケの再現から始まってまさにナードマグネットが洋楽由来であることを示す良曲。やっぱりオーバードライブが気持ちいい。

 最後にWEEZERで終わるあたりも愛を感じる。元ネタを探しながら見てみるのもいいかもしれない。個人的には全く似てないDinosaur.Jrが好き。ロゴなかったらもうわかんねえぞこれ。ウィッグ取れ。

 

 流行りや市場を意識してやんなきゃ、バンドなんか絶対売れないよ。と聞くし、僕も言いますが、ナードマグネットみたいなバンドが評価をぐんぐん上げてきてるのはバンド業界にとって明るい話題かと思うのだ。

 あとは物販で燻製とか売ってくれたら言うことナシ。ナードマグネット、是非火災の恐ろしさと共に脳裏に刻み込んでおいてください。

*追記訂正
燃えたのは須田さん本人のお家ではないそうで、福岡のバンドでもないそうです。情報が錯綜している。でも面白いのでこのままにしておきます。家燃えろ。

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