あの、「WANIMAが嫌い」っていうメールが滅茶苦茶届くんですけど…
まずお便りを一通、紹介させてください。
こんにちは石左さん。BASEMENT-TIMESいつも楽しく拝見しています。
今回メールフォームを設置して頂きましたので勇気を振り絞って連絡させていただきました。
石左さんはWANIMAというバンドに対してどうお考えでしょうか?
私は元々PIZZA OF DEATHのバンドが好きで、WANIMAも好きなバンドの一つでした。
が、最近のWANIMAはもう見ていられません。上手く説明できませんが、いつからか聞いているとなんだかむず痒い気持ちになり別のアーティストの曲に飛ばしてしまうようになりました。正直、今はとても嫌いです。
自分でも何が原因でこうなってしまったのか、よくわかりません。ただ、彼らは変わってしまったんだと思います。
この正体不明の感情に、納得をください。
何卒よろしくお願いいたします。
はい。
タイトルに書いたようにこういう「WANIMAが嫌い」ひいては「"最近の"WANIMAが嫌い」という内容のメールが日夜届く。昼夜を問わない。太陽と月が交互にメール書いてんじゃねえのかってぐらいくる。俺はこんな朝刊と夕刊頼んでないはずだが。
わたくし以前「WANIMAを心療内科のBGMにしたら人が死ぬと思うんです」という記事(というか言いがかりの類である)を書かせていただいたのですが、その中で
「一部の、俺みたいな卑屈な根暗野郎はこういう音楽に拒絶反応を示すよね~」
といったような結論を書きました。
元々、ひとによっては受け付けない音楽だと思うんです。超明るいし。
まあ、ドヤンだし。
どこからどうみてもドヤンキーだから怖いよね。笑ってるタイプのヤンキーが一番こえーから。ドラム音でかくて超タイトだし、歌のメロディ超きれーだし、シンプルだけど元祖メロコアって感じで超硬派でかっけーし、マジ…
いやかっこいいんですけど、これ受け付けねえーって気持ち、とてもわかる。
「落ち込んでる人とか病んでる人にWANIMA聴いてほしい!」
っていってる奴いたんだけど、こういう奴が鬱病の奴を殺すんだなと。バカ、WANIMAで出るような元気があったら鬱病になってねえよ。死ぬぞ。死人が、出るぞ。Syrup16gとか聴かせてて差し上げろ。
明るさって、一種の暴力なんです。求めてない人からしたら、攻撃に近しいものなんです。親が松岡修造だったら、俺多分自殺してます。WANIMAにもそういう要素があるんです。
今回、WANIMA紅白出場ということで、またもう一段階知名度が跳ね上がったためか、うけつけなーい!っていう人たちが増えたんだろうなと思います。有名になるってことは、ファンもアンチも増えるってことだし、それでヘイトの声が上がってるんだろうなと。
「WANIMAが嫌い問題」はそれで説明がつきます。元々好き嫌いが分かれるバンドですよね。
問題はもう一方の方。そしてこっちが今回の本題「"最近"のWANIMAが嫌い問題」
これは上のお便りのように元々ファンだった人が何故かWANIMAを嫌いになってしまったという内容。
メジャーにいって興味が失せてしまった…みたいなファン心理はよく訊くけれど「嫌いになった」という逆サイドダッシュは珍しいと思うんです。
そんなわけで今回は、最近のWANIMAが嫌いになってしまった現象を考察したいと思います。それではさっそく。
元のWANIMA
曲始まって一言目から「ありがとう」なのマジ卍っしょ。わかんねえけど卍ってこういうセンスのこと言うんだろこれ。
まあ、さっきも書いたように底抜けに明るいし、良いヤンキーの人のセンスですよねこの人。
ヤンキーって「良いやつなんだけど生まれつきのセンスがヤンキーの人」と「ただ嫌な、素行の悪いやつで結果的にヤンキー呼ばわりされてる人」の2種類いると思ってて、WANIMAは俺たちからしたらヤンキー、ていうか金髪でピアス開いてる人は問答無用でヤンキーなんですけど、絶対良いヤンキーなんですよね。後輩とかに飯絶対奢りまくってるし。Vo.のKENTAの良い人エピソード。苦労人エピソードは探さなくても耳に入るくらい出回ってる話だし。
確かに良いヤンキーの、明るい曲調のイメージが強い彼らなんだけれど
こういう、下品でおバカな曲も多いんですよね実は。褒め言葉です。
こんな曲書きながら、テレビでフォーリミのGENに「KENTAめっちゃ短小」ってバラされてるのとかめっちゃ好感。かわいい。
元々の音楽性もクリーンではないし、ゴリッゴリのメロコアだし、ルックスも足立第二中学中退。最終学歴保育園のホイ卒。みたいな装いだし、良い意味で泥臭いイメージがあったんですよね。
というのを踏まえて最近の曲。
なんで畑のど真ん中で爆笑してんだよ。奥歯にデカい麻でもはさがってんのかこいつら。
この曲とか。
この曲とか。すげえ悪い言い方するならファンキーモンキーベイビーズの良い曲ぐらい感性ですよね。「あんまり匂いのしないウンコ」みたいな言い方して申し訳ない。
「これだけは」なんかカルピスとタイアップしちゃってたりして良くも悪くもめちゃめちゃにメジャー感が爆発してるんですよね。
なんか毒気抜けちゃったというか
「良いヤンキー」
だったのが
「マジで良い人」
になっちゃった感じ。俺は一部のファンが感じてる違和感ってそういうことだと思います。
そのまんま東が東国原英夫になってしまった悲しさ、寂しさというか、落ちこぼれのNARUTOが好きだったのに後半バカ強くてなんか読む気失せちゃったあの感じというか。
ダサい部分。しょうもない部分。粗削りな部分。そういう要素を含めて愛していたのに、ちょっと完璧になりすぎて可愛げがなくなっちゃったカンジ…
WANIMAから最近こころが離れていってしまった人たちにあるのはそういう感覚だと思うんです。
ここまで書いて難なんですけど、俺はむしろ逆で、最初は「うわ、ヤンキーだ」「ピザオブデスの人だ」「ハムバッカーだ」と無理無理だったんですけど、以前記事を書いたときにはじめてしっかり聴いてみて「かっこいいなこれ」と思って以来、どんどん上がっていく彼らの楽曲クオリティに打ちのめされてます。マジで歌メロが良い。「歌」としてならWANIMAぐらい破壊力のある歌作れてる日本人他にいないんじゃないか。
変わって嫌いになる人も、好きになる人もいるとは思いますが、WANIMAの人気はこれからも伸びていくと思います。
それに、まだアルバムも出てないし見限るのは早いかと。
アルバムが出たらまた記事書こうと思います。
それでは。