王者のドライブ感 Yngwie Malmsteen
「俺の家は1622年に国王からナイトの称号を託された。俺は貴族なんだ。(壁に飾られた紋章を指差して)あれが俺の紋章だ。マルムスティーンというのは”銀の鉱石”という意味なんだ」
この世には生まれもっての貴族がいる。
そう、「インギー」ことYngwie Malmsteen(イングヴェイ・マルムスティーン)だ。
Yngwie Malmsteen
ロックやへヴィーメタルの世界では知らない人はいないだろう。
Far Beyond The Sun - Yngwie Malmsteen
化け物である。
箒で掃くような動作の『スイープ奏法』を世に知らしめた。コードを分解して弾くことから『ブロークン・コード』と呼ぶこともある。
クラシックの要素を盛り込んだ音使い、本人ですら何分音符で弾いているかわからない音の詰め込み具合。
上品かつ下品である。
ネットでは卓越したギターテクよりも彼の名言・迷言が有名になっている。
名言は『ナルシスト系』と、『ディスり系』の2つに大別される。ネットの海から引用してこよう。
『ナルシスト系』
「バッハが死んでから誰も作曲はしてこなかった。みんなバッハの真似なんだ。
それ以後、初めて作曲をしたのは俺なのさ。」「人間には2種類のタイプがあると思うんだ。
上から押し付けられて酷い目に遭うと、弱くなっていってそのうち壊れるタイプともっと強くなるタイプ。
俺は後者だ。
殴られれば殴られるほど強くなっていく」
自信過剰な上にドMである。
『ディスり系』
Yngwie Malmsteen - Heaven Tonight
「"Heaven Tonight"って曲は※ジョーが独りで作ったものだし・・・彼は唯一の相棒だよ」(※元メンバー、元ソウルメイトのジョー・リン・ターナ)
↓
「”ODYSSEY”の曲は全部俺が書いたもので、ジョーの手などどこにも加わっていない。
あんな奴、一緒にツアーするのも苦痛だった。
ソウル・メイトがきいてあきれるよ。』↓
「("Heaven Tonight"を指して)あの曲はゲイだよ!」
あまりにディスりすぎて、わけがわからなくなってしまっている。
第3期『ライジング・フォース』メンバー、元ヴォーカリストのマーク・ボールズが私は一番好きである。その頃の楽曲が本当に素晴らしい。
『Trilogy Suite Op. 5』、『CRYING』 なんかは紛れもなく名曲であろう。
楽曲に油が乗ってきた上、イングヴェイ様自身にも油がのってきた。
Yngwie Malmsteen - Trilogy (Full album)
ん~、やっぱりマーク・ボールズいいな。
最初3曲、全部シングルカットできそうなぐらいかっこいい。そして、セールス的にも大成功。
マークはすぐにポイ捨てされ、
「…あの当時、彼は髪の毛の問題があったんだ。
ハゲ始めてきたからカツラを手に入れたんだが、カツラを手に入れた途端、
自分は世界で一番のスターだと勘違いし始めたんだ。
それに、彼は変な行動が多かったね。変わっていたよ。手に負えなかったね。
クレイジーだったよ」「マーク・ボールズは何でも歌ったよ。
もし俺が「メリーさんの羊を歌え!」って言ったら、.
歌っていたと思う(笑)」
この言われようだ。
なんのインタビューだったか覚えていないが、私の一番好きな名言がある。
インタビュアーが失礼なのを承知で彼に『このアルバムは、リズムの取り方が特徴的ですね。(ズレてない?)』と言った。
『王者のドライブ感さ。』
彼は答えた。
それ以来、リズムがズレていることを『王者のドライブ感』と形容するようになったのは言うまでもない。
読者の皆さんも一日に挨拶と同じぐらい『リズムズレてない?』と言われる生活を送っていると思うが、『王者のドライブ感』と答えよう。
今日からあなたも貴族の仲間入りだ。
Yngwie Malmsteen Guitar Lesson
レッスン動画も素人に教える気はこれっぽっちもない。『スローでいくよ?』とかいいながら、速い。
このような人間性の彼だが、ギターに関しては誰も文句は言えないだろう。
ももいろクローバーZ - 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」イングヴェイ&マーティMIX
誰も文句は言えないだろう。