メタラーに包囲されたときのために、3分でわかるメタルのサブジャンル!
こんにちは。
こんな記事を開いているということは、あなたはきっとメタルが得意でないし、あまり興味もない。きっとそうだろう。
それにあなたはこう思っている「メタルのサブジャンルなんて知らなくても問題ない」と。
だがちょっと待って欲しい。メタルのライブにいけば客は全員メタラーだ。これはわかるな?
そしてメタルのフェスにいるのは当然全員メタラーだ。
その数、ちょっとした県庁所在地の人口にも匹敵する。
メタラーだけの県庁所在地だ。
そんな中に身一つで放り込まれたらどうする?
コンビニの店員もメタラー、バスの運転手もメタラー、就職面接なんかも「あなたのメタル遍歴を教えてください」なんて質問が飛んでくるはずだ。
メタラーの町はちょっと言い過ぎたかもしれないが、おっと少し汗臭いなと思ったらメタラーに包囲されているくらいは十分起こりうる事象だ。
そんな時にメタラーではないということがバレて、「ヴェーイ・・・!ヴェーイ・・・!」とメタラーがぞろぞろ集まってきて血祭あげられてしまってはもう遅い。
いつどこでどんな形でメタラーに遭遇するかはわからない。
今回はそんな時の生き延びるための最低限のメタル知識を、わたくしハイパー・メタル・アドバイザーの谷澤が伝授しよう。
NWOBHM
ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル(New Wave Of British Heavy Meta)の頭文字をとってNWOBHMだ。暗記せよ。
いわゆる”正統派メタル”といった時はこのジャンルのことを指す。
Iron Maiden - The Trooper
70年代末から80年代にかけてへヴィメタルというジャンルを開拓していったのがこのジャンルである。
このタイプのメタラーに絡まれたらとりあえず「ズッズク、ズッズク、ズッズク、ズッズク」とでも言いながら走り去れば難は逃れられるだろう。
スラッシュメタル
だいたいイギリスのあたりでオンギャアと産声を上げたへヴィメタルだが、
それが世界に波及し、アメリカでより凶暴性を増したのがスラッシュメタルである。
Metallica - Master Of Puppets
以前のメタルに比べテンポが速く、ギターソロよりもリフを重視する。
またボーカルは音程感が少なく吐き捨てるように歌うのが特徴だ。
スラッシュメタル野郎に囲まれた場合は上に貼ったメタリカのマスターオブパペッツを再生するのが対処方になる。
メタラー達と一緒にお決まりの「マスター!マスター!」の部分をタイミングよく斉唱すればたちまちマブダチになれるはずだ。汗臭い歓迎が待っているぞ!
北欧メタル
やたらキラキラした金髪ロン毛が飛び出してきたら、それはきっとLAメタルか北欧メタルのメタラーだ。
Europe - The Final Countdown
このジャンルはキーボードをガンガン前にだしたキラキラした曲が特徴だ。
現在世界的なメタルの名産地である北欧は、ここで紹介したジャンルとしての北欧メタルと、
北欧出身のメタルバンドという意味での北欧メタルが存在する。
同じ北欧メタルでも、その二つは全くといっていいほど音楽性が違う。
メタラーの中でも若いメタラーはこのあたりをごちゃ混ぜにしている場合が多い、気をつけよう。
ちなみに北欧メタラーは現在その数を減らしているメタラー達であり、なかなか遭遇することが出来ない。
彼らは少し整髪剤の臭いがきつい位で、他はさほど危険性はない。遭遇したらラッキーぐらいに思っておこう。
メロディック・スピードメタル
早い・クサい・ダサいの三拍子が揃った、メタル界の吉野家!メロスピことメロディック・スピードメタルだ!
DragonForce - Through The Fire And Flames
このジャンルの特徴は上に書いたよう
・早い テンポがとにかく速い
・クサい メロディがとにかくクサい、キーボードの音色もキラキラしていてクサい
・ダサい 歌詞のテーマが西洋の騎士が愛するものの為にドラゴンと戦いに行くとかそんなのが多い
が特徴である。
ネオクラシカル・メタル
インギーの愛称で知られるイングヴェイ・マルムスティーンという光速の豚貴族が開拓したメタルのジャンルだ。
略してネオクラと呼ばれる。
Yngwie Malmsteen & New Japan Philharmonic: Far Beyond The Sun
クラシックとメタルを融合させ、物凄い演奏テクニックとクサさを足したのがこのジャンル。
このジャンルのメタラーに遭遇した場合、何故かジャンル内で偉大な功績を持つインギーのことを豚呼ばわりすると「わかってる」となることが多い。
ちなみに動画中にもある、めちゃくちゃ早いギターの演奏テクニックは、一般的には「スウィープ」と呼ばれる奏法なのだが、我らが貴族の豚インギーは何故かアルペジオと呼ぶ。(一般的なアルペジオとは全く違う)
インギーのスウィープをみて、「アルペジオかっけぇ!」と言えばもう完全にネオクラメタラーの一員だ。明日から豚貴族を名乗っていいぞ!
プログレッシブメタル
メタルと言う音楽の多様性を一番感じられるのがこのジャンル。
曲が始まってから5分くらい経っても平気でまだイントロ。
10分から15分くらいある曲が当然のように存在するのがこのジャンル。
Dream Theater - Metropolis pt.1
変拍子の多用、複雑な演奏、長い曲。
他のメタルに比べて知的なテーマの曲も多い。
この手のメタラーは多ジャンルに比べ直接的な攻撃性は低いが、その代わり非常に偏屈なヤツが多い。
ある意味一番対処が難しいジャンルである。
対処法は黙っておくことだろうか。
下手に「イントロ長いね」なんてコメントしてしまったらば最後、終わりのない偏屈な話をし続けられて死ぬ。
デスメタル
「死する者の絶望こそがデスメタルだ」
漫画 デトロイトメタルシティ ヨハネ・クラウザー3世のセリフより抜粋
「アグレッシブでよりエクストリームなスラッシュメタル」とwikipediaにて説明がなされている。
Cannibal Corpse - Make Them Suffer
デスメタルの特徴はその名の通り「死や殺人」などをテーマにした歌詞と
もはや一般化してきたが、デスボイスを使った歌唱が特徴だ。
デスメタルのサブジャンルに聴きやすいメロディなどを混ぜたメロディックデスメタル、通称メロデスなどがある。
メロデスはピロピロするしクサいメロが入ったりする。
デスメタルというとメロデスを連想する人が多いが、本来のデスメタルは上の曲のような殺伐とした雰囲気の曲を指すぞ。
ブラックメタル
デスメタルぐらいなら冗談で済むが、ブラックメタルはマジで冗談で済まない可能性がある。
危険なジャンルだ。
教会に放火したり、動物の血を撒き散らしたり、バンドメンバーを殺害したり、精神病患者の叫び声をCDに入れたり、ボーカルの死体の写真をアルバムジャケットに使ったりするのは全部ブラックメタルだ。
Mayhem - Freezing Moon(心臓の弱い人は見ないほうがいい。マジで)
音楽的な特徴は極度に歪ませたギターをトレモロピッキングとブラストビート、金切り声のようなボーカルが挙げられる。
音楽的にも邪悪だが、思想も邪悪で、実際に行動に移すヤバさもある。
マジレスすると日本のブラックメタラーはまあまだ問題ないレベルだが、海外のブラックメタラーは本格的に危害が及ぶ可能性がある。
興味本位で近づいたりしない方がいいだろう。
ドゥームメタル
やたらテンポが遅くて重々しい雰囲気のメタルがドゥームメタルである。
Candlemass - Bewitched
このジャンルは漁った瞬間すぐに、かなりアンダーグラウンドな世界に突入する。
メタラーの中でもかなり少数派である。
オルタナティブメタル
このあたりからメタルかメタルじゃないかの境界が曖昧になってくる。
メタルでもパンクでもない第3の道を提示したグランジが流行した後、その流れを汲みながらもメタル的なへヴィーな音作りをする音楽をひっくるめてオルタナティブメタルと呼んだりする。
Nickelback - How You Remind Me
ニューメタルやへヴィロック、ミクスチャーロック、ラウドロック、ラップメタルなどのジャンルもオルタナティブメタルに含まれる。
オルタナティブメタルはそれらのジャンルを大雑把に別ける呼び方である。
この手のジャンルのメタラーはジャンル自体が曖昧なのと同様に、内省的なのがいたり攻撃的なのがいたりとステレオタイプを立てにくい。
ラップメタル
メタルとヒップホップが出会うことは半ば必然的であったと思う。
メタルにラップとDJとヒップホップのリズムをぶち込んだのがラップメタルだ。
Limp Bizkit - My Generation
このジャンルの場合、中身はメタラーというよりヒップホップの連中に近いので、テキトーに「ヨォ!チェケラァ!」とでも言っておけば仲良くなれるだろう。
メタルコア
ハードコアとメタルがぶつかってできたメタル。
ザクザクと刻むリフとスクリームやデスボイス、攻撃的な音楽性が特徴。
Killswitch Engage - In Due Time
ジャンルの成立が遅く、若いバンドと若いファンが多い。
ウォール・オブ・デスという客がが左右に分かれ、曲が始まった瞬間に全員でぶつかりあうという、何が楽しいのかわからないモッシュもこのジャンルの界隈が多いイメージだ。
フェスなんかでフラっと見ていたらウォールオブデスに巻き込まれたりするという意味では、実際に注意が必要なジャンルなのかもしれない。
ジェント
7弦ギターや8弦ギターをブリッジミュートして出す音が外人には「ジェント、ジェント」と聴こえるらしく、そこからジャンル名がついた。
7弦ギターや8弦ギターなどのやたら低い音のギター、変拍子、ポリリズムを使った複雑なリフが特徴。
PERIPHERY - MAKE TOTAL DESTROY
お頭が貧弱だとリフが複雑すぎて覚えられないため、メタル界の中では知的なメタラーが集まりやすい傾向がある。
いかがだっただろうか
3分でわからなかったのはあなたの読むスピードが遅かったせいである。
それではメタラーに囲まれたときに生き残れないぞ。
今回紹介したメタルは大雑把にメタルを大別したものである。
因みに大体上から時代を下っていっている。上のほうのメタルはオッサンが多いし、下の方で紹介したメタルは若いメタラーが多いということだ。
最低限これくらい覚えておけば、どんなメタラーに遭遇しても生き延びることが出来るはずだ。