9mmと時雨で育った僕らは"ゆれる"を聴くしかない。
「あんまり激しいバンドはもういいや、疲れちゃうな」
と自然と若くて真っ直ぐなバンドから遠のいていたが、ゆれるを聴いて一気に6年分遠のいた足取りを引き戻されてしまった。
中高生の時にいきなり9mmや時雨を聴かされた時の衝撃で、六年越しに頭を殴られた気分だ。
9mmと時雨で育った僕らは"ゆれる"を聴くしかない。
聴いてる側の事情なんかまったく気にしてられないと言わんばかりの3分24秒。
昨今のバンドじゃあまり見なくなった、ナンバーガール直系のカミソリのようなサウンドで、ひたすら鬱屈を叫びまくる。
たしかにちょっと前まではナンバーガールに影響を受けたバンド、もしくは9mmや時雨に影響を受けた孫バンドがゴロゴロといたが、みんな差別化や個性に走り奇をてらい一時の脚光を上手くつかめず消えて行ってしまった。
彼らがそれと違うのは、ただ真っ直ぐで飾りがなく真摯な所だ。
前世代のバンドの真似事で叫んでるのではなく、叫ぶ手段をこれしか知らないからバンドをやっている、さながらそんな印象だ。
ここまで聴いてなんだか気にとまってしまった人は動画上に歌詞が置いてあるのでそちらを読みながらこの曲を聴いてほしい。
「バンドなんか売れるのは氷山の一角、大変だね」
と理屈と言葉でわかったつもりになれる他人様の苦労だが、それをちゃんと実感させてくれる歌声だ。
こんなに気持ちのこもった歌を最近は聴けていないし、周りを見渡しても見つからない。
最近の学生にはこういう曲は必要ないのかな、といじけてしまいそうになるがそんなはずはなく、教室からはじき出され毎日が上手くいかない奴も一定数いるはずで、そんな奴の為の音楽がここいらには不足しているはずで。
そんな奴にゆれるの音楽が届けばどんなに救いになるか、それでまたそういう奴が彼らに憧れて楽器を手に取ればどんなに最高かと思う。
もう大人だからとか自分に言い訳せずにたまには数年前のように無茶苦茶な勢いに身を任せて音楽を聴いてもいいはずだ。
久方ぶりに応援したいバンドに出会えた。よかったら皆さんも聴いてください。
それではまた次の記事で。
スマイル (2014-03-19)
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