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2015/09/07

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何故日本発の音楽ジャンルが少ないのか? 前回と違った見方で考えた。

こんにちは、この記事は前回ジョルジュ君が書いた、何故日本発の音楽ジャンルが少ないのか? 邦楽、洋楽の違い 聴き方編の別回答となる記事なので、前回の記事の概要を掴んだ上で読んで見て欲しい。

前回の記事では

邦楽アーティスト → 聞き飽きてしまわないように、一枚のアルバムのなかに様々なジャンルの音楽を内包する。
洋楽アーティスト → そのアーティストに求められている音楽、ジャンルの音楽をアルバムに入れる。

*全てのアーティストがそうなわけではないが。

という結論に達していた。
これも一つの解釈ではあるが、筆者はもっと違った結論もあるんじゃないかと思いこの記事を書いている。

日本発の音楽ジャンルが少ないのは、単にリスナーの許容範囲と市場の狭さが問題なのでは?

アイドル的なミュージシャン程ジャンルがブレる

前回の記事では、邦楽は一枚のアルバムにいろいろなジャンルの音楽が、洋楽はそのバンドが属するジャンルのみの音楽が含まれていることが多いという主張であったが、どうだろう。
そうかもしれないが、そうでないような気もする。

前回挙げた例がレミオロメンとオアシスなのが問題ではないだろうか。
オアシスは確かに何を聴いてもオアシスだが、数百年後の歴史の教科書に載るような突き抜けた王道バンドであるが故にこの場合の例としてふさわしくないと思われる。

例えばアメリカのポップバンドとしてOneRepublicを挙げれば


こんな曲から

 


こんな曲まである。
これジャンル何だ一体…?

 

彼らはしっかりバンドだが、これがアイドルとかになってくると日本とそう変わらない。
今も昔も日本よりダンス色が強いな、というだけだ。

さらに言えば、邦楽でも前回の記事で特例として挙げられていた凛として時雨のように、有名ながらも一つの音楽性で貫き通すバンド・アーティストも少なくない。
むしろバンド音楽でいろいろな音楽性を詰め込んでいるバンドの方が珍しく思える。

結論としては、洋楽邦楽全体を通してメジャーレーベル色の強いバンド・アーティストは一つのジャンルに留まらない傾向にあると思われる。
言い方を変えれば編曲者の影響力が大きければ大きいほどその傾向が強まる。
ただただバンド畑で育ってきたバンドがいきなりジャズテイストの曲・複雑な打ち込み音楽等できるはずもなくこれらは編曲者のテコ入れ、もしくはアゲハスプリング(メジャー音楽の大部分に関与している作曲者集団、これに関しては後日)の影響と見るのが妥当だろう。

 

洋楽邦楽の違い

では、一つのアーティストが演奏するジャンルの多様性について、洋楽邦楽の間に何も違いはないのか?と言われるとそういうことでもない。
メジャー色が薄く編曲者の手が強く加わっていない音楽がチャートの上位に現れる、その割合に違いは顕著に現れている。

洋楽では一つの音楽ジャンルに特化したバンド・アーティストがメジャーシーンを彩ることが少なくない。
特にUKのチャートはそれが顕著で(まぁOne Directionが年間トップだったりするけれど)、無名のミュージシャンがチャートのトップを飾ったり、年間ランキングの上位にバンド音楽や独自の音楽性で一貫したミュージシャンが名前を残すことも珍しくない。

それと比べると邦楽ではメジャーレーベル色の薄いバンドがシーンに進出することが少なく思える。
原因は市場の狭さや、メジャーレーベルの顧客囲い込みの弊害等まぁ色々あるが、今回は前の記事にあった

「ロンドンでもやってる音楽なんてのは、ネットで調べて出てくるのと大差はなかったけど
それよりも、音楽を聴く側の意識が日本と全然違って面白かった。
クラブミュージックもロックも別けて聴かないというか、みんな音楽は音楽として垣根なく楽しんでいた。」

この部分をピックアップしたい。

しっかりと統計を取った上での話でないのでどこまでも憶測ではあるが、海外ではさまざまな音楽が許容される土壌が育っているように思われる。
上記の話もそうだが、海外ではライブでの盛り上がり方や、ストリートミュージシャンに対する温度など、見知らぬ音楽に対して各々が抱えている敷居が低い、もしくは許容的な人が多いのではないだろうか。

日本は世界二位の圧倒的な音楽市場、とはいうがCDが握手券つきで売られているので売れているだけで音楽の許容範囲や興味は海外と比べて薄い。
語弊を恐れずに言えば、音楽を楽しんでいるというよりは、自分の所属欲求を満たす為に音楽を使っているだけで、自分の所属を表す音楽以外には全く興味がないというリスナーが多いように思われる。
いや別に音楽に興味を持つことは義務ではないので何も悪いことではないけれども。

 

結論

そんなこんなで新しいジャンルが許容されずらい体制になっており、新しい芽が育つ前に潰れてしまうので日本発のジャンルというものがなかなか育たないのではないだろうか。
ただ、この状況の中でも新しい芽を出し、小さいながらもムーブメントを作っているバンドやミュージシャンはいる。
地下室TIMESは、そんな音楽が一つでも多く陽の目を見る日は来ればいいなと思っている。

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