物販にTシャツ、タオルは時代遅れ あなたの知らない"物販"新時代
『物販』
皆さんもライブに行った際、何かしら買った経験もあるだろう。
信仰心を示す為のお布施。打ち上げ代のカンパ。バンドマンとの数分の会話料。その役割は買い手によって様々だ。
少しバンド活動をした事がある方であれば、物販に頭を悩ませた経験があるのではなかろうか。
集客レベルから見て物販なんてする必要は無いんだけど、なんとなく物販ブースを構えていないのハズい…、みたいなみみっちい感情でつい作ろうとしてしまう。そのクセに絵が下手くそでデザインができない。
Tシャツ、タオル、トートバッグ・ステッカー。現状、これら「グッズ四天王」+CDが売り場を占めている物販コーナー。これは何故かというと、すごく理にかなっている。
ネットをかき分ければ「バンド専門!グッズ製作!」みたいのが山のように出てくるように、生産ラインも出来上がっているし発注も楽。かさばらないので持ち運びも楽。原価もそんなに高く無いしお財布にも優しい。
買う側の目線から見ても、何枚あっても困らない上に普段使い出来る物なので買いやすいと。
でも一歩引いて考えてください。極論これらの物自体は無印良品で安く買えるんです。
現状、バンドの物販は好きなバンドのロゴやイラストが入るから、ちょっと高くても買ってしまう。そんなド直球のブランド勝負、制作販売の素人である一介のバンドマンたちにはなかなか難しい話じゃないか。
そこで、物販ブースを「ただの物売り場」と考えて、自由にアイテムを選んでみたい。普通に物自体の機能が良ければ、ブランドとか関係なしに売れるんじゃない?という多分間違っている仮説をブチ上げていこうという記事。本末転倒、バンドやめて起業しろ。
別に皆が皆Tシャツを売る必要は無いんです。ただの古着を5000円で売ろうが、野良犬にタトゥー彫って5万で売ろうが、どっかの土地にロゴ描いて5億で売ろうが、売る事自体は自由なんですよ。
売れたらラッキー。売れなくてもちょっと目立てる。
という訳で今回は、そんないくつかの例を見ていきたい。
Tシャツタオル以外のアイテムに、物販の活路はあるのか。
BABYMETALマイクロラゲッジ(Bluetoothスピーカー付)
さてこちらはBABYMETALの物販から、マイクロラゲッジ。
マイクロラゲッジって何やねん。と思ったあなた!画像をよく見てみると分かるんですけどこれ
①キャリーバッグ
②キックボード
③スピーカー
3機能キマイラなんですよ!発想がアメリカ、良くない方のアメリカ。
荷物は持ち運びたいけど、歩くのが徹底的に嫌い!
「爆音鳴らしながらコロコロの上に乗ってスイスイ移動したいなぁ」
という可愛い子供の発想を実現しているじゃないですか。すごい!さすがBABYMETAL!メタルは脳を萎縮させるぜ!

こんな感じで折りたたみ収納をすれば、通常使いも可能。というかこれ以外に実用パターンが見えない。
空港でゲートを間違って慌てて移動した経験、ありませんか?BBQにスピーカーを忘れていった経験、ありませんか?
1台3役、BABYMETALマイクロラゲッジ。気になる価格は
¥54,000(税込)
お客さん、ちょっと待って。帰らないで。
RIMOWAのコロコロなんて10万以上しますよ。乗れないのに。
ほら出張の多い方、CAの方、いかがですか。毎日重たいコロコロ引きずっての移動は大変でしょう。
「えー私EDMしか聴かなーい。メタル興味なーい」
そんなワガママなあなたにはこちらなんと、Steve Aoki モデル。

¥46,800!
ほら青木がめっちゃ楽しそう!見たところ機能性の違いは無いので単純に1万安い。
さあ、これにTシャツ詰め込んで!スイスイ楽屋入りすれば大注目間違いなし!
ゴールデンボンバー楽曲内蔵ステレオヘッドホン

「ああ、もう。ヘッドフォンのコードがからまるわ」
「かといってBluetoothは音質が悪いから嫌っ」
「もういっそヘッドフォンにプレイヤーを埋め込んでくれないかなぁ。。」
そう思った事はないですか。僕は1回もない。
こちらなんと、ゴールデンボンバーの曲、全37曲しか聴けない一体型ヘッドフォン。
普段はゴールデンボンバーしか聴かないのって貴方。ケータイのバッテリーを温存するチャンス。
早速お値段なんと。¥18,900円
高い!いや、決して高く無い!
ほら、Sennheiserのヘッドフォンなんて3万以上しますよ。音声が内蔵されていないのに。
使用者の感想を引用しよう。
”見た目はカッコよくて高級感たっぷり!
重さは思ってたよりも軽く、長時間使用していても全く疲れない。”
”音の奥行き。一つ一つの楽器の音。
そして、耳元で聴こえるキリショーの歌声!!”
”バラード曲はヤバイです!
キリショーの優しくてせつなくて語りかけるような歌声が耳元で聴ける!(´;ω;`)
歌声が近い! ”
音質に関しては皆大満足だそうです。良かったね。
なんと付属のコードをつなげば普通使いも可能!良かったね。
山崎まさよしのお面
こちら今はもう買えない幻のマスク。丁度最終回を迎えたBLEACHがアランカル編をやってた時代、2005年頃の一品らしい。
「キャハ何これ~うける~買おうよー」
というシュチュエーションしか想定していない、100%のウケ狙い商品。ウケるかどうかはここでは一旦保留だ。
実際の物販の様子がネットに上がっていたのですが
群れる事でより強烈にインパクトを強める、スイミーの戦法。目を引くこと間違いなし。
これのすごいなあと思う所が、入り口で買っちゃったら、手に持っておけないのでライブ中被るしか無いって所。
同じように皆が被ると会場は同じ顔ばっかりっていう意味不明の一体感が生まれTシャツとは比べものにならんくらいの画面映え、更にはファン同士の仲間意識が芽生えるという好循環。アベノミクス。
これはかなりポイントが高い。それにフェスとかにいるとめっちゃ目立つ。勝手に自分達の広告してくれるようなモンですよ。
機能性0だけど、よくできたグッズだなぁと勝手に深読みしています。FACTのファンとかまさにフェスで超目立ってたもん。
気になる価格ですが、なんと500円!!まさよしのツラがワンコインでっせ。丁度良い価格設定。しっかりしてるなぁ。
インティライミティッシュケース
詰め替え用ティッシュ(1個入) ¥500
詰め替え用ティッシュ(5個入) ¥500
いいグッズと悪いグッズの線引きは非常に難しいし、勿論正解は無い。
昔、筆箱にマジックでLVって書いて「ヴィトンやでこれ?5000円で売ったろか?」って言ってた嫌な先輩を思い出す。これはいかんです。
あえてアーティスト名は伏せるが、ティッシュなんて落ちてても拾わん上に、金出して買った事が無いどころか貰っても使わず捨てる事が多々。
原価の安さから商品化に踏み込んだであろう事がありありと目に浮かぶ、ティッシュ。ネタとしてもインパクトが弱い。
いや、「グッズはアーティストとファンの距離を縮める為の物。首にタオルを巻くよりも、体にTシャツを着るよりも、折角だからポケット、ゼロ距離お尻ライミでいようぜ。俺たちは!」
そんなアーティストからの賑やかなメッセージなのだろうか。マジの天才である。理解ができん。
ドロップ¥500
こちらは"ナオトゼロ距離お口ライミ"。
この3点、アマチュアバンドがこんな事真似してはいけないと思ったので紹介しておきたい。
注意してください。反感買います。

いかがだったでしょうか。
一見「誰が買うねん」って物のオンパレードですが、本当に実際誰が買ってんのかマジで分かりません。
結論、改めてやっぱりTシャツ・タオルは強い。奇をてらうなら本当に役立つ物、タイム風呂敷クラスの発明品があれば爆発的に物販の売り上げが伸びると思うので、ガンバってください。
でもまぁTシャツばっかも飽きるんで、バンドマンの皆さんは賑やかしに1つ何か作って見てはどうでしょうか。さ、鍋でも掃除機でも不動産でも何でもロゴを貼って物販してみよう。
あと「ヤバい物販こさえてます」「ライブでこんなん見た事あります」ってのがあれば、件名に【物販の件】と記載の上バンド名、画像等を添付してbasement.times@gmail.comこちらに送ってみてください。
ではまた。ありがとうございました。