BASEMENT-TIMES

読める音楽ウェブマガジン

ホーム
アバウト
人気記事
月別索引
オススメ記事

2016/07/16

コラム 記事

次に流行る音楽はコレだ!という予想 2015年度版

「次に流行る音楽」
ここ地下室TIMESにて日々音楽について文章を書いている時に一番欲しくなるのがこの情報だ。
次に何が流行るかさえわかれば、未来人が株で大もうけするようなものだ。夢のインサイダー取引放題だ。
そう、喉から手が出るほど欲しいとは正にこのこと、
その欲しさ具合といえば、もし魔人ブウ編仕様のシェンロンの召還に成功したならば、三つの願いにて権力と女を受領した後、残るもう一つの願いは「次に流行る音楽を教えてくれ」と心に決めているほどだ。

 
そういえばだ、
彼らにとっては常識らしいが、アパレル業界は次にどんな服を流行らせるか決まっているらしいじゃないか。
デニムジャケットを流行らせようとしていた年にスギちゃんがワイルドだぜぇしちゃって、デニムジャケットが売れなくて困ったって僕は聞いたぞ。
もし音楽業界にも同じように次に何を流行らせるかが決まっているのなら、"その筋の人"様!「地下室TIMESについて」というページにお問い合わせ用のメールアドレスがあるので、そちらの方でコッソリ教えてください。あなたの忠実な犬になることをお約束いたします。

 
とまあ、どれだけ僕達が次に流行る音楽を知りたいかわかっていただけたところで結局誰も教えてはくれないものだから、誰かに教えてもらうことを諦めて自分で予想するに至ったわけでございます。

アイドル+EDM

AKB周辺のゆるやかに衰退していく雰囲気、毎年オワコンオワコン言われているがなんだかんだで続いてはいるが、やはりピークは過ぎ去ったという感じは拭いきれない。
しかし近年では「メタル+アイドル」という形でBABYMETALがヒットし、コアなアイドル界隈からメインストリームまで進出した例がある。
これと似たような例で、これからのアイドルは色々と形を変えて攻めてくるという予想が出来る。

そしてもう一つの要素がエレクトロ・ダンス・ミュージック、通称EDMだ。
EDMはヤバい。
脳をファックするかのような高揚感、レッドブルの効能成分だけ抽出して静脈注射したかのようにブチ上がる。危ないタイプの外人が「EDMはコカイン」って言ってた。エレクトロ・ダンス・ミュージックヤバイ。
海外では脳筋タイプが多いのか、空前のEDMブームがきており、その経済効果は数百億円単位とも言われている。一時期のジンバブエの国家予算を大幅に超える額だ。数百億円あれば少なくとも軽く1000年ジンバブエできる。
その金がなりそうな木を日本の音楽業界も放っておく訳もなく、海外に比べれば出遅れてはいるものの、最近徐々にEDMを意識した音楽が増えてきた。


例えば「ドラゲナイ」が流行語になったSEKAI NO OWARIのDragon Night。
これも海外のEDMを日本風に翻訳したものとして解釈できるだろう。
因みにこの曲ほどではないしファンタジー要素は抜けているものの、本家EDMの歌詞もわりと壮大。
イジりやすいのでイジってしまうが、本気で和製EDMとは彼らのことだと思う。
サビで歌がなくなるEDMに特徴的なスタイル、通称ドロップを取り入れた曲でMステに出演したのもマジで凄いと思う。
 


 

そう、近いうちアイドルとEDMがぶち当たることになるのではないかと私は予想している。
というかアイドル+EDMというより、オタク+EDMの方が近いのだが、
そう、オタクEDMの親和性が非常に高いと思うのだ。

なんたってオタクは運動不足だ。
そりゃあ彼らもたまには長時間並んだり、欲しいもののために全力ダッシュを見せることはあるものの、基本的にはインドア派である。1週間ずっとインドアなんてザラ、下手すると一日の行動範囲がナマケモノのそれを下回るなんてことも普通に起こりうる。信じられないかもしれないがそういう生き物だ。
当然、一般の方からすれば”良い生活を送ってらっしゃる”となるであろうが、実は彼らも望んでそうしている訳ではないこともある。
家から外にでる理由がないので、好きなものがインドア的なものなので、仕方なしに家にいる場合が多いのだ。外に出るオタクも、ラブライバーが度々世間を騒がせる例があることから、結局オタク達はパワーが有り余っていることがわかるだろう。ラブライバーとドルオタは少し性質が違うけど、パワーが余ってる点では同様だろう。

そして極度に運動をしてない人間が、たまに少し運動すると物凄く気持ちいい。
私的な感想だが、軽い運動は生きている実感をもたらしてくれる。運動は良い。
一般人からすれば、しょうもない運動だとしてもいつのまにかストレスが無くなるし夜もグッスリ寝られる、運動最高!ってなる。

即ちオタクは潜在的に運動の需要があるのではないか、ということである。そういえば彼らオタ芸と称して自主的に踊ってるしさ。
ここでEDM、エレクトロ・ダンス・ミュージックの"ダンス"の部分が活きてくる。要はオタクに運動の口実を与えるわけである。
普段はシャイでも神の如く崇拝するアイドルに踊れって言われたら踊るだろう。あと回りが踊ってりゃ多分全員踊る。そういう生き物のはずだ多分。

まあ経緯はともあれ、実際に踊ってきたオタクの大多数はかつてない充足感を得るだろう。その充足感の源がアイドルよりも軽い運動であったとしても別になんら問題ない。他のオタク活動よりハッピーになれる活動があるならそれに越したことはないでしょう。

ただ踊り狂うオタクの見てくれが犯罪的に毒々しいということを私は懸念している。想像するだけでしんどい。

 


 

一応調べてみたところ、既にアイドル+EDMを掲げたユニットが存在するみたいだが、今のところかなりアンダーグラウンドな様子だった。そりゃあまあそんなに簡単にはいかないよね。

あとパフュームとかどうなんだよってコメントがありそうなので先にアレしておくと、あれはアイドルが踊ってるのを見るものだ、
次の時代は違う、オタクが踊ってアイドルは躍らせるのだ。

 

攻撃的系邦楽ロック

先ほどの症例ではアイドル界隈だったが、この章では邦楽ロックを舞台に考えてみたいと思う。
アイドル界隈は次にオタクを踊らせると予想したが、邦楽ロック界隈は一足先に踊っている。

このサイトでも散々取り上げてきたが、フレデリックのオドループなんてその最たる例だろう。今の邦楽ロック界隈はとにかく躍らせるのが正義!という傾向がある。この流行に対してとやかくいうつもりはないが恐らく近いうち、ダンスが流行りまくった反動がくると思うのだ。

ロックという音楽は昔から反動の繰り返して成長してきた。その最たる例はパンクだろう。
パンクが生まれた時代はハードロック全盛期だった。ハードロックがジャンルとして成熟してくると商業主義と技巧主義の要素が目立ち始めた。それがリスナーとの溝となってきたわけだ。そこに溜まってきた若者の鬱憤が、アンチ商業主義で演奏の良し悪しではなく勢いとそのパフォーマンスをメインに据えたパンクロックが誕生したわけだ。

ここ日本でも、数年前ちょっと小難しいポストロック系が席巻したと思いきや、その反動としてか頭がカラッポでも楽しい今のダンスロックが台頭してきた。
古今東西、ロック歴史は否定の歴史と捉えることができる。

 


 

さて、ダンスロックの反動がくることはお分かりいただけたと思う。
次は何故ダンスロックの反動が”攻撃的系邦楽ロック”なのかの説明をしたいと思う。

ではここでダンスビート+邦楽ロックで大成功を収めたKANA-BOONの写真をご覧いただきたい。
30119-kanaboon-ak0e
彼らの出で立ちから連想するイメージはどのようなものだろうか。
良く言うと「優しそう」「フレンドリー」「リスナーと距離が近そう」のようになるだろう。悪く言えば「冴えない」だ。生活感のある浪人生だよこりゃ。

ダンスロックに染み付いているナヨナヨして脂っこいイメージを否定するのは、その真逆のワイルドでザラついた不健康なイメージなのではないかということである。ただこの辺はファッション的な流行とも関わってくるので、恐らくストレートにワイルドな感じではないだろう。ワイルドかつ斜め上から「そうきたか」ってのが流行ると思う。

 

あともう一つ。
というかこっちをメインの据えるべきだと思うが、最近攻撃的な要素をもったバンドが盛り上がりつつあるように肌で感じている。どのバンドもまだブレイク寸前とも言い難いところではあるが、以前に比べてそういったバンドが受け入れられやすい土壌が出来てきているといった具合だ。


ゆれる - BPM

個人的にもかなりアツい攻撃的ロックバンド”ゆれる”。
彼らのロックは「ロックってこうだろ!」という意気込みを感じさせてくれる。
私は彼らに音楽が好きなので売れて欲しいが、どこに火がつくかは神のみぞ知るところ。
ただ次の出火地点のキーワードは攻撃的ってことだ。

 


 

実際に攻撃的系邦楽ロックが流行ったとして、その際に今ダンスばかりしてる邦楽ロックリスナーが急に衣替えして攻撃的リスナーになるというわけではない。
イメージとしては今は離散している潜在的に攻撃的なロックが好きなリスナーが、攻撃ロックのシンボルの登場によって集結するという形になるだろう。
あなたの中に攻撃的なロックが好きな自分は眠っていないだろうか?

 

宅録シンガーソングライター

8056008367_729ef1755d_n
既に定着しつつあるが宅録シンガーソングライターが流行ると思う。
このジャンルに関してはニーズや傾向というより、どちらかというと業界の事情で流行るタイプだと思う。

その業界の事情とは、即ちDTM業界の事情である。
楽器業界を広く見たとき、基本的には音楽が売れてその音楽をやるための楽器が売れるというのが定石になっている。けいおん!が流行ったときレスポールとレフティのジャズベースが流行ったようなものをイメージしてもらうとわかりやすいんじゃないだろうか。(若干けいおん!は特殊な例だけれども)
DTMの場合も初音ミクとその愉快な仲間達、ボーカロイドの勃興によって、その界隈を広げてきた。
彼らはその名の通り家での作業がメインなので、実際にどのくらいいるのか実感しづらいが、一度DTM関連のセミナーに参加した時には思っていた3倍ぐらいの人がいた。下手すると楽器関連で一番景気が良いのはDTM界隈なのではないかと思うほどだ。

そんな好調をみせるDTM界隈だが、最近問題が発生している。
ボーカロイド界隈が急に失速し始めたのだ。
あまり興味のない人でも「最近初音ミク初音ミクって騒がなくなったな」ぐらいは感じていると思うが、当のボカロP達には死活問題で、結構大変なことになっている。気になる人は「ボーカロイド 衰退」でググってみると良い。物凄い勢いでボカロがオワコン化しているのがわかるはずだ。

今までのDTM業界はボカロ5割とあとの半分はカテゴライズ不可能の細々としたジャンルという状態だった。この5割という数字、人によっては少なく感じるかもしれないだろうが、例えばギターやってるヤツの半分がメタラーみたいなものだぞ。そのギタリストの半分がメタラーの世界でメタルが物凄い勢いで衰退するようなことが、DTM界隈では実際に起きているのだ。
そう、今DTM業界はヒーロー不在の状態で宙ぶらりんになっているのだ。

 


 

ここでその空いた席を埋めるべく、初音ミク達からバトンを受け取るのが宅録シンガーソングライターであると思う。
既に北園みなみChemical Volumeラブリーサマーちゃんなど宅録シンガーソングライターとして注目を集めるアーティストも多い。
既に行われているかもしれないし、行われることがない可能性もあるが、宅録機材の業界がこれらをプッシュすればより活発になるだろう。

さらにこの流行は業界だけでなく宅録ミュージシャン側からも歓迎される。
例えば米津玄師がボーカロイドのヒットを経て、自身の名義に繋げた例もあるし、ボカロ時代には結構ボカロを踏み台にして世に出てきた人が多い。
今まで必要だったプロセスを一つすっ飛ばして目的を達成できるようになるのだ。
 


 

ただここまで書いておいてなんだが、この手のジャンルはどうにもこうにもリスナーの絶対数が非常に少ない。
ボカロの場合はある種ゆるやかなコミュニティの形成によって膨大なリスナー層を獲得したのだが、宅録シンガーソングライターの場合は今のところそういったものは無いし現れる気配もない。気合と根性でオシャレボーイズの間で流行らせ、インスタグラムに宅録の画面をアップするのがナウい!みたいにできれば上手く行くかもしれないが。うーん。

 

いかがだっただろうか

今回は3つ考えてみたのだが、どのパートも上段で現状のシーンについて考え、下段で私の妄想を垂れ流すスタイルだ。上段の部分は普通に読んで下段は話半分にテキトーに受け流すのが推奨スタイルである。あとがきに書くのもアレだけど。
ということで「こんなもん”ぼくの考えたさいきょうのおんがく”じゃねえか!」というクレームは一切受け付けないのでシクヨロ。

では長くなってしまったのであとがきはサッパリと、
それに私は攻撃的な宅録EDMアイドルになる準備で忙しいからな!
それでは、ばいちゃ!

オススメ記事

記事検索

オススメ記事