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GLIM SPANKYの新曲がめちゃくちゃカッコいい

早速だが私には常々思っていることがある。
それはざっくり言うとロックの歴史・発展というやつはラーメンの歴史似ているじゃないかということ。

ラーメンの原点、もちろんラーメンという料理自体が生まれるにあたっては、かくがくしかじか明治時代に中国料理の麺料理がルーツになって・・・なんていう話があるが、ここでしたいのはその話ではなく、私達が普段食べるラーメンというやつの一番スタンダードなやつ、支那そばとか中華そばとか呼ばれることもある、いわゆる普通の醤油ラーメン。チャーシューとメンマと白ネギとナルトが乗ったアレ。

醤油ラーメンはロックで言えばクラシックなロックとかブルースとかにあたるわけだ。みなさんなら私の言いたいことがわかってもらえると思う。

その後ロックが発展するにつれて派生や吸収などを繰り返しパンクやメタル、オルタナティブ、インディーロックなどなど沢山の音楽ジャンルが生まれた。
ラーメンでいうとその辺りは二郎系やら、家系やら、まぜそば、つけめんなんてのにあたるだろう。多分二郎系ラーメンはメタルにあたると思う。

 

とまあ早速脱線したところから始まってしまったが、今回の記事はロックバンドGLIM SPANKYについて。

GLIM SPANKYというバンド、割としっかりとコンセプトが決まっているバンドで、テーマは「ロックとブルースを基調にしながらも、新しさを感じさせるサウンドを鳴らす、男女2人組新世代ロックユニット。 」ということらしい。

ラーメンで言えば、二郎系やら、家系やら、まぜそばやらの味の濃いラーメンが主流のこのご時世に、昔懐かしい醤油ラーメンを、今風にアレンジしつつ、それを主力に経営しているラーメン屋といったところだ。

いいじゃないですか。そういうの。
確かに醤油ラーメンは今の流行りのラーメンと比べれば味も見た目もインパクトに欠けるし、イマイチ勝負しにくいところであると思うことがある。

しかし、それでもなお、たまに食いたくなるのがあのクラシック中華そば。特に飲み会なんかで騒ぎ散らかした後の深夜に食うラーメンは中華そば以外ありえない、そのタイミングで二郎を食うやつを僕は軽蔑している。

GLIM SPANKYというバンド

初めて彼女らが世間の目に映ることになったのは2009年の閃光ライオット。

当時はまだあどけない顔つきをした少年少女だったが、ステージに上がり鳴らした音は想像を超えてパワフルだった。
あの時の衝撃とともに彼女らの名前を憶えている人も少なくないだろう。

その後順調に伸びていった彼女らは2014年にメジャーデビュー。

 


GLIM SPANKY - 焦燥

コチラがその際の曲。

現代の売れっ子プロデューサー、いしわたり淳治を迎え制作された、この曲は閃光ライオットの時からの彼らのキラーチューンをリアレンジしたものだ。

2009年当時ですでに図太いロックだったが、リアレンジされさらに図太くなって帰ってきた。

ベースのハマオカモト、ドラムのBOBOが生み出すねちっこいグルーブも聴きどころであるが、それよりもインパクトがあるのがボーカルの声。

リリース時22,23歳とは到底思えないシャガレボイス。
こういうのは人生の酸いも甘いもの、”酸い”の部分のスペシャリストが30代くらいになって出すもんだと思っていたが、実際に出ちまっている。

 

クラシックなロックやブルースを今の日本でやるだけでは評価できない

さて、記事の流れはこのままいけば「グリムスパンキー良いよね!」という形で終わりそうであるが、今回は残念ながらそうはいかない。

コレが二郎系ラーメンみたいな音楽性のバンドであれば「味濃いね!ニンニクいっぱい入ってるし!最高!合格!」となるのだが、こと醤油ラーメンに関してはそうはいかない。私は醤油ラーメンに関してはうるさい男なのだ。


GLIM SPANKY - MOVE OVER

耳にしたことのある方も多くいるとは思うが、例えばこの曲とか。

ご存じ、この世で一番歌の上手いヤツの一角、ジャニスジョプリンの名曲「MOVE OVER」のカバーである。

別にこのカバー事態にいちゃもんをつけるわけではなく、GLIM SPANKYのカバーにはオリジナルにはないGLIM SPANKYの魅力があると思う。
なんでかグルーブがブルースっていうよりミクスチャーロックみたいになってるのも面白いと思う。

 

ただ、なんだ・・・。
GLIM SPANKYとジャニスジョプリンが横に並んでたら俺はジャニスジョプリンを手に取ってしまうんだよな。平たく言うとそういうことなのだが。

だってラーメンを食べるとして、インスパイア系の店と本店が並んでたら、本店入るでしょ?だってそっちが本物だもん、この気持ちわかってもらえると思うんだけど。
 

醤油ラーメンで勝負すると決めたら最後、どこまでもつきまとってくるのが、レジェンド達の存在なのである。

今音楽をラーメン屋に例えているように、それが実際の店舗であれば場所や時間の問題で、物理的に食べられないラーメンなんてのがあるのだが、話が音楽ともなると全く状況が違う。

言うまでもないが音楽は場所と時間を超越するのだ。
今のご時世に醤油ラーメンで勝負するということはすなわち、醤油ラーメンという概念を作り出した伝説のラーメン屋の隣に店をオープンするということとなるのである。

もちろん、リアルタイムで活動しているバンドであることや見に行こうと思えばすぐにライブだってみられることなどを考えれば完全に同等というわけではないが、音楽・音源だけに焦点を当ててしまうとそうなってしまうのだ。

といった具合でオールドミュージックという側面ではジャニスジョプリンを筆頭に実に多くのレジェンド達とぶち当たることになる。

さらにGLIM SPANKYを構成している音楽的な側面、それぞれを考えてみたが、全部の側面でエゲつないのにぶち当たっている。

まず古い音楽のリバイバルという面ではVintage trouble、流れている血のレベルで既に圧倒的。黒人は反則。正直古い音楽リバイバルというフィールド上では誰も勝ち目がないだろう。

古い音楽と現代の音楽との融合という面、コレに関してはLOVE PSYCHEDELICOの方が上手にやってのけていると思う。ビートルズをヒップホップのビートに乗せて英語と日本語がくちゃくちゃになった歌を乗せるというとんでもないことをしながら平然としていられうのは彼女らだけ。

じゃあクラシックなロックやブルースでない方の音楽性の面で考えると、今度はSuperflyにブチあたる。両者ともプロデューサーがいしわたり淳治ということもあってか、GLIM SPANKYには”声がしゃがれたSuperfly”みたいな曲が結構あるし、この曲とか特にそう思う。(この曲は亀田誠治プロデュースだけど)そもそもの音楽性が結構似てるんだろう。

 

クラシック中華そば界隈は、そのイメージとは裏腹に古今東西のレジェンドひしめき合う超激戦区なのだ。

GLIM SPANKYの立ち位置はダイレクトに音楽が被っているバンドはいないものの、すぐ隣にレジェンド級がうようよしている状態なのである。

私たちがリスナーとして、上に挙げたようなレジェンドたちとGlim Spankyを並べて見せられた時、どうしてもちょっと物足りなさを感じてしまうだろう。「良いと思うけど、べた褒めはできないな」という感じ。

方向性としては是非とも応援していきたい方向であるのだが、今一歩どこか足りない。ボーカルの声以外に他と比べられないような圧倒的な個性のようなやつが足りないように感じるのだ。とってつけたような個性じゃなくて、根元から斜めに向かって生えているような個性が。

 

アルバム収録曲のおよそ半分がタイアップ曲と、ゴリ押しともとれるほどの力の入れ具合に対し、知っている人は知っているけど知らない人は知らないくらいの何とも言えない知名度と、未だヒットソング無しの状態。
こうやって書いてみると、この結果も上に書いた、レジェンド達に埋もれない強烈な個性が足りないのが原因の一つではないかと思うわけだ。

 

GLIM SPANKYの新曲がめちゃくちゃカッコいい

コチラが最近リリースされたばかりの新曲。


GLIM SPANKY - 怒りをくれよ

クラシック中華そばにとんでもねえスパイスを入れてきやがった!

鈍感なふりして あげるからほら調子に乗れ
最低なセリフで もっと怒りに火を点けてくれ

ここ数年で一番印象に残ったパンチラインだ。冒頭15秒でケリをつけに来ている。

聴く前は特段何かに怒りを感じていたワケでもないのに、歌いだし数秒で一気にスイッチが入る、この歌詞のラインを先頭に持ってきたのは、もう天才としか言いようがないだろう。

あと3分強ずっとキレっぱなしなのも最高。ここ十数年でリリースされたロックの中で一番キレてる。最近の若者はキレることが減ってきているが、やっぱりロックの醍醐味というか、ゾクゾクする感じ。そういえばロックを初めて聞いて震えた時の気持ちはこんな感じだったのを思い出した。

 

挑戦的なテーマに、ボーカルの松尾レミの説得力のある声が相まって、醤油ラーメンの範疇を超えた新しいラーメンが生まれた瞬間だと思う。

僕はラーメンに関しちゃ、結構食べ歩いてきた自負があるのだが、この味は初めてだ。

このラーメンはどんなレジェンド達を聞かさっても見つけることはできない、GLIM SPANKY、彼らだけの味である。素直に超カッコいい。

 

さて長々と書いてしまったが、結局言いたかったのはGLIM SPANKYの新曲がめちゃくちゃカッコいいということである。

いかがだろうか、みなさん。僕は久しぶりにロックで震えた。

では今回の記事はこのあたりで。

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