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2015/09/07

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歌詞から覗く音楽 Galileo Galilei

あなたが音楽を聴くうえで大切にしているものはなんだろうか。

私は音楽の聴き心地と同じかそれ以上に歌詞を大切にしている。
あなたはどうだろう。
私のように歌詞の方を重要視する人は少なくないんじゃないだろうか。

どんなに美しい旋律もかっこいいリフも、それに乗る言葉一つで興ざめしてしまうことがある。
また逆に音楽としてありきたりだと思っても、そこにある一言がリスナーの心を揺さぶるなんてよくあることだ。
音楽とそれに乗る歌詞は切っても切れない関係だ。

ここでは、私の独断と偏見、且つ愛を込めて不定期に、「歌詞」を中心に音楽を見ていきたいと思う。
今回は「Galileo Galilei」の歌詞に迫って行きたいと思う。

 

Galileo Galileiって?

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北海道稚内市出身の3人組ロックバンド。

左からドラムス尾崎和樹、ボーカルギター尾崎雄貴、ベース佐孝仁司。尾崎雄貴、尾崎和樹は兄弟だ。

東京FMが放送しているラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」が主催する10代ミュージシャンたちのフェス型コンテストイベント「閃光ライオット」で、2008年に初代グランプリに輝いた。
この「閃光ライオット」で彼らのことを知った人も多いだろう。

その後高校生のうちからミニアルバムを全国展開でリリースするなどして、日本の北端から現れた気鋭の新人としてメディアでも大きく取り上げられていた。
現在もメンバー編成を幾度か変えつつも活発に活動し、今年の3月11日に新しいシングル「恋の寿命」をリリースしたばかりである。

尾崎雄貴の言葉たち

私は稚内の空の重さを知らない。
風の冷たさを知らない。

けれど尾崎雄貴の歌詞を読むと、ガリレオの音楽を聴いていると、そこが線路のある海で浜辺でくじらの骨を拾い上げることもできるような気さえしてくる。
ただ、そこはいつでもただ美しいのではない。
心の片端を死に近づけていくような退廃的な美しさが、ガリレオの音楽の周りを取り巻いている。

その印象はアルバム「PORTAL」の頃からどんどん強くなっている。
尾崎雄貴の目を通して見られた世界が、エフェクトをかけられて口から吐き出されるようなイメージ、と言えば伝わるだろうか。
それは冷やかで、現実を一歩踏み越えたようなフィクションの気配が漂っている。
人間臭くないからこその美しさや静謐さが、言葉中に溢れているように思う。

そしてここで、私がガリレオに対してそのような印象を持つきっかけにもなった、私の好きな歌詞の一片をいくつか紹介する。

 

砂浜と線路
海の上をはしるトレインは終着駅へ
やる気のない黄色い太陽が沈んでしまう
言葉をつらね寒さを煙にまく毛布を作ってあげる
ノートの上で眠っているような君に

Galileo Galilei くじらの骨/「PORTAL」より引用

種まきの季節が近づいて 砂の城を後にした
振り返ることは決してないさ 崩れてしまうから
だんだん年をとっていくたび あなたの声もゆるやかに老いて
次なる小さな花の種を 土の上に吐いて死ぬんだ

Galileo Galilei 星を落とす/「PORTAL」より引用

もうできないと思ってたんだ
浜辺で見つけたオイルランプはトランクで錆びてる
「あいつはなんにも見えてないよ」
そんな言葉が浮かんでは消えたアイロニー 最期だ

Galileo Galilei Jonathan/「ALARMS」より引用

 

ガリレオの音楽はアルバムを経るたびにどんどん研ぎ澄まされていくように感じている。
歌詞の世界は振れ幅を増し、メロディーも美しく、強くなっていく。

ただ、「パレード」「PORTAL」がリリースされた頃のような熱いレコメンドが、心なしか減ったように感じられる。
「ガリレオか、最近聴いてないなぁ」というようなセリフを聴いたこともある。
確かに高校生が青春を高らかに歌い上げるようなみずみずしさに溢れていた初期のガリレオのファンだと、そういう人が多いことに不思議はないかもしれない。
けれど私のように、思春期を越えたガリレオを改めて聴いてはっとする人も少なくないだろう。

 

最後に

今回私が紹介したようなイメージは、あくまでガリレオの音楽の一側面でしかないだろう。
実際、「Mrs.Summer」や「恋の寿命」等の歌詞がこの記事での紹介にそぐわないことは承知している。
けれど出来る限り俯瞰してGalileo Galileiを聴くと、この印象が私の中に一番色濃く残っていた。
そしてその色のGalileo Galileiが一番好きで、もっと多くの人に聴いてもらいたい、と思った。言い訳がましかったら申し訳ない。

メンバー編成がみるみるかわる時期もあったし、あの10代の頃のようなメディアの騒ぎっぷりもなくなってしまった。
けれど、今でも彼らは歌詞も音楽も、他のジャパン-ポップネスバンドとは一線を画している。

一度、詞を見ながら彼らの曲を聴いてみてほしい。

 

 

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