まったりしよう 大山百合香
大山 百合香(おおやま ゆりか)は鹿児島県奄美群島沖永良部島出身(中国語のようだ。)のアーティスト。
深い透明感と、やすらぎに満ちた歌声。せかせかした音楽が好きな人も立ち止まってきいてほしいアーティストだ。
小さな恋のうた 大山百合香
そう、ご存知モンパチことMONGOL800の小さな恋のうただ。
おいおい、カバーかよ。と思うなかれ。
小さな恋のうた、数多のアーティストにカバーされてきたが、聴いた中ではこのカバーが一番心地いい。
民族調、カントリー調がしっくりきている。
なんと表現したらよいのかわからないが、大山百合香の声は内包する情報量が多くないだろうか。
しっかりトレーニングを積んでいるだろうボーカルを聴くとこういう感覚になることが多い。
実際ヴォーカル学科卒らしい。私も真剣に通おうか悩み始めている。
「小さな恋のうた」はCMで聞いたことがあるかもしれない。
アルバムにはもっといい曲が入っている。余り知られていないのがもったいないと思う。
オリジナルも良い感じである。
大山百合香 - 夏のしずく
冒頭の弦の音が卑怯である。ゾクゾクする。
ボーカルだけ聴き入るなかれ、バックの演奏がすごい。
ギターのワウ混じりのカッティングが半端じゃない。エレピも手練の音がしている。
誰が弾いているのかさっぱり知らんが、強者臭がすごい。
ちょいちょい河童の映像が入って、なんだと思った人もいるだろう。
この楽曲、『河童のクゥと夏休み』というアニメ映画の主題歌になっている。
劇場版「クレヨンしんちゃん」シリーズの「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」で子供だけでなく大人たちも感動させ、高い評価を受けた原恵一監督によるアニメ。木暮正夫の児童文学を原作に、不思議な力を秘めた河童のクゥと少年の友情を描く。小学生の康一は、学校からの帰り道に大きな石を拾う。持ち帰って洗ってみると、それはなんと河童の子供だった。康一は河童にクゥと名付け、一緒に暮らし始めるが……。
あまりに完璧な解説なので、そのまま公式より引用。
異論は認めるが、劇場版「クレヨンしんちゃん」シリーズでは
「 雲黒斎の野望」「ヘンダーランドの大冒険」「オトナ帝国の逆襲」「戦国大合戦」が好みである。
その、『オトナ帝国』、『戦国大合戦』を作った人間の新作だ。
この二作品、『クレヨンしんちゃん』の作品ではあるものの内容が重い。というかオトナ向けである。
『河童のクゥと夏休み』の内容も、攻撃的だ。
人間の汚さが全編通して痛烈に描かれている。
それを大山百合香の優しい声が包み込む。
映画もオススメだ。
温かいのだが、私は終始毒々しい感じを受けた。
『かっぱちゃんかわいい~!』という純粋な子どもが観るのには向いていないと思う。
さて、沖縄や南方の島々の出身の歌手って、民謡の歌唱法を多用して独特な世界観を出すフシがないだろうか。
当然素晴らしいのだが、延々と聴いていると疲れてこないだろうか。
大山は、多用はせずに 『ここ!』というポイントで入れてくる。
パッっと花が咲くような個性の出し方、素晴らしいと思う。