こんなの卑怯だろ、なんでアメリカ人のバンドはあんなにハイレベルなのか?
こんにちは。
日本国民は、基本的に外国コンプレックスである。
何にしろ、音楽に関しては外人には勝てねえ!と、いった風潮にある気がしてならない。
筆者は今年で渡米9年目を迎えた訳だが、正直なところ、やっぱりアメリカ人共の鳴らす音楽はクオリティが高い。
いや、しかし、何故ゆえにこんなにも差が出来てしまうのか?
ロックンロールやヒップホップ、ジャズ、ブルースの起源や、海外諸国の文化背景から辿ってしまうとキリがないので、私なりに思い当たる節をまとめてみた。
音楽を「始めて続ける」がやりやすい
ロックの英才教育
楽器を始めるのが早いのなんの。
実家の両親が持っている楽器から入る事が多い。
小学校3-4年生、早ければ5歳や6歳からギターなりドラムなりを始め、中学生に上がる頃にはオリジナルバンドを組んでいて、都会のハコでインディーズバンドの前座を務める事も珍しくない。
去年行った、マキシマムザホルモンNY公演の前座バンドは中学二年生だったらしい。
それに、子供の学習能力というのは恐ろしいもので、興味のある事への吸収率が半端ない。
日本人のティーンエージャー達がギターのFコードに悪戦苦闘している一方で、オリジナルソングで前座を務めるアメリカ人中学生…演奏力に差がつくのは仕方ないみたいだ。
スタジオ代・ハコ代がほとんど掛からない
郊外に住むアメリカ人は、とにかく家が広い。
ティーンの頃にバカデカい音でギターをかき鳴らしたところで、お母さんに叱られても、近所迷惑にはならない広さの家に住んでいる。
例えるならば、日本の一戸建て2-3件分の庭がある家で中産階級の普通のお家なのだ。
都会に引っ越した後も、家会の延長でルームメイト全員を巻き込み、シェアハウスの地下室でミニライブを気軽に出来る。
バンドメンバーとルームシェアをしている人も結構いるらしい。某セカオワみたいだが、米国ではさして珍しい事ではない。
また、小洒落たバーやコーヒーショップ、アートギャラリー等では、格安でショーができる。
この場合はハコ代だけを支払えば、特にノルマはない所が多いらしい。
ライブのチケットが安い
ほぼ無名で、バー、コーヒーショップ、アートギャラリー等で演奏するバンド:
無料~$5, $10(日本円で約600円~1200円)
インディーズレーベルのバンド : $15~$60 (日本円で約1800円~7200円)
(TV on the Radio, Of Montreal, etc)
全世界の人が知っているであろうバンド: $70++(日本円で約8400円以上)
(マリリンマンソン、レッチリ、レディオヘッド etc)
音楽フェス:三日通し券で$300 - $400 (日本円で約36,000円~48,000円)
私は音楽を聴く専門の人なので、このチケットの安さは本当にありがたい。
この値段の相場は、バンドに限らず、ハウスやエレクトロ、ヒップホップDJのイベントにも当てはまる。
結構有名なThe Rootsのドラム、Questloveが毎週木曜日にやっているイベントも$10(1200円)と、日本のチケット代と比べると破格。
ニューヨークでは、夏になると野外音楽フェスが無料だったり、音楽へのアクセスがしやすい。
とにかく、バンドにせよ、宅録にせよ、DJにせよ、アメリカは音楽を始めて継続する敷居が極めて低いのだ。
それ故に、無名でも演奏力が高いバンドがうじゃうじゃしている。
しかし、その分ミュージシャン志願者も多いので、競争率の高さは否めない。
コレを読んだ日本の未来のミュージシャン達、肩を落とすでない。
演奏が上手だからといって『オリジナリティがあるか』、『売れるか否か』は、全く別問題だ。
アメリカでソールドアウトをかます、超絶人気の日本人先輩バンドもたくさんいる。(有名所だと、ホルモン、Dir en Grey、ギターウルフ、少年ナイフ等)
しかし!!バンドや音楽を始めるきっかけは、
「女にモテたいから」
「目立ってチヤホヤされたい」
解散理由は、
『女絡み』
『自己顕示欲のせめし合い』
「俺、そろそろ落ち着きたいから抜けるわ」
が、9.8割なので、この辺はワールドワイドな共通項らしい。
「音楽に国境はない」とは、よく言ったものだ。