わかる人だけでいいからclimbgrowを聴いてほしい
よくある似たバンドを訊いた時のがっかりする感覚。ありゃなんだろう。うんざりと言っても良い。
それは丁度うっかりエンタの神様を見てしまったときの感覚に似ていて
「ああ、またそういうやつね」
という食傷的な感想に襲われる。リズムネタやってる芸人、全員リズムに合わせてぶん殴りたい。松竹芸能!!つって。
とにかく人間は似たようなもの、もう知ってるもの、そういうものが嫌いなようで、箱買いしたカップヌードルカレーも4日で飽きてしまい中身の減らない段ボールが部屋を圧迫している。
そんなうんざりでしばらく最近のバンドを聴く事をやめていたが、友人の紹介でたまたま聴いたバンド。climbgrow。これが良かった。ショックだった。こんな良いバンド見落としていたのかと。正直、紹介するのが一年遅れた。もっと早く取り上げるべきだった。
俺はとても好き。趣味に直撃の音楽性。
ただ、捻くれたことを言うなら万人にウケてほしくないとも心のどこかで思ってしまう。
こういうのが好きな奴だけにわかってほしい。好きなバンドつってYouTubeでたまたま見かけたバンド全部羅列するような奴のファッションの一部にしてほしくない。捻くれてますね。
とにかく聴いて欲しい。
完全に他のバンドと違う。これよ。こういうのを聴きたくて音楽を聴いている。
音楽を探すってことは、マジで松茸探しみたいなもんで、雑木林の中から食えないキノコを「これじゃない」「あれでもない」と探しまくってたまーに、ごくたまーに、お目当ての松茸を拾う。そういうイメージ。わかれ。
それが松茸か?それは人によって違うと思うが、俺にとってこんな立派な松茸はない。最高の松茸、climbgrow。
めちゃめちゃ言われてることだと思うけど、声がチバユウスケの少年版。本人もチバとエレカシの影響が公言していて、でもチバっぽいんだけどチバじゃない。ミッシェル好きにはぶっささりの声質。めちゃめちゃかっこいい。ラッキーストライクカートンで送りたい。好き。
声もさることながらギターワークとかリズム隊の凝り方とか、ボーカルの良さに頼らない演奏力もナイス。
というかイントロ出だしからかっこ良すぎる。4人バンドってリードギターが単音のフレーズをイントロで弾かなきゃいけないみたいな風潮があるから、どうしても似かよるんだけどクライムグローはもう単純にかっこいい。あんまりかっこいいと「かっこいい」以外に言う事ないから困る。かっこいい。
インタビューを読んでたらいい発言があった。
谷口:ライブをやっていると、対バンにダサいバンドがいるんですよ。“よくそんなレベルでヘラヘラしていられるな”みたいなバンドがけっこう多い。同じバンドマンとして恥だと思うんで、「風夜更け」を書きました。
俺はこういうこと言う人、好き。仮に俺の事嫌いでも好き。
歌詞も真っ直ぐ直情的で良い、この曲なんかは特にそう。怒りの塊というか。
「お前本当に伝えたいことあるのか」
「無理に言葉にしてんじゃねえの」
みたいなバンドってすごく多いんだけど、彼らのはちゃんと本物の叫びだと聴いてる側からも言える。
この無骨さ、かっこよさ、万人に伝わるとは思ってないし、そうあってほしくない。けど、わかる人には直撃の一発だ。
刺さった人、是非聴いてください。
それでは。