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2015/09/07

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30年前の音楽を今更焼き直す意味 Lilies and Remains

ひっそりと続く邦楽New Wave界のいまや顔とも言えるべきバンド、Lilies and Remains
一口にNew Wave/Post Punkと言えど、各バンドそれぞれが個性と言える部分を持っており、ジャンルの枠組みよりもむしろ、その各々が抱える個性がリスナーたちにとっては要の部分となっている。

リリーズの色は完全に"80sニューウェーブ"
徹底した80年代の匂いと、国外ニューウェーブ界で闘える日本人離れしたセンス。それが彼らだ。

地下室TIMESらしくない小難しい言い回しの枕になってしまったが、文字でよくわからなくても聴けばわかる。理解できずとも良い物は良い。
「なんだ難しい音楽か、私には関係ないや」
などと思わずに是非聴いてみて欲しい

80sニューウェーブ

代表曲でもなんでもないが、聴いたことがないという人には是非Part of Graceから。
ポップでありつつも根幹はインディー。
良く分からぬままいきなり飛び込んできたリスナーが足を止めやすい一曲だ。

1stミニアルバムで、その若手らしからぬ才気を高く評価された彼らだが、彼らの本領はむしろ2nd以降だ。

 

お世辞にも似合ってないサングラスと、高校生の小遣いで作ったかのような低予算PV。
「そういうファンしかいらない」
そう言い切っているかのような一曲。
この一曲だけ引っ張り出すと、その強烈なクセに違和感を感じっぱなしになってしまうが、アルバムを通して聴くと不思議とすんなり飲み込めてしまう。
そのへんのバランス感覚やアルバム構成の上手さ等もLilies and Remainsの強みだ。
特に2ndは必聴。頭から最後まで通して一曲だ、と思えるほどの完成度だ。

わざわざ古臭いシンセを持ってきて、ギターには今の流行りから逸脱したエフェクトを掛けるところなど隅々まで80s。キュアーやエコバニがそのまま現代に舞い戻ったかのようだし、声の加工なんかは完全にロゼッタストーンだ。

 

そんな古臭い音楽を今更

「そんな古臭い音楽を今更やることに何の意味が。ただの時代退行だ」
そう評する人もいるが、そんな過去の音楽を今国内でやることにこそ意味がある。

たしかに音楽のメインロードがどんどん先に進んでいく上で、着実に新しい発明は受け継がれている。
それはわかりやすく例えるならダンスミュージックから生まれた裏打ちや、クラプトンが始めた英国アンプの歪みサウンドが、今の邦楽ロックを支えている所であったり、ポップミュージックから生まれたBメロの概念等だ。
しかしその裏で失われていったアイデアも多く存在する。
リリーズはそれを、現代の音響・録音環境やその当時存在しなかった音楽からの借用を通して吐きだしている。それは一種新しい音楽だし、隣接するバンドにも良い影響を与えてゆく。

そして何より、この音楽が生で日本で聴けることに意味がある。

なにか惹かれるものを感じたのならLilies and Remainsで是非一度80年代を体感してみて欲しい。

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