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残田 響一

2015/09/07

記事

テン年代関西ディープ轟音シューゲイザーシーン

関西には魔物が住む。若き飢えたこころを、暴虐なる轟音に乗せて叫ぶ者たちが。
機材(エフェクター)をオーバーキルじみて使いこなし、妙なる轟音をぶちかます。

上の画像のような、こんな具合な研究会を開くほどに。

(6人で278台のエフェクター!)

 

関西には詩人たちが住む。若き透明なこころを、そのまんま透明な音作りと、世界観でもって、こちらに提示する。
未だ自然に生きる無垢なこころの透明さ。静寂シーンにおける涙が出そうなほどの美しさ。

 

今宵、筆者は独断と偏見による、関西若手シューゲイザーシーンの各バンドについて語る。
関西は深いので、もっともっとバンドが出てくる。このシーンがいずれ日本ポストロックの転換を果たすこととなるだろう、と筆者は確信している。

……とはいいつつも、結局はお気にのバンドを紹介するってだけなのだけど。

 

深海600m

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公式HP

大阪を中心に活動。

先日1stepを出し、この四月、初の自主企画合同ライヴをする、という、今波に乗っているシューゲイザーバンドだ。深海だけに!(黙れよ)

その音世界は、まさに「海」! 潮騒の流れる音、深海の静謐かつ暴虐的な音、そして光に満ちた大海まで描く。海に住まう音の画家だ。

まるで映画音楽のようなシンフォニックなシンセと、時に繊細、時に暴虐になるギターのカラミが美しい。

じっと目をつぶって、まぶたに情景が流れていくのを焼き付けたい。そうかと思えば、腰が抜けるほどの轟音の狂気に恐れ入りたい。

1stepは、現在公式HPから通販を行っている。素晴らしい盤だった。

 

僕を殺す世界へ

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公式HP

奈良を中心に活動する3ピース。

現在、メンバーの都合で、ライヴ活動を休止しているが、去年、デモ音源CDを出し(音源のいくつかは公式HPのバンドキャンプで聞ける)、復活の時期を虎視眈々と狙っている、おっそろしい轟音を放つバンド。

実際ライヴを体感したのだが、音の壁に殴られるかのようだった。

じゃあただデカい音をだしているだけか? 違う。この動画の最初のほうでの、痛ましいほどの真実さをたたえる静謐な歌はどうだろう。

そう、このバンドは、静と動のコントラストが激しすぎるのだ。その両方において、見事な詩人の魂を表明する。

詩人が描く、詩人が見たこの世の風景。そして人間の魂の形……葬る、葬式音楽。

 

Alice Kitela

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公式HP

大阪を中心に活動。

実験的要素を大胆に取り込みながらも、磨かれた音と、疾走感溢れる轟音でもって、詩人の魂を表現する。
ポストロックにとっては仮想敵だった「メタル」のイディオムさえも大胆に導入し、自然の美、夢幻の世界を描く。

独特の味のある高音ヴォーカル、攻撃的なギター、当然ながらエフェクティヴな音色。シューゲイズの王道であるが、どこか「孤高」のたたずまいを見せる。柔らかな笑顔を見せながらも、深く、静かに沈行す……。

また、後述の「土曜日と人鳥とコーヒー」のメンバーとともに、ネットレーベル「neksia records」を展開する、DIY精神!(ここでアップされている無料EP音源、これがいいんだ。最新系のこの2バンドの姿が見えてくる)

下のライヴ映像は、今年になってからのものだ。様々な要素を絡ませる……!

 土曜日と人鳥とコーヒー

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公式HP

神戸・関西を中心に活動。「土曜日と「ペンギン」とコーヒー」、である。通称どよぺん。

どこか白昼夢のような、懐かしい風景を、これまた磨かれた(コーラスエフェクターの使い方は絶品!)音と、独特の切ないヴォーカルと、そして轟音でもって描く。

深海600mとはまた違った意味で映画音楽のようである。しかしこちらはより「人」を描いているように見える。もう戻れない場所、もう戻れない風景、人たち……。

耽美である……!

また、前述したように、このバンドのメンバーは、Alice Kitelaのメンバーと共同で、ネットレーベルを立ち上げている。

 まとめ

いかがだったであろうか。四バンド四様の轟音と静寂のたたずまい。

このような若い才能が、ひしめいているのが関西のディープなシーンなのだ。いまやどこにいるのか? と怪訝になってしまう「音の詩人」であるが、彼らはここにいるのだ……。

彼らは一様に、機材に執心し、自らの音を磨く。それは、ひとえに自らの出したい音が明確になっているから……否、「彼らの世界」を提示したくて仕方がないのだ。

それもそうである。

なんてったって、彼らは詩人なのだから! 己の網膜と耳とこころに写ったものを、表現しない理由があるものか! ある意味で芸術家肌、ある意味で探求者。それが、関西シューゲイザーシーンの「いま」なのである。

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