バカテクタッピング”森ガール”シンガーソングライター Yvette Young
アコースティックギターを抱えて思い思いを曲に乗せて歌う、
もちろんそれ以外の形態もあるが、音楽活動の最も一般的な形態の一つとしてのシンガーソングライター。
森に住んでそうな服装、雰囲気などを持つ女の子をを表すバズワード、”森ガール”。
シンガーソングライターとの親和性も高そうである。
日本のシンガーソングライター、predawnも森っぽい背景のMVで雰囲気も森っぽいし、有名な”森ガールシンガーソングライター”なんじゃないだろうか。
世界は広いもので、”森ガールシンガーソングライター”としての属性を持ちながらも、
それにプラスしてギターの超絶技巧、通称”バカテク”を兼ね備えているミュージシャンがいるのだ。
なんか間違っている
Yvette Young - Of Age
小鳥のさえずる声と川のせせらぎ、溢れる緑と、木漏れ日、
ああ森だ、平和で恵みに溢れた理想的な森である。
雰囲気たっぷりにアコースティックギターを構えて歌う女性。
完璧な”森ガールシンガーソングライター”である。
ギターが異常に上手いのを除けば。
特にやばいのが4:20秒辺りからの展開、
技巧派系のギタリストが顔を歪めながら弾くようなエゲつないフレーズを済ました顔で弾きながら、さらに歌まで乗せてくる。
見かけによらず最高にハードである。
Yvette Young - a map a string a light
彼女の素晴らしい点は、超絶技巧を惜しみなく曲に詰め込みつつも、全体として歌モノとして成立させている点ではないだろか。
相変わらず好き放題やっているがギター1本と声だけで、曲が始まって終わるまで聴くものを一切飽きさせない圧倒的な情報量が詰め込まれている。
(余談だが、カポを緩めてベンドダウンする技なんてのが存在するのを初めて知った。”a map a string a light”動画の2分を過ぎたあたりで見ることが出来る)
異常にギターが上手い
そのバカテクのあまりに、ギタリストとしてかなり注目を浴びた結果、
知る人ぞ知る、変態系ハイエンドギターブランドStrandberg(ヘッドレスは一緒だし名前も似ているが、スタインバーガーとは別のブランド)とみんな知ってるギター弦のメーカー、ダンロップとスポンサー契約まで結んだ。
そしてこれが、そのStrandbergのギターを演奏している動画。
Yvette Young - Hydra
変拍子を取り入れた幾何学的なリフレインフレーズから、動的かつ息継ぎのない非常に長いフレーズまでシームレスに繋がる。
変態系ギターの醍醐味を詰め込みまくった意欲作だ。
記事の序盤で”森で演奏していること”と”雰囲気がソレっぽい”ということで森ガールと呼んだが、
もはやこの動画には”森”の字どころか”木”破片すらすらも感じられない、無機質なプラスチックガールだ。
完全に誰も予想していなかった方向から、「バカテク”森ガール”シンガーソングライター」という新ジャンルを提示してきた彼女。
絶妙なアンマッチ具合がどこかクセになる珍しいタイプのアーティストである。