バンドはユアネスみたいな売れ方も参考にすべきだ
ライブハウスから叩き上げで売れるバンドが俺は好きなんだけれど、それはもしかしたらもう古い考え方なのかもなと思ったのはこのユアネスというバンドからだ。
昔は、といっても90年代生まれなので当時を過ごしたわけではないが、話では驚く事に当時はスマホもインターネットもなかったらしい。最低限文化的な生活とは?家で何してたんだ?メイプルストーリーか?は?
そんなローテクアナログ世紀だったのでバンドが売れるにもライブハウスを起点とした口コミからでしかなく、イカ天を代表するようなテレビ・ラジオ番組に出演するにもとにかくライブハウスでのし上がらなければ話にならなかった。そういう時代だったらしい。
俺はそういう時代に憧れがあるというか、単純に叩き上げで売れるバンドストーリーがかっこいいしそれこそ本物だ!という偏った信仰があるため「バンドはライブから評価されていくべき!」みたいな軸がある。なので、マイヘアとかクリープハイプみたいなバンドは売れ方からしてかっこいいなあ。ヤバTとかポルカドットスティングレイとかミオヤマザキみたいな売れ方は何か、なあ。ずっこいよなあ。とか思っちゃうわけです。
のだけれど、これだけインターネットが発達した現代、そんなこと言ってる方が遅れてんのかなあとか思う自分もいる。ユアネス。このバンドはよく言えばすごく現代的なプロモーションをしている。
というわけで今日はこのユアネスというバンドから現代の音楽プロモーション、なんつったら難しいか。宣伝手法について、考えたいと思います。
— ユアネス黒川 (@yourness_kuro) 2018年2月7日
ボーカルの、黒川くんです。
見ての通り弾き語り動画なんですけどこれがかなりシェアされてるんですよね。
シェア。
SNS上におけるシェアってのは非常に短絡的で、ワンオクの人気曲やらボーカロイドの有名曲やらをアコースティックアレンジして弾きがたれば、そこそこに頑張っているバンドの新曲発表の軽く10倍はリツイートされるのが現代のインターネット。ツイッターの人々は結果的に人が死ぬ4コマ漫画とか1+1=2みたいな内容の恋愛ポエムが大好き。
酔いのまま少し乱暴に服脱がすような土曜の夜がよかったし、翌朝いっしょにくつ下さがすような日曜の朝がよかったし、安易にパンケーキ作っておはようとかしないで起きたら11時過ぎてて「なんかうまいそばが食いたい」「いいねそれどっか店知ってる?」とか布団の中で言い合うような時間がよかった。
— カツセマサヒコ (@katsuse_m) 2017年2月11日
きゃっ!赤くなっちゃう…!やり場のない怒りでな!!マサヒコ!!!コラ!!!
それを逆手に取ったのがこの人黒川。片っ端から有名曲を弾き語りシェア拡散。リツイートアンドリツイート。アコースティックギターの音色が女の下腹部に響きまくる。イエスインターネット。もう俺たちに居場所はない。
そんな手法で
見事に初動回転に成功。インターネットの正しさの塊。イエスインターネット。数の暴力。リツイートは正義。ライブハウスで数人いるかどうかわからん、ましてはファンにできるかなんて本当にわからん客にノルマ万札払って演奏見せるより圧倒的に効率的。死にたい。
なにがキツいって、曲すげえちゃんとしてる。歌詞性も現代的だしメロディもいいし、音楽性は00年代の残響系っぽいけどモノトーンでオーバーサイズな服装のサブカルにはウケそうなサウンド。福岡のバンドだけど、渋谷乙でウケそう。
ツイッターの人が死ぬ系4コマをそのままMVにしちゃうという大胆な戦略。マジかよ。なんでもありかよ。
でも実際問題これがウケてるんですよね。みなさん。どうすか。特にバンドをやっている人に問いたい。
一定の反感は間違いなく買うとともに、絶対に参考になるところがあると思うんです。
みなさんもこのバンドを見習ってちょっとインターネットでの宣伝方法を模索してみてはどうでしょうか。
それでは。